細胞分裂と生物の成長
カワウソ先生体細胞分裂で大事なのは、分裂の前に染色体がいったん複製されて2倍になり、それが2つの細胞に等しく分配されること。分裂の前と後で染色体の数は変わらないよ。
30秒でつかむ
- 体細胞分裂では、分裂の前に染色体が複製されて2倍になり、それが2つの細胞に等しく分配される。
- 分裂してできた2つの細胞は、どちらももとの細胞と同じ数の染色体をもつ。
- 生物が成長するのは、細胞の数が分裂で増えることと、1つ1つの細胞が大きくなることの両方による。
詳しく
体細胞分裂とは
からだをつくる細胞がふえるときに起こる細胞分裂を体細胞分裂という。体細胞分裂では、分裂する前に核の中の染色体が複製されて2倍の数になる。複製された染色体は、2つの細胞に等しく分配される。
染色体が複製されて2倍になった後、2つの細胞に等しく分配されることで、分裂してできた2つの細胞は、どちらももとの細胞と同じ数の染色体をもつことになる。たとえばもとの細胞が4本の染色体をもっていたなら、分裂後の2つの細胞もそれぞれ4本の染色体をもつ。
体細胞分裂によって、もとの細胞(母細胞)と同じ染色体をもつ2つの細胞(娘細胞)ができる。このしくみがあるために、分裂を繰り返しても、からだをつくる細胞の染色体の数はいつも同じに保たれる。
体細胞分裂の順序
体細胞分裂には、決まった順序がある。分裂を始める前の核では、染色体は細い糸のようになっていて見分けにくいが、分裂が始まると染色体は太く短くなり、複製された染色体が2本ずつくっついた形で核の中に姿を現す。
太く短くなった染色体は細胞の中央に並び、その後、くっついていた2本が分かれて、それぞれ細胞の両端へと移動していく。両端に分かれた染色体のまわりに新しい核の膜ができ、2つの核ができる。
2つの核ができた後、細胞質がそのまま2つに分かれて、2つの細胞になる。この順序(染色体が現れる→中央に並ぶ→両端に分かれる→核ができる→細胞質が分かれる)は、観察でも確かめることができる。
生物の成長と細胞分裂
多細胞生物(新しいタブで開きます)のからだが大きくなる、つまり成長する理由の1つは、体細胞分裂によって細胞の数が増えることである。1つの細胞が2つ、2つが4つと分裂を繰り返すことで、からだをつくる細胞の数はどんどん増えていく。
しかし細胞の数が増えるだけでは、生物の成長を説明できない。分裂してできたばかりの細胞は小さいが、時間が経つにつれて1つ1つの細胞そのものが大きく育つ。この細胞自体の肥大も、成長の重要な理由である。
つまり生物の成長は、体細胞分裂による細胞の数の増加と、分裂後の細胞1つ1つの大きさの変化(肥大)という、2つのことが合わさって起こる。根や茎の先端のように活発に分裂する部分で、この2つを観察で確かめることができる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/cell-division-and-growth/?from=print#quiz
体細胞分裂で、分裂する前に核の中で起こることはどれか。
- ◯ 染色体の数が半分になる
- ◯ 核がなくなる
- ◯ 染色体がすべて消える
- ◯ 染色体が複製されて2倍になる
正解:染色体が複製されて2倍になる
体細胞分裂では、分裂する前に染色体が複製されて2倍の数になり、それが2つの細胞に等しく分配される。染色体の数が半分になるのは減数分裂(新しいタブで開きます)である。染色体を8本もつ細胞が体細胞分裂を1回行うと、できた2つの細胞の染色体の数はどうなるか。
- ◯ それぞれ4本になる
- ◯ それぞれ8本になる
- ◯ それぞれ16本になる
- ◯ 合わせて8本になる
正解:それぞれ8本になる
体細胞分裂では染色体が複製されて2倍になってから2つの細胞に等しく分配されるため、分裂後の2つの細胞もどちらももとの細胞と同じ8本の染色体をもつ。体細胞分裂で起こることを正しい順に並べよう。
- ( )核の中に染色体は見えず、糸のような状態になっている
- ( )複製された染色体が太く短い形で核の中に現れ、中央に並ぶ
- ( )染色体が2つに分かれて、それぞれ細胞の両端に移動する
- ( )両端に新しい核ができ、細胞質が分かれて2つの細胞になる
正解:核の中に染色体は見えず、糸のような状態になっている → 複製された染色体が太く短い形で核の中に現れ、中央に並ぶ → 染色体が2つに分かれて、それぞれ細胞の両端に移動する → 両端に新しい核ができ、細胞質が分かれて2つの細胞になる
染色体が見えない状態→複製された染色体が現れて中央に並ぶ→両端に分かれる→核ができて細胞質が分かれる、の順に体細胞分裂は進む。多細胞生物が成長するしくみとして正しいものはどれか。
- ◯ 染色体の数が増えることで成長する
- ◯ 細胞の数が増えるだけで成長する
- ◯ 細胞の数が増えることと、1つ1つの細胞が大きくなることの両方で成長する
- ◯ 1つ1つの細胞が大きくなるだけで成長する
正解:細胞の数が増えることと、1つ1つの細胞が大きくなることの両方で成長する
生物の成長は、体細胞分裂による細胞の数の増加と、分裂後の細胞1つ1つが大きくなること(肥大)の両方が合わさって起こる。
単元のポイント
- 体細胞分裂 からだをつくる細胞が2つに分かれてふえる細胞分裂
- 染色体の複製 分裂の前に染色体が複製されて2倍の数になる
- 等しい分配 複製された染色体が2つの細胞に等しく分かれて入る
- 成長のしくみ 細胞の数が増えることと、1つ1つの細胞が大きくなることの両方で起こる