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熱(ねつ)と仕事(しごと)の変換(へんかん)・不可逆(ふかぎゃく)性(せい)

カワウソ先生仕事(しごと)は熱(ねつ)にかんたんに変(か)わるけど、熱(ねつ)をぜんぶ仕事(しごと)には戻(もど)せない。この一方(いっぽう)通行(つうこう)が不可逆(ふかぎゃく)性(せい)だよ。

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  1. 仕事(しごと)(新しいタブで開きます)と熱(ねつ)はどちらもエネルギーを移(うつ)す方法(ほうほう)で、単位(たんい)はどちらもJ(ジュール)である。ジュールの実験(じっけん)は、おもりの落下(らっか)による仕事(しごと)が、羽根車(はねぐるま)を通(とお)して熱(ねつ)に変(か)わることを示(しめ)した。
  2. 力学的(りきがくてき)な仕事(しごと)は、摩擦(まさつ)や衝突(しょうとつ)によって、かんたんに熱(ねつ)(原子(げんし)・分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)の乱雑(らんざつ)な熱運動(ねつうんどう)(新しいタブで開きます))に変(か)わる。しかし、熱(ねつ)をすべて仕事(しごと)に変(か)えることは一般(いっぱん)にはできない。
  3. 高温(こうおん)の物体(ぶったい)から低温(ていおん)の物体(ぶったい)へ熱(ねつ)が移(うつ)って熱(ねつ)平衡(へいこう)に達(たっ)する変化(へんか)のように、自然(しぜん)には一方向(いちほうこう)にしか進(すす)まない変化(へんか)を不可逆(ふかぎゃく)変化(へんか)という。

詳しく

仕事(しごと)と熱(ねつ)の変換(へんかん)

力学的(りきがくてき)な仕事(しごと)と熱(ねつ)は、どちらも物体(ぶったい)のエネルギーを変化(へんか)させる方法(ほうほう)で、単位(たんい)はどちらもJ(ジュール)である。19世紀(せいき)にジュールが行(おこな)った実験(じっけん)(ジュールの実験(じっけん))は、おもりの落下(らっか)による仕事(しごと)が、羽根車(はねぐるま)を通(とお)して水(みず)をかき混(ま)ぜる仕事(しごと)に変(か)わり、最終(さいしゅう)的(てき)に水(みず)の温度(おんど)を上(あ)げる熱(ねつ)になることを示(しめ)した。

ジュールの実験(じっけん)は、仕事(しごと)と熱(ねつ)が変換(へんかん)する割合(わりあい)(熱(ねつ)の仕事(しごと)当(とう)量(りょう))も明(あき)らかにした。1cal(水(みず)1gを1K上(あ)げる熱量(ねつりょう))は、ほぼ4.2Jの仕事(しごと)に相当(そうとう)する。

摩擦(まさつ)のある面(めん)を物体(ぶったい)がすべると、運動(うんどう)エネルギー(新しいタブで開きます)の一部(いちぶ)が摩擦(まさつ)によって熱(ねつ)に変(か)わり、面(めん)と物体(ぶったい)の温度(おんど)が上(あ)がる。このように、整(ととの)った運動(うんどう)である仕事(しごと)は、摩擦(まさつ)や衝突(しょうとつ)によってかんたんに熱(ねつ)に変(か)わる。

例題(れいだい):仕事(しごと)から熱(ねつ)への変換(へんかん)

例題(れいだい)1:質量(しつりょう)1.0kgの物体(ぶったい)を高(たか)さ30mから落(お)とし、その位置(いち)エネルギーがすべて熱(ねつ)に変(か)わって、質量(しつりょう)10gの水(みず)に伝(つた)わったとする。仕事(しごと)はW=mgh=1.0×9.8×30=W=mgh=1.0\times9.8\times30=294J。

例題(れいだい)2:この294Jがすべて水(みず)の温度(おんど)上昇(じょうしょう)に使(つか)われたとすると、水(みず)の比熱(ひねつ)(新しいタブで開きます)を4.2J/(g・K)として、ΔT=294÷(10×4.2)=\Delta T=294\div(10\times4.2)=7.0K上(あ)がる。

