物質どうしが結びつく変化
カワウソ先生硫化鉄は鉄とは別の新しい物質。磁石につくか、塩酸を加えたときに出る気体のにおいで、鉄と硫化鉄を見分けられるようにしよう。
30秒でつかむ
- 鉄と硫黄の混合物を加熱すると、反応が始まれば加熱をやめても反応が進み、黒色の硫化鉄ができる。
- 硫化鉄は磁石につかず、塩(新しいタブで開きます)酸を加えると特有のにおいのある硫化水素(新しいタブで開きます)が発生する。鉄とは別の新しい物質である。
- 化学変化には熱の出入りが伴う。周囲に熱を出す発熱反応と、周囲から熱を吸う吸熱反応がある。
詳しく
ポイント
鉄の粉末と硫黄の粉末を混ぜて加熱すると、鉄と硫黄が結びついて硫化鉄という黒色の物質ができる。化学反応式(新しいタブで開きます)では「Fe+S→FeS」と表す。
この反応は、加熱して反応がいったん始まると、熱を出しながら反応が進むため、加熱をやめても最後まで反応が続く。銅の粉末と硫黄の粉末を混ぜて加熱したときも同じように結びつき、硫化銅という黒色の物質ができる。
このように、2種類以上の物質が結びついて、反応前とは別の1種類の物質ができる化学変化がある。できた物質は、反応前の物質とは性質が異なる別の物質である。
反応前後の性質を比べる
反応前の鉄は磁石につくが、反応後の硫化鉄は磁石につかない。見た目の色も、鉄は銀白色で光沢があるのに対し、硫化鉄は黒色である。
反応前の鉄に塩酸を加えると、においのない水素が発生する。反応後の硫化鉄に塩酸を加えると、卵が腐ったような特有のにおいをもつ硫化水素という気体が発生した。硫化水素には毒性があるため、実験では十分な換気が必要である。
このように、磁石につくかどうかや、塩酸を加えたときに発生する気体の違いから、鉄と硫化鉄はまったく別の物質であることが確かめられる。鉄と硫黄が結びついたことで、元の物質にはなかった性質をもつ新しい物質ができたことになる。
化学変化と熱
化学変化が起こるときには、必ず熱の出入りが伴う。周囲に熱を出す反応を発熱反応という。鉄粉が酸素(新しいタブで開きます)と結びつく(酸化する)ときに熱を出すことを利用した化学かいろや、物質が燃える燃焼(新しいタブで開きます)はその例である。
反対に、周囲から熱を吸収して温度が下がる反応を吸熱反応という。炭酸水素ナトリウム(新しいタブで開きます)とクエン酸を混ぜて水を加えると温度が下がり、この性質は冷却パックなどに利用されている。塩化アンモニウムと水酸化バリウムを混ぜる反応も吸熱反応で、刺激臭のあるアンモニア(新しいタブで開きます)が発生しながら温度が下がっていく。
発熱反応も吸熱反応も、物質がもっているエネルギーが化学変化によって熱として出入りすることで起こる。熱を出す反応か吸う反応かは、結びつく物質の組み合わせによって決まっている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/combination-reactions-and-heat/?from=print#quiz
鉄と硫黄の混合物を加熱してできる硫化鉄は何色か。
- ◯ 黒色
- ◯ 赤色
- ◯ 白色
- ◯ 緑色
正解:黒色
鉄と硫黄が結びついてできる硫化鉄は黒色の物質である。硫化鉄に塩酸を加えると発生する気体はどれか。
- ◯ 二酸化炭素
- ◯ アンモニア
- ◯ 硫化水素
- ◯ 水素
正解:硫化水素
硫化鉄に塩(新しいタブで開きます)酸を加えると、卵が腐ったようなにおいのある硫化水素(新しいタブで開きます)が発生する。反応前の鉄に塩酸を加えると水素が発生する。鉄と硫黄が結びついてできた硫化鉄は、磁石につくか。
- ◯ つかない
- ◯ 一部だけつく
- ◯ つく
- ◯ 強く引きつけられる
正解:つかない
反応前の鉄は磁石につくが、反応後の硫化鉄は磁石につかない。これは鉄とは別の物質ができた証拠の一つである。化学かいろのように、周囲に熱を出す反応を何というか。
- ◯ 還元反応
- ◯ 吸熱反応
- ◯ 分解反応
- ◯ 発熱反応
正解:発熱反応
周囲に熱を出す反応を発熱反応という。化学かいろは鉄粉が酸化するときの発熱反応を利用している。
単元のポイント
- Fe+S→FeS 鉄と硫黄が結びついて黒色の硫化鉄ができる反応。いったん始まると加熱をやめても反応が進む
- 鉄と硫化鉄の見分け方 磁石につくか(鉄はつく・硫化鉄はつかない)、塩酸を加えたときの気体(鉄→水素・硫化鉄→硫化水素)で見分ける
- 発熱反応 周囲に熱を出す反応。化学かいろ(鉄粉の酸化)や燃焼がその例
- 吸熱反応 周囲から熱を吸う反応。炭酸水素ナトリウムとクエン酸、塩化アンモニウムと水酸化バリウムの反応がその例