熱容量・比熱と熱量の保存
カワウソ先生比熱の大きい水は温まりにくく冷めにくい。熱量の保存は、失った熱と得た熱をそのまま=で結ぶだけだよ。
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- 物体の温度を1K(1℃)上げるのに必要な熱量を熱容量C〔J/K〕という。Q=CΔTが成り立つ。
- 物質1gの温度を1K上げるのに必要な熱量を比熱(比熱容量)c〔J/(g・K)〕という。質量mの物体の熱容量はC=mcなので、Q=mcΔTが成り立つ。
- 外部と熱のやりとりがなければ、高温の物体が失った熱量と低温の物体が得た熱量は等しい(熱量の保存)。水熱量計を使うと、この関係から物質の比熱を求められる。
詳しく
熱容量・比熱の式と熱量の保存
物体の温度を1K(1℃)上げるのに必要な熱量を熱容量〔J/K〕という。熱容量の物体の温度をだけ変化させるのに必要な熱量はである。
物質1gの温度を1K上げるのに必要な熱量を比熱(比熱容量)〔J/(g・K)〕という。質量〔g〕の物体の熱容量はなので、必要な熱量はとなる。水の比熱は約4.2J/(g・K)である。
外部と熱のやりとりがない(断熱された)容器の中で、高温の物体と低温の物体を接触させると、高温の物体が失った熱量と低温の物体が得た熱量は等しくなる。これを熱量の保存という。
水熱量計は、水の中に温めた物体を入れ、熱量の保存から物体の比熱を求める器具だ。水の比熱は正確に分かっているので、水の質量と温度変化から得た熱量が分かり、そこから物体の比熱を計算できる。
例題:水を温める熱量と水熱量計
例題1:質量200gの水を20℃から80℃に温めるのに必要な熱量は何Jか。水の比熱を4.2J/(g・K)とすると、50400J。
例題2:80℃に温めた質量50gの金属球を、20℃の水100gに入れてよくかき混ぜると、全体は24℃になった。水が得た熱量は1680J。熱量の保存より、金属が失った熱量も1680Jである。
例題3:金属球の比熱をとすると、金属が失った熱量は。これが1680Jと等しいので、0.60J/(g・K)。
なぜ水は温まりにくく冷めにくいのか
水の比熱4.2J/(g・K)は、多くの金属(0.1〜0.9J/(g・K)程度)よりずっと大きい。同じ質量・同じ熱量なら、比熱の大きい水ほど温度の変化は小さい。
この性質のため、水は温まりにくく冷めにくい。海に近い地域の気候が内陸より温和になりやすいのも、比熱の大きい海水が温度変化をゆるやかにするためだ。
水熱量計を使えば、鉄・アルミニウム・銅など何種類かの金属で同じ実験をして、比熱の大小を比べられる。なかなか冷めない水と、すぐ冷める金属の違いは、比熱の大きさの違いとしてとらえられる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/heat-capacity-specific-heat-and-conservation/?from=print#quiz
質量200gの水を20℃から80℃にするのに必要な熱量は何Jか。水の比熱を4.2J/(g・K)とする。
答え:____________
正解:50400
Q=mcΔT=200×4.2×(80−20)=50400J。熱容量84J/Kの物体を10K温めるのに必要な熱量は何Jか。
答え:____________
正解:840
Q=CΔT=84×10=840J。80℃の金属球50gを20℃の水100gに入れてよくかき混ぜたら、全体は24℃になった。金属の比熱は何J/(g・K)か。水の比熱を4.2J/(g・K)とする。
答え:____________
正解:0.6
水が得た熱量:100×4.2×(24−20)=1680J。熱量の保存より金属が失った熱量も1680Jで、50×c×(80−24)=1680より、c=1680÷2800=0.60J/(g・K)。比熱(比熱容量)が大きい物質と小さい物質に、同じ質量・同じ熱量を加えたとき、温度の上がり方について正しいものはどれか。
- ◯ 質量が大きい方が大きく上がる
- ◯ 比熱が小さい方が大きく上がる
- ◯ どちらも同じだけ上がる
- ◯ 比熱が大きい方が大きく上がる
正解:比熱が小さい方が大きく上がる
ΔT=Q÷(mc)なので、同じ熱量・質量なら比熱が小さいほど温度は大きく上がる。
単元のポイント
- 熱容量 C〔J/K〕。物体を1K上げるのに必要な熱量。Q=CΔT
- 比熱(比熱容量) c〔J/(g・K)〕。物質1gを1K上げるのに必要な熱量。Q=mcΔT
- 熱量の保存 外部と熱のやりとりがなければ、高温側が失った熱量=低温側が得た熱量
- 水熱量計 水の中に温めた物体を入れ、水温の変化から物体の比熱を求める器具