
衝突理論と反応速度に影響する条件
カメレオン先生濃度は衝突の回数を増やし、温度は反応につながる衝突の割合を増やす。どちらも衝突理論で説明できるよ。
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- 反応が起こるには反応物(新しいタブで開きます)の分子(新しいタブで開きます)どうしの衝突が必要、という考え方を衝突理論といい、衝突のうち反応に必要なエネルギー以上をもち適切な向きで起きたものだけが反応につながる。
- 濃度を大きくすると、単位時間あたりの衝突回数が増えるため反応速度は大きくなる。
- 温度を上げると、活性化エネルギー(新しいタブで開きます)以上の運動エネルギー(新しいタブで開きます)をもつ分子の割合が大きく増えるため、反応速度は大きく増加する(経験的に10K上がるごとにおよそ2〜4倍)。
詳しく
衝突理論:反応は分子の衝突から起こる
反応が起こるには、反応物の分子どうしが衝突する必要がある、という考え方を衝突理論という。ただし衝突しても、すべての衝突が反応につながるわけではない。衝突する分子が反応に必要な最低限のエネルギー(次のページで学ぶ活性化エネルギー)以上の運動エネルギーをもち、かつ反応が起こりやすい向きで衝突した場合だけ反応が起こる。
つまり反応速度は、(1)単位時間あたりの衝突回数と、(2)衝突のうち反応につながる割合、の両方で決まる。濃度・温度・触媒は、このどちらかを変えることで反応速度に影響する。
濃度の影響:衝突回数が増える
反応物の濃度を大きくすると、同じ体積の中の分子の数が増えるため、分子どうしが衝突する回数(単位時間あたり)が増える。衝突回数が増えれば、反応につながる衝突の回数も増えるので、反応速度は大きくなる。
これが、前のページで見たv=k[A]のように反応速度が濃度に比例する理由だ。濃度が2倍になれば、単純な場合には衝突回数もおよそ2倍になり、反応速度もおよそ2倍になる。
温度の影響:反応に必要なエネルギーをもつ分子の割合が増える
温度を上げると、分子の運動が活発になり、分子の平均の運動エネルギーが大きくなっていく。気体や溶液中の分子がもつ運動エネルギーには分布(ばらつき)があり、温度が高くなるほど、活性化エネルギー以上の運動エネルギーをもつ分子の割合が大きく増える(次のページで分布のグラフを使って確認する)。
その結果、衝突回数自体はあまり変わらなくても、反応につながる衝突の割合が大きく増えるため、反応速度は大きく増加する。経験的には、温度が10K(10℃)上がるごとに反応速度がおよそ2〜4倍になる反応が多いことが知られている。
この温度による影響は、濃度による影響よりもずっと大きい。わずかな温度変化でも反応速度が大きく変わるのは、活性化エネルギー以上のエネルギーをもつ分子の割合が、温度に対して急激に変化するためである。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/factors-affecting-reaction-rate/?from=print#quiz
衝突理論の考え方として正しいものはどれか。
- ◯ 反応が起こるには反応物の分子どうしの衝突が必要である
- ◯ 反応は分子の衝突に関係なく起こる
- ◯ 反応は温度が低いほど速く起こる
- ◯ 衝突すれば必ず反応が起こる
正解:反応が起こるには反応物の分子どうしの衝突が必要である
衝突理論では、反応物(新しいタブで開きます)の分子(新しいタブで開きます)どうしが衝突することが反応の前提になる。ただし衝突のうち、活性化エネルギー(新しいタブで開きます)以上のエネルギーをもち適切な向きで起きたものだけが反応につながる。反応物の濃度を大きくすると反応速度が大きくなるのは、主に何が変化するためか。
- ◯ 分子の種類が変わるため
- ◯ 分子1個あたりの活性化エネルギーが小さくなるため
- ◯ 分子どうしの単位時間あたりの衝突回数が増えるため
- ◯ 反応熱が大きくなるため
正解:分子どうしの単位時間あたりの衝突回数が増えるため
濃度を大きくすると同じ体積の中の分子の数が増え、単位時間あたりの衝突回数が増える。衝突回数が増えれば反応につながる衝突も増え、反応速度が大きくなる。温度を上げると反応速度が大きく増える主な理由はどれか。
- ◯ 反応物の濃度が自動的に大きくなるため
- ◯ 活性化エネルギーの値が0になるため
- ◯ 活性化エネルギー以上の運動エネルギーをもつ分子の割合が大きく増えるため
- ◯ 分子の数が増えるため
正解:活性化エネルギー以上の運動エネルギーをもつ分子の割合が大きく増えるため
温度を上げると分子の運動エネルギー(新しいタブで開きます)の分布が高エネルギー側に広がり、活性化エネルギー以上のエネルギーをもつ分子の割合が大きく増える。これにより反応につながる衝突の割合が増え、反応速度が大きく増加する。多くの反応で、温度が10K(10℃)上がると反応速度はおよそ何倍になるとされるか。
- ◯ 2〜4倍程度
- ◯ 0.5倍
- ◯ 変化しない(1倍)
- ◯ 1000倍以上
正解:2〜4倍程度
経験的には、温度が10K上がるごとに反応速度がおよそ2〜4倍になる反応が多いことが知られている(反応によって実際の倍率は異なる)。
単元のポイント
- 衝突理論 反応は反応物の分子どうしの衝突によって起こる、という反応速度の考え方の基礎
- 濃度の影響 濃度を大きくすると分子の数が増え、単位時間あたりの衝突回数が増えるため反応速度が大きくなる
- 温度の影響 温度を上げると活性化エネルギー以上の運動エネルギーをもつ分子の割合が大きく増え、反応速度が大きく増加する