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エントロピーと反応(はんのう)の自発(じはつ)性(せい)

カメレオン先生発熱(はつねつ)だけが『進(すす)みやすさ』を決(き)めるわけではない。散(ち)らばり方(かた)という別(べつ)のものさしも覚(おぼ)えておこう。

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  1. 反応(はんのう)は、熱(ねつ)の出入(でい)り(エンタルピー)だけでなく、粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)(エントロピー)の変化(へんか)にも影響(えいきょう)される。
  2. エントロピーは粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)・乱雑(らんざつ)さの度合(どあ)いを表(あらわ)し、多(おお)くの変化(へんか)はエントロピーが増(ふ)える方向(ほうこう)に自然(しぜん)に進(すす)みやすい。
  3. 硝酸(しょうさん)アンモニウムが水(みず)に溶(と)ける変化(へんか)は吸(きゅう)熱(ねつ)だが、イオン(新しいタブで開きます)が水中(すいちゅう)に散(ち)らばってエントロピーが大(おお)きく増(ふ)えるため自然(しぜん)に進(すす)む。

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詳しく

エントロピーという別(べつ)のものさし

ここまでの反応(はんのう)熱(ねつ)は、反応(はんのう)が発熱(はつねつ)か吸(きゅう)熱(ねつ)かという、エネルギーの出入(でい)りに注目(ちゅうもく)したものさしだった。これとは別(べつ)に、粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)・乱雑(らんざつ)さの度合(どあ)いを表(あらわ)すエントロピーというものさしがある。

固体(こたい)のように粒子(りゅうし)がきちんと並(なら)んだ状態(じょうたい)はエントロピーが小(ちい)さく、気体(きたい)のように粒子(りゅうし)が自由(じゆう)に飛(と)び回(まわ)る状態(じょうたい)や、イオンが水中(すいちゅう)に散(ち)らばった状態(じょうたい)はエントロピーが大(おお)きい。

多(おお)くの変化(へんか)は、全体(ぜんたい)としてエントロピーが増(ふ)える方向(ほうこう)に自然(しぜん)に進(すす)みやすい。発熱(はつねつ)か吸(きゅう)熱(ねつ)かだけでは、反応(はんのう)が自然(しぜん)に(自発(じはつ)的(てき)に)進(すす)むかどうかを説明(せつめい)できない場合(ばあい)がある。

整列した状態と散らばった状態Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):硝酸(しょうさん)アンモニウムが水(みず)に溶(と)ける変化(へんか)

硝酸(しょうさん)アンモニウムを水(みず)に入(い)れると、吸(きゅう)熱(ねつ)でありながら自然(しぜん)に溶(と)けていき、水温(すいおん)が下(さ)がる。溶(と)ける前(まえ)は、陽(よう)イオンと陰(いん)イオンが結晶(けっしょう)の中(なか)できちんと並(なら)んだ、エントロピーの小(ちい)さい状態(じょうたい)である。

溶(と)けたあとは、それぞれのイオンが水中(すいちゅう)に自由(じゆう)に散(ち)らばった、エントロピーの大(おお)きい状態(じょうたい)になる。この散(ち)らばり方(かた)の変化(へんか)が非常(ひじょう)に大(おお)きいため、吸(きゅう)熱(ねつ)であってもこの変化(へんか)は自然(しぜん)に進(すす)む。

このように、吸熱反応(きゅうねつはんのう)(新しいタブで開きます)や吸(きゅう)熱(ねつ)の変化(へんか)であっても、粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)が大(おお)きく増(ふ)える場合(ばあい)には、自発(じはつ)的(てき)に(自然(しぜん)に)進(すす)むことがある。保冷(ほれい)剤(ざい)に硝酸(しょうさん)アンモニウムが使(つか)われるのは、この性質(せいしつ)を利用(りよう)したものである。

硝酸アンモニウムが水に溶ける変化Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜエントロピーが反応(はんのう)の進(すす)みやすさに関(かか)わるのか

自然(しぜん)界(かい)の変化(へんか)は、熱(ねつ)の出入(でい)りだけでなく、全体(ぜんたい)としての散(ち)らばり方(かた)が増(ふ)える方向(ほうこう)に進(すす)みやすいという傾向(けいこう)をもつ。整(ととの)った状態(じょうたい)よりも、散(ち)らばった状態(じょうたい)のほうが圧倒的(あっとうてき)に多(おお)くの粒子(りゅうし)の配置(はいち)のしかたがあるためである。

発熱反応(はつねつはんのう)はふつう自発(じはつ)的(てき)に進(すす)みやすいが、吸熱反応(きゅうねつはんのう)でも、粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)が大(おお)きく増(ふ)えるなら、そのエントロピーの増加(ぞうか)が熱(ねつ)を吸収(きゅうしゅう)する不利(ふり)を上回(うわまわ)り、自然(しぜん)に進(すす)むことがある。

このページで見(み)た硝酸(しょうさん)アンモニウムの溶解(ようかい)のように、エンタルピー(熱(ねつ)の出入(でい)り)とエントロピー(散(ち)らばり方(かた))の両方(りょうほう)から反応(はんのう)の進(すす)みやすさを考(かんが)えることが、化学(かがく)反応(はんのう)と熱(ねつ)・光(ひかり)の単元(たんげん)全体(ぜんたい)のまとめになる。

