内部エネルギーと潜熱
カワウソ先生内部エネルギーが増えても、温度が上がるとは限らないよ。状態変化の間は、熱が潜熱として使われて温度は変わらないんだ。
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- 原子・分子(新しいタブで開きます)の運動エネルギー(新しいタブで開きます)と、分子どうしの間に働く力による位置エネルギーの総和を内部エネルギーという。熱運動(新しいタブで開きます)が激しくなると、内部エネルギーは増加する。
- 物質は温度によって固体・液体・気体(新しいタブで開きます)の状態(物質の三態)の間を変化する。熱運動が激しくなるほど、粒子どうしの結びつきを振り切りやすくなる。
- 融解や蒸発などの状態変化の間は、熱を吸収しても温度は変わらない。このとき使われる熱量を潜熱という(融解熱・気化熱など)。
詳しく
内部エネルギーと潜熱
物質をつくる原子・分子は、熱運動による運動エネルギーと、分子どうしの間に働く力による位置エネルギーをもつ。この2つの総和を内部エネルギーという。温度が上がって熱運動が激しくなるほど、内部エネルギーは大きくなる。
物質は、温度によって固体・液体・気体という3つの状態(物質の三態)の間で状態変化する。固体では粒子はほぼ決まった位置で振動するだけだが、熱運動が激しくなるほど粒子どうしの結びつきを振り切りやすくなり、液体・気体へと変わっていく。
融解や蒸発などの状態変化が起こっている間は、熱を吸収していても温度は一定に保たれる。このとき吸収・放出される熱量を潜熱という。固体1gを同じ温度の液体にするのに必要な熱量を融解熱、液体1gを同じ温度の気体にするのに必要な熱量を気化熱(蒸発熱(新しいタブで開きます))という。
氷(0℃)が融解して水(0℃)になるときの融解熱は1gあたり約334J、水(100℃)が気化して水蒸気(100℃)になるときの気化熱は1gあたり約2260Jである。
例題:融解と気化に必要な熱量
例題1:0℃の氷20gをすべて0℃の水にするのに必要な熱量は何Jか。融解熱を1gあたり334Jとすると、6680J。
例題2:100℃の水5.0gをすべて100℃の水蒸気にするのに必要な熱量は何Jか。気化熱を1gあたり2260Jとすると、11300J。
例題3:0℃の氷20gに6680Jの熱を加えてすべて水にしたあと、さらに熱を加え続けると、今度は温度が上がり始める。状態変化が終わったところで、潜熱として使われる熱から、温度を上げる熱へ役割が変わる。
なぜ状態変化の間は温度が変わらないのか
状態変化の間に加えた熱は、原子・分子の運動エネルギー(温度に対応する部分)を増やすのではなく、分子どうしの結びつきを振り切るための位置エネルギーに使われる。だから、熱を吸収しているのに温度(熱運動の激しさ)は変わらない。
気体になった分子どうしの間の力はほとんど働かないので、気体の内部エネルギーは、ほぼ運動エネルギーだけで決まる。固体・液体から気体に変わるときに大きな気化熱が必要なのは、分子どうしの結びつきを完全に振り切るためだ。
中学校では、物質が固体・液体・気体の間で状態変化することを、体積は変わるが質量は変わらないという視点で学んだ。ここでは、その状態変化を内部エネルギーと潜熱という熱量の視点から見直す。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/internal-energy-and-latent-heat/?from=print#quiz
固体→液体→気体と状態が変わるとき、物質の内部エネルギーはどうなるか。
- ◯ 増加する
- ◯ 減少する
- ◯ 変わらない
- ◯ 0になる
正解:増加する
内部エネルギーは運動エネルギー(新しいタブで開きます)と位置エネルギーの総和。熱運動(新しいタブで開きます)が激しくなって状態が変わるほど、内部エネルギーは増加する。0℃の氷がすべて0℃の水になるまで熱を加え続けている間、温度はどう変化するか。
- ◯ 加えた熱と逆向きに下がる
- ◯ 急に100℃まで上がる
- ◯ 状態変化が終わるまで0℃のまま変わらない
- ◯ 熱を加えるとともに上がり続ける
正解:状態変化が終わるまで0℃のまま変わらない
加えた熱(潜熱)は分子(新しいタブで開きます)どうしの結びつきを振り切るために使われ、運動エネルギー(温度)は変化しない。状態変化(新しいタブで開きます)が終わるまで0℃のまま変わらない。0℃の氷20gをすべて0℃の水にするのに必要な熱量は何Jか。融解熱を1gあたり334Jとする。
答え:____________
正解:6680
Q=m×(融解熱)=20×334=6680J。100℃の水5.0gをすべて100℃の水蒸気にするのに必要な熱量は何Jか。気化熱を1gあたり2260Jとする。
答え:____________
正解:11300
Q=m×(気化熱)=5.0×2260=11300J。
単元のポイント
- 内部エネルギー 原子・分子の運動エネルギーと位置エネルギーの総和。温度が上がると増加する
- 潜熱 状態変化の間に吸収・放出される熱量。温度は変化しない
- 融解熱 固体1gを同じ温度の液体にするのに必要な熱量。氷→水は1gあたり約334J
- 気化熱(蒸発熱) 液体1gを同じ温度の気体にするのに必要な熱量。水→水蒸気(100℃)は1gあたり約2260J