身近な自然環境の調査
カワウソ先生見つかった生物に点をつけて、合計がいちばん大きい階級を選ぶよ。1種類だけで決めないでね。
30秒でつかむ
- 川にすむ水生生物には、すめる水の汚れの程度が決まっているものがいて、指標生物として水質を調べる手がかりになる。
- 見つかった指標生物から、川の水を「きれいな水・ややきれいな水・きたない水・とてもきたない水」の4つの階級に分けて判定する。
- マツの葉の気孔の汚れ方を比べると大気の汚れを調べられる。過去の記録や衛星のデータを使えば、広い範囲や長い期間の変化もわかる。
詳しく
水生生物で川の水質を調べる
川の石の裏や川底には、カゲロウやトビケラの幼虫、サワガニ、貝などの水生生物がすんでいる。これらの中には、きれいな水にしかすめないものや、汚れた水でもすめるものがいる。すんでいる生物の種類から環境の状態がわかる生物を指標生物という。
国土交通省と環境省が続けている「水生生物による水質の簡易調査」では、指標生物をもとに川の水を4つの水質階級に分ける。きれいな水にはカワゲラ類・ヒラタカゲロウ類・サワガニ・ナミウズムシなどがすむ。ややきれいな水には、ゲンジボタル・コオニヤンマ・カワニナ類などが見られる。
きたない水にはミズカマキリ・ミズムシ・タニシ類などがすむ。とてもきたない水には、ユスリカ類・エラミミズ・サカマキガイ・アメリカザリガニなどが見られる。水生生物は、しばらくの間の水の汚れの影響を受けてすみ分けているので、その場所の水質の目安になる。
見つかった生物から階級を判定する
判定では、見つかった指標生物に○をつけ、その中で数が多かった上位2種類には●をつける。○を1点、●を2点として水質階級ごとに点数を合計し、合計がいちばん大きい階級が、その地点の水質だ。
例えば、ある地点でカワゲラ類・ヒラタカゲロウ類・サワガニ・カワニナ類が見つかり、数が多かったのがカワゲラ類とカワニナ類だったとする。きれいな水は2+1+1=4点、ややきれいな水は2点なので、この地点は「きれいな水」と判定できるわけだ。
1種類の生物だけで決めず、見つかった生物全体の点数で比べることで、たまたま見つかった生物に判定が左右されにくくなる。同じ川でも、上流と下流で調べて比べると、水の汚れの変化がわかる。
空気の汚れや広い範囲の変化を調べる
大気の汚れを調べるときに役立つのが、マツの葉の気孔だ。交通量の多い道路沿いのマツの葉を顕微鏡で見ると、車の排出(新しいタブで開きます)ガスなどにふくまれるすすで黒くつまった気孔が多く見つかる。汚れた気孔の割合を場所ごとに比べれば、大気の汚れ具合を比べられる。
野外の調査は季節や場所が限られるので、写真や標本を計画的に集めたり、博物館の資料や過去の記録を調べたりする方法もある。昔の記録と今の調査結果を比べると、自然環境がどのように変わってきたかも見えてくるだろう。
さらに、人工衛星や航空機から得られる衛星データを使えば、森林の広がりや海の様子など、歩いて調べられない広い範囲の変化もとらえられる。身近な地域の結果を、ほかの地域と比べてみることも大切だ。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/surveying-the-natural-environment/?from=print#quiz
すんでいる生物の種類から、その場所の水や空気などの環境の状態を知る手がかりになる生物を何というか。
- ◯ 指標生物
- ◯ 生産者
- ◯ 分解者
- ◯ 外来生物
正解:指標生物
すんでいる生物の種類から環境の状態がわかる生物を指標生物という。川の水質調査では、カワゲラ類やサワガニなどの水生生物を使う。水生生物による水質調査で、「きれいな水(水質階級Ⅰ)」の指標生物はどれか。
- ◯ ミズカマキリ
- ◯ ユスリカ類
- ◯ サワガニ
- ◯ アメリカザリガニ
正解:サワガニ
サワガニはきれいな水の指標生物。ミズカマキリはきたない水、ユスリカ類とアメリカザリガニはとてもきたない水の指標生物だ。ある地点で見つかった指標生物の点数を水質階級ごとに合計すると、きれいな水が1点、ややきれいな水が4点、きたない水が3点、とてもきたない水が0点だった。この地点の水質はどれか。
- ◯ とてもきたない水(階級Ⅳ)
- ◯ きれいな水(階級Ⅰ)
- ◯ きたない水(階級Ⅲ)
- ◯ ややきれいな水(階級Ⅱ)
正解:ややきれいな水(階級Ⅱ)
合計の点数がいちばん大きい階級を、その地点の水質とする。4点のややきれいな水がいちばん大きい。いくつかの場所でマツの葉の気孔を調べたところ、ある場所で汚れた気孔の割合がいちばん大きかった。この場所について考えられることはどれか。
- ◯ 川の水がいちばん汚れている
- ◯ 大気がいちばん汚れている
- ◯ 大気がいちばんきれいである
- ◯ 光合成がいちばんさかんである
正解:大気がいちばん汚れている
車の排出(新しいタブで開きます)ガスなどにふくまれるすすが気孔にたまるので、汚れた気孔の割合が大きい場所ほど大気が汚れていると考えられる。
単元のポイント
- 指標生物 すんでいる生物の種類から、その場所の環境の状態がわかる生物(カワゲラ類・サワガニ・ミズカマキリ・アメリカザリガニなど)
- 水質階級 水生生物調査で使う4段階。Ⅰきれいな水/Ⅱややきれいな水/Ⅲきたない水/Ⅳとてもきたない水
- 気孔の汚れ マツの葉の気孔に、車の排出ガスなどにふくまれるすすがたまる。汚れた気孔の割合が大きいほど大気が汚れている
- 衛星データ 人工衛星や航空機から得た画像やデータ。森林の広がりや海の様子など、広い範囲の変化を調べられる