確認問題

問題 1 / 4エントロピーが表(あらわ)しているものはどれか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/entropy-and-spontaneous-reactions/?from=print#quiz

  1. エントロピーが表(あらわ)しているものはどれか。

    • ◯ 物質(ぶっしつ)が吸収(きゅうしゅう)する光(ひかり)の量(りょう)
    • ◯ 結合(けつごう)エネルギーの大(おお)きさ
    • ◯ 反応(はんのう)にかかる時間(じかん)
    • ◯ 粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)・乱雑(らんざつ)さの度合(どあ)い

    正解:粒子の散らばり方・乱雑さの度合い
    エントロピーは、粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)・乱雑(らんざつ)さの度合(どあ)いを表(あらわ)す量(りょう)である。

  2. 硝酸(しょうさん)アンモニウムが水(みず)に溶(と)ける変化(へんか)が吸(きゅう)熱(ねつ)でも自然(しぜん)に進(すす)む理由(りゆう)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ イオンが水中(すいちゅう)に散(ち)らばりエントロピーが大(おお)きく増(ふ)えるから
    • ◯ 触媒(しょくばい)が溶解(ようかい)を助(たす)けているから
    • ◯ 結合(けつごう)エネルギーがゼロになるから
    • ◯ 溶(と)ける反応(はんのう)は必(かなら)ず発熱(はつねつ)だから

    正解:イオンが水中に散らばりエントロピーが大きく増えるから
    イオン(新しいタブで開きます)が結晶(けっしょう)から水中(すいちゅう)に散(ち)らばり、エントロピーが大(おお)きく増(ふ)えるため、吸(きゅう)熱(ねつ)であってもこの変化(へんか)は自然(しぜん)に進(すす)む。

  3. 一般(いっぱん)に、エントロピーが大(おお)きいのはどちらの状態(じょうたい)か。

    • ◯ 粒子(りゅうし)が自由(じゆう)に散(ち)らばった気体(きたい)や水溶液(すいようえき)の状態(じょうたい)
    • ◯ 粒子(りゅうし)がきちんと並(なら)んだ固体(こたい)の状態(じょうたい)

    正解:粒子が自由に散らばった気体や水溶液の状態
    粒子(りゅうし)が自由(じゆう)に散(ち)らばった気体(きたい)や水溶液(すいようえき)の状態(じょうたい)は、粒子(りゅうし)がきちんと並(なら)んだ固体(こたい)の状態(じょうたい)よりエントロピーが大(おお)きい。

  4. 吸熱反応(きゅうねつはんのう)でも自然(しぜん)に進(すす)むことがあるのはどんな場合(ばあい)か。

    • ◯ 触媒(しょくばい)が使(つか)われている場合(ばあい)だけ
    • ◯ 粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)(エントロピー)が大(おお)きく増(ふ)える場合(ばあい)
    • ◯ 発熱反応(はつねつはんのう)と同時(どうじ)に起(お)こる場合(ばあい)だけ
    • ◯ 反応(はんのう)速度(そくど)が非常(ひじょう)に速(はや)い場合(ばあい)

    正解:粒子の散らばり方(エントロピー)が大きく増える場合
    粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)(エントロピー)が大(おお)きく増(ふ)える場合(ばあい)は、吸熱反応(きゅうねつはんのう)(新しいタブで開きます)でも自然(しぜん)に進(すす)むことがある。

単元のポイント

  • エントロピー 粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)・乱雑(らんざつ)さの度合(どあ)いを表(あらわ)す量(りょう)。大(おお)きいほど散(ち)らばった状態(じょうたい)
  • エントロピー増大(ぞうだい)の方向(ほうこう) 多(おお)くの変化(へんか)は、全体(ぜんたい)としてエントロピーが増(ふ)える方向(ほうこう)に自然(しぜん)に進(すす)みやすい
  • 吸(きゅう)熱(ねつ)でも自発(じはつ)的(てき)に進(すす)む例(れい) 硝酸(しょうさん)アンモニウムの水(みず)への溶解(ようかい)。吸(きゅう)熱(ねつ)だがイオンが水中(すいちゅう)に散(ち)らばりエントロピーが大(おお)きく増(ふ)えるため進(すす)む
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単元のポイント
  • エントロピー 粒子(りゅうし)の散(ち)らばり方(かた)・乱雑(らんざつ)さの度合(どあ)いを表(あらわ)す量(りょう)。大(おお)きいほど散(ち)らばった状態(じょうたい)
  • エントロピー増大(ぞうだい)の方向(ほうこう) 多(おお)くの変化(へんか)は、全体(ぜんたい)としてエントロピーが増(ふ)える方向(ほうこう)に自然(しぜん)に進(すす)みやすい
  • 吸(きゅう)熱(ねつ)でも自発(じはつ)的(てき)に進(すす)む例(れい) 硝酸(しょうさん)アンモニウムの水(みず)への溶解(ようかい)。吸(きゅう)熱(ねつ)だがイオンが水中(すいちゅう)に散(ち)らばりエントロピーが大(おお)きく増(ふ)えるため進(すす)む