粒子の熱運動と物質の三態
カワウソ先生温度が上がるほど粒子は激しく動く。その動きが粒子間の引力に勝つと、固体→液体→気体へ変わるよ。
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- 物質をつくる粒子は温度に関係なく常に運動している。この運動を熱運動(新しいタブで開きます)といい、温度が高いほど激しくなる。
- 固体は粒子が規則正しく並んで振動するだけだが、液体は粒子が位置を変えながら動き、気体は粒子間の引力を振り切って自由に飛び回る。
- 香水のにおいが部屋に広がるように、粒子が熱運動によって自然に広がっていく現象を拡散という。
詳しく
粒子の熱運動のしくみ
物質をつくる粒子は、止まっているように見えても、実際には常に運動している。この運動を熱運動といい、温度が高いほど粒子の運動(新しいタブで開きます)は激しい。
固体では、粒子どうしが強い引力で引き合い、規則正しい配列を保ったまま、それぞれの位置でわずかに振動している。液体になると、粒子は引力を保ちながらも位置を変えられるようになり、比較的自由に動き回る。気体になると、粒子の熱運動が粒子間の引力を振り切るほど激しくなり、粒子は互いに離れて自由に飛び回る。
この固体・液体・気体の3つの状態を物質の三態という。温度による状態変化は、粒子間の引力と熱運動の激しさの関係が変わることで起こる。中学の状態変化で学んだように、状態が変わっても物質そのもの(原子や分子(新しいタブで開きます)の種類)は変わらない。これは燃焼(新しいタブで開きます)のように別の物質に変わる化学変化とは違う、物理変化である。
例:香水のにおいが広がる拡散
香水のふたを開けてしばらく置くと、においの粒子が熱運動によって自然に周りへ広がっていき、やがて部屋全体でにおいが感じられるようになる。この現象を拡散という。インクを水に落としたときに色が広がっていくのも同じしくみである。
拡散は温度が高いほど速く進む。これは、温度が高いほど粒子の熱運動が激しくなり、粒子が速く広い範囲まで移動できるようになるためだ。
氷を加熱すると、粒子の熱運動が激しくなって規則正しい配列が崩れ、固体から液体(水)に変わる。さらに加熱すると、粒子の熱運動が粒子間の引力を振り切り、液体から気体(水蒸気)に変わる。融点(新しいタブで開きます)や沸点を境に状態が変わるのは、その温度で熱運動の激しさが粒子間の引力に打ち勝つからである。
なぜ状態が変わるのか
物質の状態が固体・液体・気体のどれになるかは、粒子の熱運動の激しさと粒子間に働く引力のつり合いで決まる。引力が熱運動に勝っていれば粒子は集まったまま(固体・液体)、熱運動が引力に勝てば粒子はばらばらに飛び回る状態(気体)だ。
温度を上げると熱運動が激しくなり、ある温度(融点・沸点)で引力との力関係が逆転して状態が変わる。温度を下げれば逆のことが起こり、気体から液体、液体から固体へと変わる。
密度(新しいタブで開きます)が状態によって大きく変わるのも、この粒子の集まり方の違いが理由だ。気体は粒子がばらばらに広がっているため、同じ物質の固体や液体に比べて体積が大きく、密度が小さくなる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/thermal-motion-and-states-of-matter/?from=print#quiz
物質の温度が高くなると、粒子の熱運動はどうなるか。
- ◯ 激しくなる
- ◯ 変わらない
- ◯ 止まる
- ◯ 粒子の数が減る
正解:激しくなる
温度が高いほど、粒子の熱運動は激しくなる。気体の状態にある粒子の運動の特徴として正しいものはどれか。
- ◯ 引力を保ちながら位置を変えて動く
- ◯ まったく運動していない
- ◯ 粒子間の引力を振り切って自由に飛び回る
- ◯ 規則正しく並んでその場で振動している
正解:粒子間の引力を振り切って自由に飛び回る
気体では、粒子の熱運動が粒子間の引力を振り切るほど激しくなり、粒子は互いに離れて自由に飛び回る。香水のにおいが、時間がたつと部屋全体に広がって感じられるようになる現象を何というか。
- ◯ 拡散
- ◯ 蒸留
- ◯ 再結晶
- ◯ 沈殿
正解:拡散
粒子が熱運動(新しいタブで開きます)によって自然に広がっていく現象を拡散という。香水のにおいが部屋に広がるのはこの例である。氷(固体)が加熱されて水(液体)に変わるとき、粒子の様子はどう変化するか。
- ◯ 熱運動が止まり、粒子が完全に固定される
- ◯ 熱運動が激しくなり、規則正しい配列が崩れる
- ◯ 粒子が別の原子に変わる
- ◯ 粒子の数が増える
正解:熱運動が激しくなり、規則正しい配列が崩れる
加熱すると粒子の熱運動が激しくなり、固体の規則正しい配列が崩れて、位置を変えながら動ける液体になる。
単元のポイント
- 熱運動(新しいタブで開きます) 物質をつくる粒子が温度に応じて常に行っている運動。温度が高いほど激しい
- 固体 粒子が規則正しい配列を保ったまま、その場で振動している状態
- 液体 粒子が互いに引力を保ちながらも位置を変え、比較的自由に動ける状態
- 気体 粒子が粒子間の引力を振り切り、自由に飛び回っている状態
- 拡散 粒子が熱運動によって自然に広がっていく現象
- 物理変化 状態が変わっても物質そのもの(原子・分子の種類)は変わらない変化。別の物質に変わる化学変化とは区別される