垂直抗力と摩擦力
カワウソ先生止まっている間の摩擦力は、引く力に合わせて大きさが変わるよ。μNは「これ以上は支えられない」上限なんだ。
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- 物体には、地球が引く重力W=mg(g≒9.8m/s²)が働く。面の上に置くと、面は物体を垂直に押し返す。この力が垂直抗力(新しいタブで開きます)Nである。
- 止まっている物体を面に沿って引くと、引く力と同じ大きさの静止摩擦力が逆向きに働く。静止摩擦力には上限があり、これを最大摩擦力F₀=μNという。
- すべり出したあとは、動摩擦力F′=μ′Nが働く。動摩擦係数μ′は、ふつう静止摩擦係数μより小さい。
詳しく
物体に働く力と摩擦力の式
質量の物体には、地球が引く重力が働く。は重力加速度(新しいタブで開きます)で、およそ9.8m/s²。質量1.0kgの物体には約9.8Nの重力が働く。
物体を面に置くと、面は物体を面に垂直な向きに押し返す。この力を垂直抗力という。水平な床に置いただけなら、垂直抗力は重力とつり合い、大きさはに等しい。
止まっている物体を面に沿って引くとき、動かなければ、引く力と同じ大きさの静止摩擦力が逆向きに働いている。静止摩擦力には上限があり、これを最大摩擦力という(は静止摩擦係数)。すべっている物体には動摩擦力が働き、を動摩擦係数とよぶ。
このほか、ばねが伸び縮みしたときの弾性力、糸が物体を引く張力など、物体に接して働く力がある。重力・静電気力・磁力は、物体どうしが離れていても働く力だ。
例題:床の上の物体を引く
例題1:質量5.0kgの物体が水平な床に静止している。重力は49Nで、垂直抗力も同じ49Nになる。
例題2:この物体と床の静止摩擦係数を0.40とする。最大摩擦力はNなので、水平に10Nで引いても物体は動かず、静止摩擦力は10N。20Nで引くと19.6Nを超えるので、物体はすべり出す。
例題3:すべり出したあとの動摩擦係数を0.30とすると、動摩擦力は14.7N。最大摩擦力の19.6Nより小さいので、動き出したあとは小さな力で引き続けられる。
なぜ静止摩擦力は引く力で変わるのか
静止摩擦力は、物体を止めたままにするために必要な分だけ働く。引く力が5Nなら5N、10Nなら10Nで、引く力とつり合っている。だから「静止摩擦力=μN」とは限らず、μNは上限にすぎない。
摩擦力が垂直抗力に比例するのは、面どうしを強く押しつけるほど、すべりにくくなるからだ。物体の上におもりを載せると垂直抗力が増え、最大摩擦力も動摩擦力も同じ割合で大きくなる。
垂直抗力は、いつも重力と同じ大きさになるわけではない。上から手で押せば垂直抗力は大きくなり、斜面に置けば重力の一部(斜面に垂直な成分)だけを支える。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/normal-force-and-friction/?from=print#quiz
質量3.0kgの物体に働く重力の大きさは何Nか。重力加速度を9.8m/s²とする。
答え:____________
正解:29.4
重力W=mg=3.0×9.8=29.4N。水平な床に置いた質量10kgの物体と床の静止摩擦係数が0.50のとき、最大摩擦力は何Nか。重力加速度を9.8m/s²とする。
答え:____________
正解:49
垂直抗力(新しいタブで開きます)N=10×9.8=98N。最大摩擦力F₀=μN=0.50×98=49N。床に置いた物体を水平に8Nの力で引いたが、物体は動かなかった。このとき物体に働く静止摩擦力の大きさはどれか。
- ◯ 0N
- ◯ 最大摩擦力μNと同じ
- ◯ 8Nより小さい
- ◯ 8N
正解:8N
物体は静止しているので、引く力と静止摩擦力がつり合っている。静止摩擦力は8N。最大摩擦力μNは上限で、いつもその大きさになるわけではない。質量2.0kgの物体が、動摩擦係数0.20の水平な床の上をすべっている。動摩擦力は何Nか。重力加速度を9.8m/s²とする。
答え:____________
正解:3.92
垂直抗力N=2.0×9.8=19.6N。動摩擦力F′=μ′N=0.20×19.6=3.92N。
単元のポイント
- 重力 W=mg。質量1kgの物体に働く重力は約9.8N
- 垂直抗力(新しいタブで開きます) 面が物体を面に垂直な向きに押す力
- 最大摩擦力 F₀=μN。静止摩擦力の上限(μは静止摩擦係数)
- 動摩擦力 F′=μ′N。すべっている間の摩擦力(μ′は動摩擦係数)