植生と光の環境
カワウソ先生森林の中は場所によって光の強さが大きく違う。まずは植生の見方と、光と植物の関係をつかもう。
30秒でつかむ
- ある場所に生育している植物全体を植生といい、外から見たようすを相観、量が最も多い種を優占種という。
- 森林は高木層から草本層までの階層構造をもち、下の層ほど届く光が弱く、林床は暗い。
- 陽生植物は強い光の当たる場所で、陰生植物は弱い光でも育つ性質をもち、光補償点・光飽和点の違いに表れる。
詳しく
植生と相観、優占種
ある場所に生育している植物の集まりを植生という。森林・草原・荒原など、場所によって植生のようすは大きく異なる。
植生を外から見たときの全体的なようすを相観といい、その植生の中で量が最も多い種を優占種という。たとえばブナの多い森林なら、相観は「森林」、優占種は「ブナ」になる。
同じ「森林」という相観でも、優占種が違えばすむ植物や動物の種類も変わってくる。次に、森林の中の光の環境を、上から下へ順に見ていこう。
森林の階層構造と林床の暗さ
よく発達した森林は、上から高木層・亜高木層・低木層・草本層という階層構造をもつ。いちばん上の高木層が日光を大きく受け止める。
上の層が光をさえぎるため、下の層に届く光はだんだん弱くなる。地表に近い林床まで届く光は、森林の外に比べてかなり弱い。
この光の弱さに植物がどう対応しているかを、次の節で見ていく。
陽生植物と陰生植物の光に対する性質
見かけの光合成(新しいタブで開きます)速度とは、光合成の速さから呼吸の速さを引いたものだ。これが0になる光の強さを光補償点という。光をさらに強くしても光合成速度が増えなくなるときの光の強さを光飽和点という。
陽生植物は光補償点・光飽和点が高く、強い光が当たる場所で育つ。陰生植物は光補償点・光飽和点が低く、弱い光でも生きていける。
陰生植物が多いのは、階層構造の下のほう、光の弱い低木層や草本層だ。光の強さに応じて、育つ植物の種類が分かれている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/vegetation-and-light-environment/?from=print#quiz
ある場所に生育している植物全体を何というか。
- ◯ 階層構造
- ◯ 優占種
- ◯ 植生
- ◯ 相観
正解:植生
ある場所に生育している植物の集まりを植生という。相観は植生を外から見たようす、優占種は植生の中で量が最も多い種を指す。ブナが最も多い森林で、相観と優占種の組み合わせとして正しいものはどれか。
- ◯ 相観は森林、優占種はブナ
- ◯ 相観はブナ、優占種は森林
- ◯ 相観も優占種も森林
- ◯ 相観も優占種もブナ
正解:相観は森林、優占種はブナ
相観は植生を外から見た全体的なようす(ここでは森林)、優占種は植生の中で量が最も多い種(ここではブナ)を指す。森林の階層構造で、地表に近い林床に届く光について正しい説明はどれか。
- ◯ 森林の外とほぼ同じ強さの光が届く
- ◯ 高木層よりも強い光が届く
- ◯ 光はまったく届かない
- ◯ 上の層にさえぎられ、森林の外より弱い光しか届かない
正解:上の層にさえぎられ、森林の外より弱い光しか届かない
高木層など上の層が日光をさえぎるため、林床に届く光は森林の外に比べて弱くなる。図のグラフで、陽生植物の光飽和点はおよそ何klxか。
答え:____________
正解:50
グラフで陽生植物(青)の線が光の強さを増やしても水平になり始める点を読む。そこではおよそ50klxで見かけの光合成(新しいタブで開きます)速度が一定になっている。
単元のポイント
- 植生 ある場所に生育している植物全体のまとまり
- 相観 植生を外から見たときの全体的なようす
- 優占種 植生の中で量が最も多い種
- 光補償点 見かけの光合成速度が0になる光の強さ