ダニエル電池
カワウソ先生電子の流れと電流の向きは逆、というのを図でセットにして覚えておくとダニエル電池で迷わないよ。
30秒でつかむ
- 金属にはイオンへのなりやすさの違いがあり、マグネシウム(新しいタブで開きます)>亜鉛>銅の順になりやすい。
- ダニエル電池は、亜鉛板が-極、銅板が+極になる化学電池で、電子は亜鉛板から銅板へ流れる。
- セロハンはイオン(新しいタブで開きます)だけを通し、2つの水溶液(新しいタブで開きます)が混ざらないようにして電流を長く取り出せるようにする。
詳しく
化学電池のしくみ
金属には、水溶液中で電子を失ってイオンになろうとする性質の強さに違いがある。この性質の強さの順を、金属のイオンへのなりやすさという。マグネシウム・亜鉛・銅の3種類では、マグネシウム>亜鉛>銅の順でイオンになりやすい。
イオンへのなりやすさが異なる2種類の金属を、それぞれの金属イオンを含む電解質水溶液に入れ、金属どうしを導線でつなぐと、電子が移動して電流が流れる。これを化学電池という。化学エネルギーが電気エネルギーに変わる装置である。
化学電池では、イオンへのなりやすさが大きい金属の電極で電子が放出され、導線を通って、なりやすさが小さい金属の電極へ移動する。電子が流れ出す電極が-極、電子が流れ込む電極が+極になる。
ダニエル電池のつくり
ダニエル電池は、セロハン(または素焼き板)で2つの水溶液を分けた代表的な化学電池である。一方に硫酸亜鉛水溶液と亜鉛板、もう一方に硫酸銅水溶液と銅板を入れ、亜鉛板と銅板を導線でモーターや電子オルゴールにつないでつくる。
亜鉛は銅よりイオンになりやすいため、亜鉛板では亜鉛原子が電子を2個失って亜鉛イオンZn²⁺となり水溶液中に溶け出す。このとき放出された電子は導線を通って銅板へ移動するので、亜鉛板が-極になる。
銅板では、水溶液中の銅イオンCu²⁺が導線から来た電子を2個受け取って銅原子となり、銅板の表面に付着する。電子を受け取る銅板が+極になる。電子の流れは亜鉛板から銅板へ向かい、電流の向きはその逆で銅板から亜鉛板へ向かう。
セロハンの役割とイオンへのなりやすさ
セロハンには小さな穴があり、イオンだけをゆっくり通すことができる。亜鉛板側では亜鉛イオンZn²⁺が増え、銅板側では銅イオンCu²⁺が減っていくので、セロハンを通って少しずつイオンが移動し、両側の水溶液全体の電気的なバランスを保っている。
もしセロハンがなく2つの水溶液が直接混ざると、亜鉛と銅イオンが電極を介さずに直接反応してしまい、電流を外部に取り出せない。セロハンで水溶液を分けることが、電池(新しいタブで開きます)として電流を長く取り出すための工夫である。
マグネシウム・亜鉛・銅のように、イオンへのなりやすさの差が大きい金属どうしを組み合わせるほど電圧は大きくなる。この組み合わせを変えることで、電圧の大きさが変わる化学電池をつくることができる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/chemical-cells/?from=print#quiz
マグネシウム・亜鉛・銅をイオンへのなりやすさが大きい順に並べたものはどれか。
- ◯ 銅>亜鉛>マグネシウム
- ◯ マグネシウム>亜鉛>銅
- ◯ マグネシウム>銅>亜鉛
- ◯ 亜鉛>マグネシウム>銅
正解:マグネシウム>亜鉛>銅
この3種類の金属では、マグネシウム(新しいタブで開きます)が最もイオン(新しいタブで開きます)になりやすく、次に亜鉛、最もなりにくいのが銅である。ダニエル電池で-極になるのはどちらの金属板か。
- ◯ どちらも+極になる
- ◯ 亜鉛板
- ◯ 銅板
- ◯ どちらも-極になる
正解:亜鉛板
亜鉛は銅よりイオンになりやすいため、亜鉛板では亜鉛原子が電子を失ってZn²⁺となって溶け出す。電子を放出する亜鉛板が-極になる。ダニエル電池で、導線の中を電子が移動する向きと電流が流れる向きの関係として正しいものはどれか。
- ◯ 電子と電流はどちらも亜鉛板から銅板へ流れる
- ◯ 電子は亜鉛板から銅板へ、電流は銅板から亜鉛板へ流れる
- ◯ 電子は銅板から亜鉛板へ、電流も銅板から亜鉛板へ流れる
- ◯ 電子と電流はどちらも銅板から亜鉛板へ流れる
正解:電子は亜鉛板から銅板へ、電流は銅板から亜鉛板へ流れる
亜鉛板で放出された電子は導線を通って銅板へ移動する。電流の向きは電子の流れと逆に決められているので、電流は銅板から亜鉛板へ流れる。ダニエル電池でセロハンを使う理由として正しいものはどれか。
- ◯ 水だけを通し、水溶液の濃さを均一にするため
- ◯ 電流が流れないようにするため
- ◯ 電子だけを通し、イオンが動かないようにするため
- ◯ イオンだけを通し、2つの水溶液が直接混ざらないようにするため
正解:イオンだけを通し、2つの水溶液が直接混ざらないようにするため
セロハンの小さな穴はイオンだけをゆっくり通す。2つの水溶液(新しいタブで開きます)が直接混ざって電極を介さずに反応してしまうのを防ぎ、電流を長く取り出せるようにする。
単元のポイント
- 金属のイオンへのなりやすさ マグネシウム>亜鉛>銅の順でイオンになりやすい
- 化学電池 イオンへのなりやすさが異なる2種類の金属と電解質水溶液を使い、化学エネルギーを電気エネルギーに変える装置
- ダニエル電池 亜鉛板・硫酸亜鉛水溶液と銅板・硫酸銅水溶液をセロハンで分けた電池。亜鉛板が-極、銅板が+極になる
- セロハンの役割 イオンだけを通し、2つの水溶液が直接混ざらないようにして電流を長く取り出せるようにする