中和とイオンの数の変化
カワウソ先生4本のイオンの数の線は、Cl⁻だけが一定という1本をまず覚えると、残り3本の増減も区別しやすくなるよ。
30秒でつかむ
- 塩(新しいタブで開きます)酸に水酸化ナトリウム水溶液(新しいタブで開きます)を加えると、H⁺は中性(新しいタブで開きます)になる点で0になる。
- Na⁺は加えた量に比例して増え続け、Cl⁻は最初から変化しない。
- BTB溶液(新しいタブで開きます)は黄色→緑色→青色の順に変化し、中和中は温度が上がる。
詳しく
イオンの数の変化を追う
塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えていくと、酸の水素イオンH⁺とアルカリの水酸化物イオンOH⁻が結びついて水になるため、H⁺の数はしだいに減っていく。
ちょうど中和して水溶液が中性になる点では、H⁺はすべて水になってしまい、数は0になる。そのあとさらに水酸化ナトリウム水溶液を加えても、新しく加わったOH⁻がそのまま水溶液中に残り、OH⁻の数が増えていく。
加えた水酸化ナトリウム水溶液に含まれていたナトリウムイオン(新しいタブで開きます)Na⁺は、中和が起こっても水にならずそのまま水溶液中に残るため、加えた量に比例して増え続ける。もとから塩酸に含まれていた塩化物イオンCl⁻は、反応に関わらないため数は変化しない。
イオンの数のグラフとBTBの色
横軸を加えた水酸化ナトリウム水溶液の量、縦軸をイオンの数としてグラフに表すと、H⁺は中性になる点まで減り続けてそこで0になり、そのあとも0のままになる。OH⁻は中性になる点までは0で、そのあとから増え始める。
Na⁺は最初から一定の割合で増え続け、Cl⁻は最初から変化しない一定の値を保つ。4本の線を同じグラフに描くと、中性になる点でH⁺とOH⁻の線が入れかわるように交わる。
この変化は、水溶液の色にも表れるのだ。BTB溶液を加えておくと、酸性のあいだは黄色、中性になった点で緑色、アルカリ性になると青色に変わる。色の変化の境目が、ちょうどH⁺が0になる点と一致する。
中和と熱
中和が起こるとき、水溶液の温度は上がる。酸とアルカリが結びついて水になる変化は発熱をともなう変化であり、中和が進んでいるあいだは温度の上昇が観測できる。
中性になる点を過ぎてさらに水酸化ナトリウム水溶液を加えても、新しく中和する酸がもう残っていないため、それ以上の発熱は起こらない。発熱が止まる点も、イオンの数の変化やBTBの色の変化と同じ点に対応する。
イオンの数の変化・色の変化・温度の変化は、どれも同じ中和の進み方を別の見方で確かめたものである。3つを合わせて見ることで、中和がどこまで進んでいるかを判断できる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/neutralization-and-ion-counts/?from=print#quiz
塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えていくとき、水素イオンH⁺の数はどのように変化するか。
- ◯ 中性になった点から急に増え始める
- ◯ 中性になる点まで減り続け、0になったあとも0のまま
- ◯ 中性になる点まで増え続け、そのあとは一定
- ◯ 最初から変化せず一定
正解:中性になる点まで減り続け、0になったあとも0のまま
加えたOH⁻とH⁺が結びついて水になるため、H⁺は中性(新しいタブで開きます)になる点まで減り続けて0になり、そのあとも新たに増えることはない。塩酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えていくとき、ナトリウムイオンNa⁺の数はどのように変化するか。
- ◯ 反応に使われてなくなる
- ◯ 中性になる点まで変化せず、そのあとから増える
- ◯ 最初から一定の割合で増え続ける
- ◯ 中性になる点まで増え、そのあとは一定になる
正解:最初から一定の割合で増え続ける
Na⁺は中和に関わらずそのまま水溶液(新しいタブで開きます)中に残るため、加えた水酸化ナトリウム水溶液の量に比例して最初から増え続ける。塩酸にBTB溶液を加えておき、水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加えていくと、色はどのような順に変化するか。
- ◯ 青色→緑色→黄色
- ◯ 黄色→青色→緑色
- ◯ 緑色→黄色→青色
- ◯ 黄色→緑色→青色
正解:黄色→緑色→青色
BTB溶液(新しいタブで開きます)は酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色になるので、酸性の塩(新しいタブで開きます)酸にアルカリを加えていくと黄色→緑色→青色の順に変化する。中和が起こっているとき、水溶液の温度はどうなるか。
- ◯ 変化しない
- ◯ いったん下がってから上がる
- ◯ 下がる
- ◯ 上がる
正解:上がる
中和は熱を発生する変化なので、中和が進んでいるあいだは水溶液の温度が上がる。
単元のポイント
- 水素イオンH⁺の数の変化 中性になる点まで減り続け、0になったあとも0のまま
- 水酸化物イオンOH⁻の数の変化 中性になる点までは0で、そのあとから増える
- ナトリウムイオンNa⁺・塩化物イオンCl⁻の数の変化 Na⁺は最初から一定の割合で増え続け、Cl⁻は最初から変化しない
- BTB溶液の色の変化と発熱 黄色→緑色→青色の順に変化し、中和が進んでいるあいだは温度が上がる