溶解度と再結晶
カワウソ先生冷やして取り出すのか、水を蒸発させるのか。どちらが向くかは溶解度曲線の傾きを見れば決まるよ。
30秒でつかむ
- 100gの水に溶ける物質の最大の質量を溶解度という。溶解度まで溶けた水溶液(新しいタブで開きます)を飽和水溶液といい、溶解度は物質と温度で決まる。
- 温度と溶解度の関係を表したグラフを溶解度曲線という。硝酸カリウムは温度で大きく変わり、塩(新しいタブで開きます)化ナトリウムはほとんど変わらない。
- 溶かした物質を結晶として取り出すことを再結晶という。溶解度の差が大きい物質は冷やして、差が小さい物質は水を蒸発させて取り出す。
詳しく
公式
一定量の水に物質を溶かし続けると、それ以上溶けなくなる。100gの水に溶ける物質の最大の質量〔g〕を溶解度といい、溶解度まで物質が溶けた水溶液を飽和水溶液という。
溶解度は物質の種類と水の温度で決まる。温度と溶解度の関係を表したグラフを溶解度曲線という。100gの水に溶ける硝酸カリウムは、20℃で31.6g、60℃で109.2gと大きく変わる。塩化ナトリウムは20℃で35.8g、60℃で37.1gとほとんど変わらない。
一度溶かした物質を、もう一度規則正しい形の固体(結晶)として取り出すことを再結晶という。冷やしたときに出てくる結晶の質量は「溶かした質量−冷やしたあとの温度での溶解度」で求める。
例題
例題1:60℃の水100gに硝酸カリウム100gを溶かした。60℃の溶解度109.2gより少ないので全部溶ける。この水溶液を20℃まで冷やすと、出てくる結晶は100−31.6=68.4g。
例題2:60℃の水100gに塩化ナトリウム35gを溶かし、20℃まで冷やす。20℃の溶解度35.8gより少ないので、結晶はほとんど出てこない。塩化ナトリウムは水を蒸発させて取り出す。
例題3:水が200gのときは、溶ける最大の質量も2倍になる。20℃の水200gに溶ける硝酸カリウムは、31.6×2=63.2gまで。
なぜそうなるか
溶解度より多い量は水に溶けていられない。そのため、温度を下げて溶解度が小さくなると、溶けきれなくなった分が結晶として出てくる。
溶解度曲線の傾きが大きい物質ほど、冷やしたときに出てくる結晶が多い。傾きがほとんどない塩化ナトリウムは、冷やしてもほぼ出てこないので、水を減らして溶ける量の上限そのものを小さくする。
少しの不純物が混じった物質を溶かして再結晶すると、量の少ない不純物は溶解度に届かず水溶液に残る。このため再結晶は、純粋な物質を取り出す方法として使われる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/solubility-and-recrystallization/?from=print#quiz
40℃の水100gに硝酸カリウム50gを溶かし、20℃まで冷やした。出てくる結晶の質量はどれか(20℃の溶解度は31.6g)。
- ◯ 18.4g
- ◯ 31.6g
- ◯ 50g
- ◯ 81.6g
正解:18.4g
溶かした質量−20℃の溶解度=50−31.6=18.4g。塩化ナトリウムの水溶液から結晶を取り出す方法として適しているものはどれか。
- ◯ 水溶液を冷やす
- ◯ 水を蒸発させる
- ◯ ろ過する
- ◯ 水を加える
正解:水を蒸発させる
塩(新しいタブで開きます)化ナトリウムは温度による溶解度の差が小さく、冷やしてもほとんど結晶が出てこない。水を蒸発させて取り出す。20℃の水200gに溶ける硝酸カリウムの最大の質量はどれか(20℃の溶解度は31.6g)。
- ◯ 15.8g
- ◯ 31.6g
- ◯ 63.2g
- ◯ 231.6g
正解:63.2g
溶解度は水100gあたりの値。水200gなら2倍の31.6×2=63.2gまで溶ける。物質が溶解度まで溶けていて、それ以上溶けない水溶液を何というか。
- ◯ 結晶
- ◯ 飽和水溶液
- ◯ 溶媒
- ◯ 混合物
正解:飽和水溶液
溶解度まで溶けた水溶液(新しいタブで開きます)を飽和水溶液という。
単元のポイント
- 溶解度 100gの水に溶ける物質の最大の質量〔g〕
- 飽和水溶液 溶質が溶解度まで溶けている水溶液
- 溶解度曲線 温度と溶解度の関係を表したグラフ
- 再結晶 溶解度の差を利用して、溶けた物質を結晶で取り出すこと