物質の分解
カワウソ先生炭酸水素ナトリウムの熱分解でできる3つの物質と、その見分け方をセットで覚えると強いよ。
30秒でつかむ
- 1種類の物質に熱や電流を加えて、元の物質とは別の2種類以上の物質に分けることを分解という。
- 炭酸水素ナトリウムを加熱すると、炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素(新しいタブで開きます)に分かれる。酸化銀を加熱すると銀と酸素に分かれる。
- 水に電流を流すと分解され、陰極(新しいタブで開きます)に水素(新しいタブで開きます)、陽極に酸素が体積比2:1で発生する。
詳しく
ポイント
1種類の物質に熱や電流を加えると、元の物質とは異なる2種類以上の物質に分かれることがある。これを分解という。熱を加えて分解することを熱分解、電流を流して分解することを電気分解という。
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素の3つの物質に分かれる。これは熱分解の例だ。酸化銀を加熱すると、銀と酸素に分かれ、これも熱分解にあたる。
水に電流を流すと、水素と酸素に分かれる。これは電気分解の例だ。どちらの分解も、分解してできた物質は元の物質とは性質が異なる別の物質になる。
実験のしかたと結果
炭酸水素ナトリウムを試験管に入れて加熱すると、発生した気体を石灰水に通すと白く濁り、これが二酸化炭素であるとわかる。試験管の内側につく液体を塩(新しいタブで開きます)化コバルト紙につけると青色から赤色(桃色)に変わり、これが水であるとわかる。
加熱をやめても試験管の中にできた液体の水が加熱部分に流れ込まないよう、試験管の口を少し下げて加熱する。火を消す前に、石灰水に入れたガラス管(ガス導入管)を石灰水から抜く。これを忘れると、火が消えて試験管内の圧力が下がったときに石灰水が逆流し、試験管が割れるおそれがある。
試験管の底に残った白い固体は炭酸ナトリウムである。炭酸ナトリウムの水溶液(新しいタブで開きます)はフェノールフタレイン溶液で濃い赤色に変わり、炭酸水素ナトリウムの水溶液(薄い赤色)よりも強いアルカリ性を示す。酸化銀の黒色の粉末を加熱すると、白色で金属の光沢をもつ銀が残り、発生した気体に線香の火を入れると炎を上げて明るく燃えるので酸素であるとわかる。
なぜそうなるか
水に電流を流して分解すると、陰極(-極)には水素が、陽極(+極)には酸素が発生し、その体積比は水素:酸素=2:1になる。水素はマッチの火を近づけると音を立てて燃え、酸素は線香の火を入れると明るく燃えることで確かめられる。
純粋な水はほとんど電流を通さないので、水酸化ナトリウムや硫酸ナトリウムなどを少量溶かして電流を通しやすくしてから電気分解を行う。溶かした物質そのものは分解されず、水だけが分解される。
炭酸水素ナトリウムや酸化銀、水のように、1種類の物質から2種類以上の別の物質ができるのは、物質が元々いくつかの種類の小さな粒からできていて、熱や電流によってその粒の組み合わさり方が変わるためである。この「小さな粒」の正体は、次のページで見ていく原子と分子(新しいタブで開きます)である。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/decomposition-of-substances/?from=print#quiz
炭酸水素ナトリウムを加熱すると分かれる3つの物質はどれか。
- ◯ 炭酸ナトリウム・水素・酸素
- ◯ 炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素
- ◯ 水・酸素・二酸化炭素
- ◯ 炭酸ナトリウム・水・酸素
正解:炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素
炭酸水素ナトリウムを加熱すると、炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素(新しいタブで開きます)の3つの物質に分かれる。炭酸水素ナトリウムを加熱するとき、試験管の口を少し下げるのはなぜか。
- ◯ 試験管を速く冷ますため
- ◯ できた水が加熱部分に流れ込むのを防ぐため
- ◯ 石灰水が逆流しやすくするため
- ◯ 気体がすぐに抜けるようにするため
正解:できた水が加熱部分に流れ込むのを防ぐため
試験管の口を下げておくと、できた水が加熱している部分に流れ込んで試験管が割れるのを防げる。炭酸水素ナトリウムの加熱実験で、火を消す前にガラス管を石灰水から抜くのはなぜか。
- ◯ 石灰水の濁りを見やすくするため
- ◯ ガラス管を冷やすため
- ◯ 気体をすべて石灰水に通すため
- ◯ 石灰水が試験管に逆流するのを防ぐため
正解:石灰水が試験管に逆流するのを防ぐため
火を消すと試験管内の圧力が下がり、ガラス管を石灰水に入れたままだと石灰水が逆流して試験管が割れるおそれがある。水を電気分解したとき、陰極に発生する水素と陽極に発生する酸素の体積比はどれか。
- ◯ 水素:酸素=3:1
- ◯ 水素:酸素=2:1
- ◯ 水素:酸素=1:2
- ◯ 水素:酸素=1:1
正解:水素:酸素=2:1
水の電気分解では陰極(新しいタブで開きます)に水素(新しいタブで開きます)、陽極に酸素が発生し、その体積比は水素:酸素=2:1になる。
単元のポイント
- 熱分解 熱を加えて物質を分解すること。炭酸水素ナトリウムや酸化銀の分解がその例
- 電気分解 電流を流して物質を分解すること。水の電気分解がその例
- 石灰水・塩化コバルト紙 石灰水は二酸化炭素で白く濁る。塩化コバルト紙は水に触れると青色から赤色(桃色)に変わる
- 陰極・陽極 水の電気分解では陰極に水素、陽極に酸素が発生し、体積比は水素:酸素=2:1