
個体群の成長と密度効果
カエル先生増え続けられないのは資源が足りなくなるから。密度効果は個体群の自己ブレーキだよ。
30秒でつかむ
- 資源が限られた環境では、個体群は増加が鈍ってS字状になる**ロジスティック曲線**を描き、**環境収容力**に近づくとほぼ一定になる。
- 個体群密度が高くなるほど資源をめぐる**種内競争**が激しくなり、個体の成長や繁殖が妨げられる**密度(新しいタブで開きます)効果**が働く。
- 密度効果はトノサマバッタの**相変異**のように、個体の体や行動の性質まで変える例もある。
詳しく
ロジスティック曲線と環境収容力
個体群に資源の制限が無ければ個体数は指数関数的に増加するが、実際の環境では資源が限られているため、はじめは急激に増えてもやがて増加が鈍り、環境収容力に近づくとほぼ一定になる。
この個体数の変化をグラフに描くとS字型になり、これをロジスティック曲線という。
ロジスティック曲線が描かれるのは、個体群密度が高くなるほど1個体あたりに使える資源が減り、増加率そのものが下がっていくためである。
密度効果と種内競争
ハツカダイコンやウキクサを用いた実験では、同じ面積・資源の条件で育てる個体数を増やすほど、1個体あたりの大きさや種子の数が減ることが分かる。
これは個体群密度が高くなるほど、栄養分や生活空間などの資源をめぐる種内競争が激しくなり、個体の成長や繁殖が妨げられるために起こる。密度の違いが個体の性質にまで影響することを密度効果という。
密度効果は、幼虫期の混み具合によって成虫の体の大きさや翅の模様まで変わるトノサマバッタの相変異のような例にも見られる。
個体群が一定の大きさで維持される理由
個体群密度が低いときは資源に余裕があるため増加率は高いが、密度が上がるほど種内競争によって増加率が下がっていく。
この結果、個体数が環境収容力を大きく超えて増え続けることはなく、増加率がゼロに近づいたところでほぼ一定の個体数に落ち着く。
つまりロジスティック曲線がS字型になるのは、密度効果によって個体群が自分自身の増加を抑える仕組みが働くからだ。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/population-growth-and-density-effect/?from=print#quiz
個体群の増加のグラフがS字型(ロジスティック曲線)になるのはなぜか。
- ◯ 環境収容力に達すると個体数が急に0になるため
- ◯ 個体数が増えるほど資源が増え、増加率が上がり続けるため
- ◯ 密度が高くなるほど資源が減り増加率が下がっていくため
- ◯ 個体群密度に関係なく、増加率は常に一定であるため
正解:密度が高くなるほど資源が減り増加率が下がっていくため
個体群密度が高くなるほど1個体あたりに使える資源が減り、増加率そのものが下がっていくため、増加はやがて鈍ってほぼ一定になる。密度効果とはどのような現象か。
- ◯ 個体群密度が高いほど種内競争が激しくなり、個体の成長や繁殖が妨げられること
- ◯ 個体群密度が高いほど資源が増え、個体の成長が促されること
- ◯ 異種の個体群の間で起こる競争のこと
- ◯ 個体群密度に関わらず、個体の性質が一定に保たれること
正解:個体群密度が高いほど種内競争が激しくなり、個体の成長や繁殖が妨げられること
個体群密度が高くなるほど、資源をめぐる種内競争が激しくなり、個体の成長や繁殖が妨げられる現象を密度(新しいタブで開きます)効果という。トノサマバッタの相変異は何の例として挙げられるか。
- ◯ 生態系の物質循環の例
- ◯ 被食者と捕食者の個体数が周期的に変動する例
- ◯ 種間競争によって一方の種が排除される例
- ◯ 密度効果が個体の体や性質にまで影響する例
正解:密度効果が個体の体や性質にまで影響する例
幼虫期の混み具合(密度)によって成虫の体の大きさや翅の模様まで変わる相変異は、密度効果が個体の性質にまで影響する例である。個体群が環境収容力を大きく超えずにほぼ一定の個体数で維持されるのはなぜか。
- ◯ 密度が上がるほど増加率も上がり続けるため
- ◯ 環境収容力に達すると繁殖が完全に止まり、個体数が0になるため
- ◯ 個体群密度は個体数の変化に全く影響しないため
- ◯ 密度が上がるほど増加率が下がり、増加率がゼロに近づいて個体数が落ち着くため
正解:密度が上がるほど増加率が下がり、増加率がゼロに近づいて個体数が落ち着くため
密度が上がるほど種内競争によって増加率が下がっていき、増加率がゼロに近づいたところでほぼ一定の個体数に落ち着くため。
単元のポイント
- ロジスティック曲線 個体数が指数的に増えた後、環境収容力に近づくと増加が鈍るS字型の曲線
- 密度効果 個体群密度が高いほど1個体あたりの資源が減り、成長や繁殖が妨げられること
- 環境収容力 その環境で個体群が維持できる個体数の上限
- 種内競争と相変異 同種内で資源を奪い合う種内競争と、密度の違いが個体の性質まで変える相変異の例