人間の活動と生態系
カワウソ先生外来生物は、人間の活動によってほかの地域から持ちこまれた生物のことよ。自分で移動してきた生物とは区別してね。
30秒でつかむ
- 森林の伐採や干潟の埋め立てなどの開発、排水などによる物質の放出は、生物のすみかや食物を変え、自然界のつり合い(新しいタブで開きます)をくずすことがある。
- 地球温暖化は、二酸化炭素(新しいタブで開きます)などの温室効果ガスの増加が主な原因と考えられている。気候の変化は、生物の分布にも影響すると考えられている。
- 人間の活動によって持ちこまれた外来生物は、在来の生物を食べたりすみかをうばったりする。被害の大きいものは外来生物法で特定外来生物に指定されている。
詳しく
開発や物質の放出がつり合いに与える影響
生態系(新しいタブで開きます)の生物どうしは、食物連鎖や食物網でつながり、数量のつり合いを保っている。しかし、人間の活動はこのつり合いを大きく変えることがある。代表的なものが、土地の利用や開発、資源の利用、環境中への物質の放出だ。
森林を伐採したり、干潟や湿地を埋め立てたりすると、そこにすんでいた生物はすみかや食物を失う。食物網の一部の生物がいなくなると、それを食べていた生物や、それに食べられていた生物の数量も変わっていく。
工場や家庭からの排水に有機物(新しいタブで開きます)が多くふくまれると、川や湖の水が汚れ、そこにすむ水生生物の種類が変わる。窒素やリンなどが流れこんでプランクトンが大量にふえ、赤潮やアオコが発生(新しいタブで開きます)することもある。赤潮が起こると、魚や貝が大量に死ぬことがある。
地球温暖化と気候変動
石油や石炭などの化石(新しいタブで開きます)燃料を大量に燃やすと、大気中の二酸化炭素が増える。二酸化炭素やメタン、一酸化二窒素、フロン類などの気体は、地表から宇宙へ出ていく熱(赤外線)を吸収して大気をあたためる。このような気体を温室効果ガスという。
地球の平均気温が上がっていく地球温暖化は、温室効果ガスの増加が主な原因と考えられている。気温だけでなく雨の降り方なども変わってきており、このような長い期間にわたる気候の変化を気候変動という。
気候変動は、生物の分布にも影響すると考えられている。例えば、南の地域の生物が以前より北で見られるようになった例が報告されている。海水温が高くなって、サンゴの白化が起こった例もある。
外来生物が在来の生物に与える影響
人間の活動によって、もともといなかった地域に持ちこまれた生物を外来生物という。これに対して、もとからその地域にすんでいた生物を在来生物という。外来生物の中には、天敵がいないために数を大きく増やし、在来生物を食べたりすみかをうばったりするものがある。
例えば、北アメリカ原産の魚オオクチバス(ブラックバス)は各地の池や湖に放され、在来の魚やエビなどを食べて減らした。北アメリカ原産の哺乳類アライグマは、農作物を荒らしたり在来の生物を食べたりする。どちらも外来生物法で特定外来生物に指定されている。
一方、北アメリカ原産の植物セイタカアワダチソウは、空き地や河原で大きな群落をつくる。在来の植物の生える場所をせばめるが、特定外来生物には指定されていない。外来生物による被害を防ぐには、「入れない・捨てない・拡げない」が大切だとされている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/human-activity-and-ecosystems/?from=print#quiz
次のうち、温室効果ガスとして代表的な気体はどれか。
- ◯ アルゴン
- ◯ 二酸化炭素
- ◯ 窒素
- ◯ 酸素
正解:二酸化炭素
二酸化炭素(新しいタブで開きます)は、地表から出ていく熱(赤外線)を吸収して大気をあたためる温室効果ガスの代表。窒素・酸素・アルゴンには、この温室効果がほとんどない。外来生物の説明として正しいものはどれか。
- ◯ 自分の力で海をわたってきた生物
- ◯ 季節によってすむ場所を変える生物
- ◯ 数が減って絶滅のおそれがある生物
- ◯ 人間の活動によって、もともといなかった地域に持ちこまれた生物
正解:人間の活動によって、もともといなかった地域に持ちこまれた生物
外来生物は、人間の活動によって、もともといなかった地域に持ちこまれた生物のこと。もとからすんでいた生物は在来生物という。外来生物法で特定外来生物に指定されている生物はどれか。
- ◯ メダカ
- ◯ サワガニ
- ◯ セイタカアワダチソウ
- ◯ アライグマ
正解:アライグマ
北アメリカ原産のアライグマは特定外来生物に指定されている。セイタカアワダチソウも外来生物だが、特定外来生物には指定されていない。窒素やリンを多くふくむ排水が海に流れこんでから、魚や貝に被害が出るまでの順に並べよ。
- ( )プランクトンが大量にふえる
- ( )魚や貝が大量に死ぬことがある
- ( )窒素やリンを多くふくむ排水が海に流れこむ
- ( )海の水の色が変わる赤潮が発生する
正解:窒素やリンを多くふくむ排水が海に流れこむ → プランクトンが大量にふえる → 海の水の色が変わる赤潮が発生する → 魚や貝が大量に死ぬことがある
窒素やリンが流れこむ→それを養分にプランクトンが大量にふえる→赤潮が発生(新しいタブで開きます)する→魚や貝が大量に死ぬことがある。
単元のポイント
- 開発 森林の伐採や干潟・湿地の埋め立てなど。生物のすみかが失われ、食物網の一部がぬけてしまう
- 温室効果ガス 地表から宇宙へ出ていく熱(赤外線)を吸収して大気をあたためる気体。二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロン類など
- 外来生物 人間の活動によって、もともといなかった地域に持ちこまれた生物。もとからすんでいた生物は在来生物という
- 特定外来生物 外来生物法で指定された、生態系などに大きな被害をおよぼすおそれのある外来生物。飼育や野外に放すことなどが原則として禁止されている