混合物の分離と精製
カワウソ先生どの方法を選ぶかは、分けたい物質どうしの何が違うか(粒の大きさ・沸点・溶けやすさ)で決まるよ。
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- 1種類の物質だけでできているのが純物質、2種類以上が混じっているのが混合物。海水や空気は混合物、水や酸素(新しいタブで開きます)は純物質。
- 固体と液体を分けるろ過、沸点(新しいタブで開きます)の差を使う蒸留、溶解度(新しいタブで開きます)の差を使う再結晶、溶けやすさの差を使う抽出、移動のしやすさの差を使うクロマトグラフィーの5つが中心。原油の分留や、ヨウ素などの昇華法もある。
- 分ける方法は、分けたい物質どうしの性質のどこに違いがあるかで決める。粒の大きさ・沸点・溶解度・昇華性・移動のしやすさのどれに注目するかが鍵になる。
詳しく
分離法の使い分け
1種類の物質だけでできているものを純物質、2種類以上の物質が混じっているものを混合物という。海水は水と塩類が混じった混合物、空気は窒素と酸素などが混じった混合物で、見た目だけでは純物質と混合物を区別できない。
混合物から目的の物質を取り出す操作を分離・精製という。固体と液体をろ過で分けるのは、ろ紙の穴より粒が大きいか小さいかの差。液体を蒸留で分けるのは、物質ごとに決まった沸点の差を利用し、沸点の低い物質から先に気体になって出てくることを使う。原油を成分ごとの沸点の範囲で取り分ける分留は、この蒸留の考え方を使った応用例だ。
固体にとけた不純物を取り除くには、温度による溶解度の差を利用する再結晶を使う。目的の物質だけを別の溶媒に溶かし出す抽出は溶媒への溶けやすさの差、紙の上を物質が移動する速さの差を利用するクロマトグラフィーは、インクの色素を分けるときなどに使う。このほか、固体が液体にならずに直接気体になる性質(昇華)を使う昇華法もあり、ヨウ素を取り出すときなどに使う。
例:海水から水と塩を取り出す
海水を蒸留すると、水だけが先に気体(水蒸気)になって出ていき、それを冷やして液体に戻すと、塩類を含まない蒸留水が得られる。砂浜の砂が混じった海水なら、まずろ過で砂を取り除いてから蒸留する。
逆に、蒸留した後に残った海水を加熱して水を蒸発させ続けると、溶けていた塩化ナトリウムなどの結晶が出てくる。これは水を蒸発させて溶解度を超えさせる方法で、温度による溶解度の差を利用する再結晶とは別の操作だ(塩化ナトリウムは温度による溶解度の変化が小さいため、冷やしても結晶が出にくい)。
ワインやみりんのような混合物を加熱して、アルコール(沸点が低い)だけを先に気体にして集めるのも蒸留の例。原油から取り分ける分留は、沸点の範囲ごとにガソリン・軽油・重油などに分ける操作である。
なぜ性質の違いで分けられるのか
どの分離法を選ぶかは、分けたい物質どうしの性質の何が違うかで決まる。粒の大きさが違えばろ過、沸点が違えば蒸留や分留、温度による溶解度が違えば再結晶、溶媒への溶けやすさが違えば抽出、昇華しやすさが違えば昇華法、移動のしやすさが違えばクロマトグラフィーを選ぶ。
物質には融点や沸点など、ほかの物質と混じっていなければ一定の値を示す性質がある。混合物では、混じっている割合によって融点や沸点が変わってしまうため、分離・精製は「混じりものを減らして、物質ごとに決まった性質に近づける」操作とも言える。
実際の分離では、ろ過で固体を取り除いてから蒸留するように、いくつかの方法を組み合わせることが多い。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/separation-and-purification/?from=print#quiz
泥が混じった水をろ過すると、ろ紙の上に残るのはどれか。
- ◯ 泥(溶けていない固体)
- ◯ 気体
- ◯ 塩
- ◯ 水
正解:泥(溶けていない固体)
ろ過はろ紙の穴より大きい粒(泥などの溶けていない固体)をろ紙の上に残し、水のような液体はろ紙を通り抜ける。海水を蒸留すると、最初に気体になって出てくるのはどの物質か。
- ◯ 砂
- ◯ 水
- ◯ 二酸化炭素
- ◯ 塩化ナトリウム
正解:水
蒸留(新しいタブで開きます)は沸点の差を利用する分離法。海水の中では水の沸点が最も低いため、水が先に気体になって出てくる。ヨウ素のように、固体が液体にならずに直接気体になる性質を利用した分離法は何か。
- ◯ 再結晶
- ◯ ろ過
- ◯ 抽出
- ◯ 昇華法
正解:昇華法
固体が液体にならずに直接気体になる性質を昇華といい、この性質を利用する分離法を昇華法という。インクに含まれる複数の色素を分けるのに適した分離法は何か。
- ◯ クロマトグラフィー
- ◯ 昇華法
- ◯ 蒸留
- ◯ ろ過
正解:クロマトグラフィー
クロマトグラフィーは、紙の上を物質が移動する速さの差を利用して、インクの色素のような混合物を分ける方法である。
単元のポイント
- ろ過 ろ紙を使い、液体と溶けていない固体を粒の大きさの差で分ける
- 蒸留(新しいタブで開きます) 沸点の差を利用。液体を気体にして集め、冷やして再び液体にする。原油を沸点の範囲ごとに分ける分留も、この蒸留の応用
- 再結晶(新しいタブで開きます) 温度による溶解度の差を利用し、固体にとけた不純物を取り除いて純粋な結晶を取り出す
- 抽出 溶媒への溶けやすさの差を利用し、目的の物質だけを別の溶媒に溶かし出す
- クロマトグラフィー 紙やろ紙の上を物質が移動する速さの差を利用し、インクの色素などを分ける
- 昇華法 固体が液体にならずに直接気体になる性質(昇華)を利用し、ヨウ素などを分ける発展的な方法