
電場と電気力線
カンガルー先生電場は「そこに正電荷を置いたら受ける力の向きと大きさ」。複数の電荷があるときは、1つずつの電場をベクトルとして足せばいいよ。
30秒でつかむ
- 電場E=F/q(単位正電荷(新しいタブで開きます)が受ける力)。点電荷のまわりではE=kQ/r²で、正電荷から外向き、負電荷へ内向き。
- 複数の電荷による電場は、それぞれの電荷が単独でつくる電場をベクトルとして足し合わせる(重ね合わせの原理)。
- 電気力線は電場の向きに引いた線で、線の間隔が狭く本数が多いほど電場が強い。正電荷から出て負電荷へ入る。
詳しく
電場と電気力線
電荷のまわりの空間には、ほかの電荷に力をおよぼす性質が広がっている。この性質を電場(電界)という。電場のある場所に電気量の電荷(試験電荷)を置いたとき受ける力をとすると、電場は(単位N/C)で定義される向きと大きさをもつベクトルだ。試験電荷に正電荷をとると決めているので、電場の向きはその場所に正電荷を置いたときに力を受ける向きと一致する。
点電荷から距離の点にできる電場の大きさは、クーロンの法則(新しいタブで開きます)からとなる。が正なら電場は電荷から外向き、負なら電荷へ向かう内向きだ。電場のある点に別の電荷を置くと、その電荷が受ける力はで求められる。
電荷が複数あるときの電場は、それぞれの点電荷が単独でつくる電場をベクトルとして足し合わせたものになる。これを重ね合わせの原理という。向きがそろっていれば足し算で、逆向きなら差し引きで、斜めの向きなら成分に分けて合成する。
電場の向きと強さを目で見えるようにした線を電気力線という。電気力線は各点で電場の向きに接し、正電荷から出て負電荷に入る。線の間隔が狭く、ある断面を通る本数が多いところほど電場が強く、2本の電気力線が交わることはない(交わると、その点で電場の向きが2通りになってしまうため)。
例題:点電荷の電場と重ね合わせ
例題1:1.0×10⁻⁶Cの点電荷から0.30m離れた点の電場の大きさは、1.0×10⁵N/C。向きは点電荷から外向き(点電荷が正の場合)。
例題2:x軸上のx=0に+3.0μC、x=0.30mに-3.0μCの点電荷がある。x=0.60mの点Pでの電場を求める。+3.0μCがつくる電場は距離0.60mで7.5×10⁴N/C(x軸の正の向き)。-3.0μCがつくる電場は距離0.30mで3.0×10⁵N/C(負電荷へ向かう、x軸の負の向き)。
例題2の続き:とは向きが逆なので、Pでの合成電場はベクトルの差し引きで2.25×10⁵N/C、向きは-3.0μC側(x軸の負の向き)。負電荷に近いのほうが強いため、合成電場は負電荷のほうを向く。
なぜ電気力線の間隔が電場の強さを表すのか
点電荷を中心とする半径の球面を考えると、球面の面積はで、半径が大きいほど面積は広くなる。電荷から出る電気力線の本数は電荷の大きさだけで決まり、どの半径の球面を通っても本数は変わらないと決める。
同じ本数の線が、半径が大きいほど広い球面に分散して通ることになるので、単位面積あたりを通る線の本数(=線の間隔の密度)はに反比例して減っていく。これは電場の強さが距離の2乗に反比例することと同じ形をしており、だから線の間隔の密度を電場の強さの目安として読める。
電気力線が交わらないのも同じ理由からで、ある点での電場の向きはただ1つに決まるので、その点を通る電気力線の向きも1通りしかありえない。重ね合わせの原理で合成した後の電場も常に1つのベクトルなので、合成後の電気力線を描くときも、やはり交わらない1本の線になる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/electric-field-and-field-lines/?from=print#quiz
2.0×10⁻⁶Cの点電荷から0.10m離れた点での電場の大きさは何N/Cか。
答え:____________
正解:1.8×10⁶
E=kQ/r²=9.0×10⁹×2.0×10⁻⁶÷0.10²=1.8×10⁶N/C。ある点電荷から0.30m離れた点での電場の大きさが1.0×10⁵N/Cだった。この点電荷の電気量は何μCか。
答え:____________
正解:1.0
E=kQ/r²をQについて解くと、Q=Er²/k=1.0×10⁵×0.30²÷9.0×10⁹=1.0×10⁻⁶C=1.0μC。x=0とx=0.80mに、どちらも+4.0μCの点電荷がある。この2点を結ぶ直線上で、電場の大きさが0になる点のxはいくらか。
答え:____________
正解:0.4
同じ大きさの正電荷(新しいタブで開きます)が2つなので、対称性から2点のちょうど中点で2つの電場が逆向きにつり合い0になる。x=0.80÷2=0.4m。x=0に+5.0μC、x=0.25mに-5.0μCの点電荷がある。x=0.50mの点Pでの合成電場の大きさは何N/Cか。
答え:____________
正解:5.4×10⁵
+5.0μCによる電場は距離0.50mで1.8×10⁵N/C(+x向き)、-5.0μCによる電場は距離0.25mで7.2×10⁵N/C(-x向き)。向きが逆なので差し引いて7.2×10⁵-1.8×10⁵=5.4×10⁵N/C(-x向き)。
単元のポイント
- 電場(電界) E=F/q。単位正電荷が受ける力の向きと大きさ
- 点電荷の電場 E=k Q / r²(正電荷から外向き)
- 重ね合わせの原理 複数の電荷の電場はベクトルとして足し合わせる
- 電気力線 電場の向きに引いた線。密なところほど電場が強い