例題(れいだい)3:逆(ぎゃく)に、仕事(しごと)420Jがすべて熱(ねつ)に変(か)わり、水(みず)100gの温度(おんど)が上(あ)がったとすると、ΔT=420÷(100×4.2)=\Delta T=420\div(100\times4.2)=1.0K。これは、1cal(水(みず)1gを1K上(あ)げる熱量(ねつりょう))がほぼ4.2Jに相当(そうとう)するという関係(かんけい)と対応(たいおう)する。

ジュールの実験(仕事294J→水温7.0K上昇)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ熱(ねつ)はすべて仕事(しごと)には戻(もど)せないのか

仕事(しごと)は、物体(ぶったい)全体(ぜんたい)がそろって動(うご)く整(ととの)った運動(うんどう)によるエネルギーの移動(いどう)である。これに対(たい)して、熱(ねつ)は原子(げんし)・分子(ぶんし)がでたらめな方向(ほうこう)に飛(と)び回(まわ)る熱運動(ねつうんどう)のエネルギーだ。

そろった運動(うんどう)は、摩擦(まさつ)や衝突(しょうとつ)によって、かんたんにでたらめな熱運動(ねつうんどう)(熱(ねつ))に変(か)わる。しかし、でたらめに飛(と)び回(まわ)る無数(むすう)の分子(ぶんし)の運動(うんどう)を、何(なに)もせずにそろった運動(うんどう)(仕事(しごと))に戻(もど)すことは、起(お)こりにくい。

高温(こうおん)の物体(ぶったい)と低温(ていおん)の物体(ぶったい)を接触(せっしょく)させると、熱(ねつ)は高温(こうおん)側(がわ)から低温(ていおん)側(がわ)へ移(うつ)り、やがて熱(ねつ)平衡(へいこう)に達(たっ)する。これも、外(そと)から何(なに)もしなければ逆(ぎゃく)には進(すす)まない不可逆(ふかぎゃく)変化(へんか)である。コップの水(みず)にインクを落(お)とすと広(ひろ)がって均一(きんいつ)になるが、自然(しぜん)に元(もと)のインクのしずくへ戻(もど)ることはない。熱(ねつ)の現象(げんしょう)にも、同(おな)じ一方向(いちほうこう)の進(すす)み方(かた)がある。

不可逆変化:熱は高温から低温へしか自然に移らないAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 4質量(しつりょう)1.0kgの物体(ぶったい)を高(たか)さ30mから落(お)として、その位置(いち)エネルギーがすべて熱(ねつ)に変(か)わり、質量(しつりょう)10gの水(みず)がそれを受(う)け取(と)って温度(おんど)が上(あ)がったとすると、何(なん)K上(あ)がるか。水(みず)の比熱(ひねつ)を4.2J/(g・K)、重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)を9.8m/s²とする。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/heat-work-conversion-and-irreversibility/?from=print#quiz

  1. 質量(しつりょう)1.0kgの物体(ぶったい)を高(たか)さ30mから落(お)として、その位置(いち)エネルギーがすべて熱(ねつ)に変(か)わり、質量(しつりょう)10gの水(みず)がそれを受(う)け取(と)って温度(おんど)が上(あ)がったとすると、何(なん)K上(あ)がるか。水(みず)の比熱(ひねつ)を4.2J/(g・K)、重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)を9.8m/s²とする。

    答え:____________

    正解:7
    位置(いち)エネルギー(新しいタブで開きます)(仕事(しごと)(新しいタブで開きます)):W=mgh=1.0×9.8×30=294J。ΔT=W÷(mc)=294÷(10×4.2)=294÷42=7.0K。

  2. 仕事(しごと)420Jをすべて熱(ねつ)に変(か)え、質量(しつりょう)100gの水(みず)の温度(おんど)をすべて上(あ)げたとすると、水温(すいおん)は何(なん)K上(あ)がるか。水(みず)の比熱(ひねつ)を4.2J/(g・K)とする。

    答え:____________

    正解:1
    ΔT=W÷(mc)=420÷(100×4.2)=420÷420=1.0K。

  3. 不可逆(ふかぎゃく)変化(へんか)の例(れい)として適当(てきとう)なものはどれか。

    • ◯ ばねを一定(いってい)の力(ちから)で伸(の)ばす
    • ◯ 高温(こうおん)の物体(ぶったい)と低温(ていおん)の物体(ぶったい)を接触(せっしょく)させて熱(ねつ)平衡(へいこう)に達(たっ)する
    • ◯ 摩擦(まさつ)のない面(めん)で、静止(せいし)していた物体(ぶったい)を一定(いってい)の力(ちから)で押(お)し続(つづ)けて加速(かそく)させる
    • ◯ 摩擦(まさつ)のない面(めん)を物体(ぶったい)が等速(とうそく)で進(すす)む

