消化と吸収
カワウソ先生デンプンはブドウ糖、タンパク質はアミノ酸、脂肪は脂肪酸とモノグリセリドまで分解されると覚えよう。胆汁には消化酵素がないよ。
30秒でつかむ
- 食物は消化管を通る間に、消化液の消化酵素によって吸収されやすい物質に分解される。
- だ液のアミラーゼはデンプン(新しいタブで開きます)を、胃液のペプシンとすい液のトリプシンはタンパク質を分解する。すい液のリパーゼは脂肪を分解する。
- 分解された養分は小腸の柔毛から吸収され、ブドウ糖とアミノ酸は毛細血管へ、脂肪酸とモノグリセリドは柔毛の中で脂肪に戻ってリンパ管へ入る。
詳しく
ポイント
食物は、口→食道→胃→小腸→大腸→肛門と続く消化管を通る間に、消化液のはたらきで吸収されやすい物質に変えられる。この消化液をつくるのが、だ液腺・胃・すい臓・肝臓(胆汁)などの消化腺だ。
消化液には消化酵素が含まれ、決まった物質だけを分解する。だ液とすい液のアミラーゼはデンプンを分解し、胃液のペプシンとすい液のトリプシンはタンパク質を、すい液のリパーゼは脂肪を分解する酵素だ。
こうした消化酵素のはたらきで、デンプンは最終的にブドウ糖まで、タンパク質もアミノ酸まで分解が進む。脂肪は脂肪酸とモノグリセリドになるまで分解される。肝臓でつくられる胆汁は消化酵素を含まないが、脂肪の粒を小さくして分解を助ける。
柔毛での吸収とだ液の実験
小腸の内側のかべには柔毛という小さな突起が無数にある。柔毛があることで小腸の表面積が大きく広がり、養分を効率よく吸収できるつくりだ。分解されたブドウ糖とアミノ酸は、柔毛の中の毛細血管に吸収される。
分解された脂肪酸とモノグリセリドは、柔毛の細胞の中で再び脂肪に戻ってから、リンパ管に入る。このように、吸収された先が養分の種類によって違う点に注意しよう。
だ液のはたらきを調べる実験では、デンプン溶液にだ液を加えた試験管と、水を加えた試験管を用意し、約40℃の湯で温める。その後それぞれにヨウ素液を加える試験管とベネジクト液を加えて加熱する試験管に分け、色の変化を比べる。だ液を加えた方だけヨウ素液が反応せず、ベネジクト液は赤褐色に変わる。
なぜそうなるか
デンプンやタンパク質、脂肪は分子(新しいタブで開きます)が大きいため、そのままでは小腸のかべを通りぬけて吸収されない。消化酵素によって小さな分子まで分解されることで、はじめて柔毛から体の中に取りこめるようになる。
柔毛が小さな突起としてたくさん並んでいるのは、同じ長さの小腸でも表面積を大きくするためだ。表面積が広いほど、養分と柔毛のかべが接する面積が増え、吸収にかかる時間が短くなる。
だ液のはたらきを調べる実験で、だ液を加えない試験管(水のみ)を用意するのは、色の変化がだ液によるものだとはっきりさせるための対照実験(新しいタブで開きます)である。約40℃にするのは、だ液の消化酵素が体温に近い温度で最もよくはたらくためである。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/digestion-and-absorption/?from=print#quiz
肝臓でつくられる胆汁について正しいものはどれか。
- ◯ タンパク質を分解する消化酵素を含む
- ◯ デンプンを分解する消化酵素を含む
- ◯ 消化酵素を含まないが、脂肪の分解を助ける
- ◯ 脂肪を分解する消化酵素を含む
正解:消化酵素を含まないが、脂肪の分解を助ける
胆汁は消化酵素を含まないが、脂肪の粒を小さくして、すい液のリパーゼによる分解を助けるはたらきを持つ。デンプンが消化酵素によって最終的に分解される物質はどれか。
- ◯ 脂肪酸
- ◯ モノグリセリド
- ◯ ブドウ糖
- ◯ アミノ酸
正解:ブドウ糖
デンプン(新しいタブで開きます)はだ液やすい液のアミラーゼなどのはたらきで、最終的にブドウ糖に分解される。柔毛で吸収されたブドウ糖とアミノ酸は、まずどこに入るか。
- ◯ 毛細血管
- ◯ 胆管
- ◯ リンパ管
- ◯ すい管
正解:毛細血管
ブドウ糖とアミノ酸は柔毛の中の毛細血管に吸収される。脂肪酸とモノグリセリドは柔毛の中で脂肪に戻ってリンパ管に入る。だ液のはたらきを調べる実験で、デンプン溶液に水を加えた試験管を用意するのはなぜか。
- ◯ 色の変化がだ液によるものだと確かめる対照実験にするため
- ◯ ヨウ素液の色を見やすくするため
- ◯ デンプンの量を2倍に増やすため
- ◯ 試験管の温度を均一にするため
正解:色の変化がだ液によるものだと確かめる対照実験にするため
だ液を加えない試験管を用意し、だ液の有無だけを変えて比べることで、色の変化がだ液によるものだとはっきりさせる対照実験(新しいタブで開きます)になる。
単元のポイント
- 消化酵素 決まった物質だけを分解する。だ液アミラーゼ(デンプン)・ペプシン(タンパク質)・トリプシン(タンパク質)・リパーゼ(脂肪)など
- 胆汁 肝臓でつくられ胆のうにたくわえられる。消化酵素は含まないが、脂肪の粒を小さくして分解を助ける
- 柔毛 小腸の壁の内側にある小さな突起。表面積を広げ、養分を効率よく吸収する
- 対照実験(新しいタブで開きます) だ液のはたらきを調べる実験で、だ液の有無だけを変えて他の条件をそろえる比較のしかた