遺伝子の発現とゲノム
カワウソ先生同じDNAをもつ細胞でも、実際に働く遺伝子は細胞によって違うんだよ。
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- 体のどの細胞も同じDNA(新しいタブで開きます)をもつが、実際に働く遺伝子は細胞によって異なる。
- 遺伝子の情報からタンパク質が作られることを遺伝子の発現といい、細胞ごとに発現する遺伝子が異なる。
- ゲノムはある生物がもつ遺伝情報全体を指し、個々の遺伝子はそのごく一部である。
詳しく
細胞ごとに異なる遺伝子の発現
体を作るどの細胞も、もとは同じ1個の細胞から分裂してできたので、同じDNAをもつ。ところが、神経の細胞と筋肉の細胞では、形もはたらきも大きく異なる。
この違いは、すべての遺伝子がいつも働いているわけではないことから生まれる。遺伝子の情報をもとに転写と翻訳(新しいタブで開きます)を経てタンパク質が作られることを遺伝子の発現といい、細胞は、そのはたらきに必要な遺伝子だけを発現させている。
同じ遺伝情報があっても、どの遺伝子が発現するかが細胞ごとに違うため、細胞の種類ごとに異なる性質が生まれるというわけだ。
遺伝子とゲノムの関係
ある生物がもつ遺伝情報全体をゲノムという。ゲノムは、その生物の体をつくるために必要な遺伝子を、すべて含んだDNAの集まりだ。
個々の遺伝子は、このゲノムを構成するDNAのごく一部にすぎない。たとえばヒトのゲノムには、約2万個の遺伝子が含まれると見積もられている。
どの細胞も同じゲノムをもっていても、そこに含まれる多数の遺伝子のうち、発現する部分だけが細胞ごとに変わる。
ゲノムの大きさと体の複雑さ
ヒトのゲノム(1組の遺伝情報)は、およそ30億の塩基対からなる。この中に、体のつくりとはたらきを決める情報がすべて収まっているわけだ。
ゲノムが大きいからといって、体が複雑になるとは限らない。ゲノムの大きさと生物の複雑さは比例しないことが知られている。
遺伝子の発現とゲノムの関係を理解すると、同じ遺伝情報から多様な細胞が生まれる体の仕組みが見えてくる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/gene-expression-and-genome/?from=print#quiz
体のすべての細胞が同じDNAをもつのに、細胞ごとにはたらきが異なる理由として正しいものはどれか。
- ◯ 細胞ごとに発現する遺伝子が異なるから
- ◯ 細胞ごとに塩基の相補性が異なるから
- ◯ 細胞ごとにゲノムの数が異なるから
- ◯ 細胞ごとにもつDNAの量が異なるから
正解:細胞ごとに発現する遺伝子が異なるから
同じDNA(新しいタブで開きます)があっても、細胞のはたらきに応じて発現する遺伝子が異なるため、細胞ごとに性質が違う。遺伝子とゲノムの関係として正しいものはどれか。
- ◯ 個々の遺伝子は、ゲノムを構成するDNAの一部である
- ◯ ゲノムは、タンパク質からできている
- ◯ ゲノムは、1個の遺伝子だけからできている
- ◯ 遺伝子とゲノムは、まったく別の物質である
正解:個々の遺伝子は、ゲノムを構成するDNAの一部である
ゲノムはその生物の遺伝情報全体を指し、個々の遺伝子はそのごく一部にすぎない。ヒトのゲノム(1組の遺伝情報)の大きさは、およそ何塩基対か。
- ◯ 30塩基対
- ◯ 30億塩基対
- ◯ 300万塩基対
- ◯ 3000塩基対
正解:30億塩基対
ヒトのゲノム(1組の遺伝情報)は、およそ30億の塩基対からなる。遺伝子の発現について正しい説明はどれか。
- ◯ すべての遺伝子は、どの細胞でも常に働いている
- ◯ 発現する遺伝子の数は、どの細胞でも同じである
- ◯ すべての遺伝子が、いつも働いているわけではない
- ◯ 遺伝子が発現すると、DNAの配列が変化する
正解:すべての遺伝子が、いつも働いているわけではない
細胞のはたらきに応じて必要な遺伝子だけが働くので、すべての遺伝子がいつも発現しているわけではない。
単元のポイント
- 遺伝子の発現 遺伝子の情報をもとに、転写と翻訳を経てタンパク質が作られること。細胞ごとに発現する遺伝子は違う
- ゲノム ある生物がもつ遺伝情報全体。個々の遺伝子はその一部