血糖濃度の調節と糖尿病
カワウソ先生血糖濃度を上げるホルモンは複数あるけど、下げるのはインスリンだけだよ。
30秒でつかむ
- 血液中のグルコースの濃度(新しいタブで開きます)を血糖濃度といい、健康な人では一定の範囲に保たれている。
- 血糖濃度が上がるとインスリンが、下がるとグルカゴンなどが分泌され、濃度を調節する。
- インスリンがうまく働かず血糖濃度が高い状態が続く病気を糖尿病といい、1型と2型がある。
詳しく
血糖濃度を下げるしくみと上げるしくみ
血液中のグルコースの濃度を血糖濃度という。健康な人の血糖濃度は、空腹時には血液100mLあたり約100mg、つまり約0.1%ほどのせまい範囲に保たれている。
食後に血糖濃度が上がると、すい臓からインスリンが分泌される。インスリンは細胞にグルコースを取り込ませる働きを持つ。また、グルコースをグリコーゲンに変えて肝臓に蓄えさせ、血糖濃度を下げる。
反対に血糖濃度が下がると、すい臓からグルカゴンが分泌される。グルカゴンは、肝臓に蓄えたグリコーゲンをグルコースに戻させ、血液中に送り出させて血糖濃度を上げる。
血糖濃度を調節するほかのホルモンと自律神経
血糖濃度を上げるホルモン(新しいタブで開きます)は、グルカゴンのほかにもある。アドレナリンは、運動や緊張などで交感神経(新しいタブで開きます)が働いたときに副腎(髄質)から分泌される。肝臓のグリコーゲン分解を進めて、血糖濃度を上げる働きを持つ。
副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドも、血糖濃度を上げるホルモンの一つだ。タンパク質からグルコースをつくる働きを強め、血糖濃度が下がりすぎるのを防ぐ。
血糖濃度の調節には、こうしたホルモンだけでなく自律神経系も関わっている。交感神経が働くと血糖濃度を上げる方向に、副交感神経が働くと血糖濃度を下げる方向に調節が進む。
血糖濃度の調節がうまく働かないとどうなるか
インスリンがほとんど分泌されなかったり、分泌されても十分に働かなかったりすると、血糖濃度が高い状態が続きやすくなる。この状態が続く病気を糖尿病という。
糖尿病には、インスリンを分泌する細胞が壊れてほとんど出なくなる1型がある。また、インスリンは出ているが効きにくくなる2型もある。
どちらの型でも、血糖濃度を一定に保つ調節のバランスがくずれている点は同じだ。ふだんの生活の中で血糖濃度がどう調節されているかを知ることは、体のしくみを理解する手がかりになる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/blood-glucose-regulation-and-diabetes/?from=print#quiz
空腹時の血液100mLには、グルコースがおよそ100mg含まれている。血糖濃度は約何%か。
答え:____________
正解:0.1%
100mgは0.1gで、血液100mLあたり0.1gなので、血糖濃度は約0.1%になる。血糖濃度が上がったときに分泌され、血糖濃度を下げるホルモンはどれか。
- ◯ アドレナリン
- ◯ 糖質コルチコイド
- ◯ グルカゴン
- ◯ インスリン
正解:インスリン
血糖濃度が上がるとすい臓からインスリンが分泌され、血糖濃度を下げる。血糖濃度を上げる働きを持つホルモンはどれか。
- ◯ すべてのホルモンは血糖濃度を下げる
- ◯ 血糖濃度を変えるホルモンはない
- ◯ インスリンだけ
- ◯ グルカゴン
正解:グルカゴン
グルカゴンやアドレナリン、糖質コルチコイドは血糖濃度を上げる働きを持つ。1型糖尿病の特徴として正しいものはどれか。
- ◯ インスリンは十分に出ているが効きにくくなる
- ◯ インスリンを分泌する細胞が壊れ、インスリンがほとんど出なくなる
- ◯ グルカゴンが全く分泌されなくなる
- ◯ 血糖濃度が下がりすぎる状態が続く
正解:インスリンを分泌する細胞が壊れ、インスリンがほとんど出なくなる
1型糖尿病は、インスリンを分泌する細胞が壊れてインスリンがほとんど出なくなる状態である。
単元のポイント
- 血糖濃度 血液中のグルコースの濃度。空腹時は血液100mLあたり約100mg、約0.1%に保たれる
- インスリン 血糖濃度が上がったときにすい臓から分泌され、血糖濃度を下げるホルモン
- 血糖濃度を上げるホルモン 血糖濃度が下がったときなどに分泌される。グルカゴン・アドレナリン・糖質コルチコイドなど
- 糖尿病 インスリンの分泌不足や効きにくさによって血糖濃度が高い状態が続く病気