    正解:高温の物体と低温の物体を接触させて熱平衡に達する
    高温(こうおん)の物体(ぶったい)と低温(ていおん)の物体(ぶったい)を接触(せっしょく)させて熱(ねつ)平衡(へいこう)(新しいタブで開きます)に達(たっ)する変化(へんか)は、外(そと)から何(なに)もしなければ逆(ぎゃく)には進(すす)まない不可逆(ふかぎゃく)変化(へんか)である。他(た)の例(れい)は、摩擦(まさつ)や熱(ねつ)の発生(はっせい)(新しいタブで開きます)がなければ理想(りそう)的(てき)には逆(ぎゃく)向(む)きにも進(すす)められる。

  4. 仕事(しごと)と熱(ねつ)の変換(へんかん)について正(ただ)しい説明(せつめい)はどれか。

    • ◯ 仕事(しごと)と熱(ねつ)はどちらも完全(かんぜん)に変換(へんかん)し合(あ)える
    • ◯ 仕事(しごと)と熱(ねつ)は無関係(むかんけい)である
    • ◯ 仕事(しごと)はすべて熱(ねつ)に変(か)えられるが、熱(ねつ)をすべて仕事(しごと)に変(か)えることは一般(いっぱん)にできない
    • ◯ 熱(ねつ)はすべて仕事(しごと)に変(か)えられるが、仕事(しごと)をすべて熱(ねつ)に変(か)えることはできない

    正解:仕事はすべて熱に変えられるが、熱をすべて仕事に変えることは一般にできない
    力学的(りきがくてき)な仕事(しごと)(整(ととの)った運動(うんどう))は衝突(しょうとつ)や摩擦(まさつ)で容易(ようい)に熱(ねつ)(乱雑(らんざつ)な運動(うんどう))に変(か)わるが、逆(ぎゃく)に熱(ねつ)をすべて仕事(しごと)に変(か)えるのは一般(いっぱん)にできない。これが熱(ねつ)現象(げんしょう)の不可逆(ふかぎゃく)性(せい)の一(ひと)つの表(あらわ)れである。

単元のポイント

  • ジュールの実験(じっけん) おもりの落下(らっか)による仕事(しごと)を、羽根車(はねぐるま)で水(みず)の温度(おんど)上昇(じょうしょう)(熱(ねつ))に変(か)えた実験(じっけん)
  • 熱(ねつ)の仕事(しごと)当(とう)量(りょう) 仕事(しごと)と熱(ねつ)を変換(へんかん)する割合(わりあい)。1cal≒4.2J
  • 不可逆(ふかぎゃく)変化(へんか) 自然(しぜん)には一方向(いちほうこう)にしか進(すす)まない変化(へんか)(例(れい):高温(こうおん)→低温(ていおん)への熱(ねつ)の移動(いどう))
  • 熱(ねつ)現象(げんしょう)の不可逆(ふかぎゃく)性(せい) 仕事(しごと)は熱(ねつ)に変(か)わりやすいが、熱(ねつ)をすべて仕事(しごと)には戻(もど)せない
問題を解く
単元のポイント
  • ジュールの実験(じっけん) おもりの落下(らっか)による仕事(しごと)を、羽根車(はねぐるま)で水(みず)の温度(おんど)上昇(じょうしょう)(熱(ねつ))に変(か)えた実験(じっけん)
  • 熱(ねつ)の仕事(しごと)当(とう)量(りょう) 仕事(しごと)と熱(ねつ)を変換(へんかん)する割合(わりあい)。1cal≒4.2J
  • 不可逆(ふかぎゃく)変化(へんか) 自然(しぜん)には一方向(いちほうこう)にしか進(すす)まない変化(へんか)(例(れい):高温(こうおん)→低温(ていおん)への熱(ねつ)の移動(いどう))
  • 熱(ねつ)現象(げんしょう)の不可逆(ふかぎゃく)性(せい) 仕事(しごと)は熱(ねつ)に変(か)わりやすいが、熱(ねつ)をすべて仕事(しごと)には戻(もど)せない