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ブロック経済(けいざい)

1932〜1945年・イギリスとその自治領・植民地、フランス、アメリカ、ドイツ、日本など

フクロウ先生仲間(なかま)うちの売(う)り買(か)いを優先(ゆうせん)し、外(そと)の国(くに)からの輸入(ゆにゅう)をおさえた結果(けっか)、外(そと)の国(くに)との対立(たいりつ)が強(つよ)まった点(てん)に注目(ちゅうもく)しよう。

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  1. 1929年(ねん)に世界(せかい)恐慌(きょうこう)(新しいタブで開きます)が始(はじ)まると、各国(かっこく)は自分(じぶん)の国(くに)の産業(さんぎょう)を守(まも)るため、輸入品(ゆにゅうひん)にかける関税(かんぜい)を引(ひ)き上(あ)げた。世界(せかい)の貿易(ぼうえき)は大(おお)きく減(へ)った。
  2. 1932年(ねん)のオタワ会議(かいぎ)で、イギリスは植民地(しょくみんち)などとの間(あいだ)の関税(かんぜい)を低(ひく)くし、外(そと)の国(くに)の品物(しなもの)には高(たか)い関税(かんぜい)をかけた。これがブロック経済(けいざい)の始(はじ)まりとされる。
  3. フランスやアメリカ、ドイツ、日本(にほん)も、自分(じぶん)の国(くに)を中心(ちゅうしん)とする経済(けいざい)のまとまりをつくった。国(くに)どうしの対立(たいりつ)は深(ふか)まり、第(だい)二次(にじ)世界(せかい)大戦(たいせん)の原因(げんいん)の一(ひと)つとなった。
いつ
1930年代(ねんだい)〜第(だい)二次(にじ)世界(せかい)大戦(たいせん)のころ(1932年(ねん)のオタワ会議(かいぎ)から)
どこ
イギリスとその自治領(じちりょう)・植民地(しょくみんち)、フランス、アメリカ、ドイツ、日本(にほん)など
誰
イギリスをはじめとする大国(たいこく)の政府(せいふ)
何
世界(せかい)恐慌(きょうこう)のなかで、大国(たいこく)が植民地(しょくみんち)や関係(かんけい)の深(ふか)い国々(くにぐに)と経済(けいざい)圏(けん)をつくり、高(たか)い関税(かんぜい)などで外(そと)の国(くに)との取引(とりひき)を制限(せいげん)した

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詳しく

背景(はいけい)

1929年(ねん)、アメリカから世界中(せかいじゅう)に深刻(しんこく)な不景気(ふけいき)が広(ひろ)がった。これを世界(せかい)恐慌(きょうこう)という。各国(かっこく)で生産(せいさん)が落(お)ちこみ、失業者(しつぎょうしゃ)がふえていく。そこで各国(かっこく)は、外国(がいこく)から入(はい)る品物(しなもの)にかける税(ぜい)を引(ひ)き上(あ)げた。この税(ぜい)を関税(かんぜい)といい、高(たか)くすると輸入品(ゆにゅうひん)は値段(ねだん)が上(あ)がって売(う)れにくくなる。輸入(ゆにゅう)をおさえて自分(じぶん)の国(くに)の産業(さんぎょう)を守(まも)るやり方(かた)を、保護貿易(ほごぼうえき)とよぶ。アメリカは1930年(ねん)に関税(かんぜい)を大(おお)きく引(ひ)き上(あ)げ、ほかの国々(くにぐに)も輸入(ゆにゅう)を制限(せいげん)していった。こうして、世界(せかい)の貿易(ぼうえき)は大(おお)きく減(へ)ったのである。多(おお)くの国(くに)は、紙幣(しへい)を金(きん)と交換(こうかん)するしくみである金本位制(きんほんいせい)からも離(はな)れた。

1929年4月、並んで立つホーリー(左)とスムート(右)。2人の名をとった関税法が1930年にできた『Smoot and Hawley standing together, April 11, 1929』 National Photo Company(米国議会図書館所蔵)/パブリックドメイン

流(なが)れ

イギリスは、それまで自由(じゆう)な貿易(ぼうえき)を大切(たいせつ)にしてきた国(くに)である。しかし1932年(ねん)、輸入品(ゆにゅうひん)に広(ひろ)く保護関税(ほごかんぜい)をかける方針(ほうしん)に切(き)りかえた。同(おな)じ年(とし)の夏(なつ)、カナダのオタワでイギリス帝国(ていこく)経済(けいざい)会議(かいぎ)(オタワ会議(かいぎ))が開(ひら)かれる。イギリス帝国(ていこく)とは、本国(ほんごく)と世界(せかい)各地(かくち)の植民地(しょくみんち)などを合(あ)わせたまとまりである。会議(かいぎ)には、イギリス本国(ほんごく)と、カナダやオーストラリアなどの自治領(じちりょう)、インドなどの代表(だいひょう)が集(あつ)まった。自治領(じちりょう)は、もとは広(ひろ)い自治(じち)を認(みと)められた植民地(しょくみんち)で、このころには本国(ほんごく)と対等(たいとう)の地位(ちい)にあった。

会議(かいぎ)では、帝国(ていこく)の中(なか)の品物(しなもの)には低(ひく)い関税(かんぜい)、帝国(ていこく)の外(そと)の品物(しなもの)には高(たか)い関税(かんぜい)をかける帝国特恵関税(ていこくとっけいかんぜい)が決(き)まる。前(まえ)の年(とし)からは、イギリスの通貨(つうか)ポンドと結(むす)びつく国々(くにぐに)のまとまりもできていた。これをスターリング・ブロック(ポンド・ブロック)とよぶ。貿易(ぼうえき)やお金(かね)の支払(しはら)いで結(むす)びついた地域(ちいき)のまとまりを、経済(けいざい)圏(けん)という。大国(たいこく)が植民地(しょくみんち)や関係(かんけい)の深(ふか)い国々(くにぐに)と経済(けいざい)圏(けん)をつくり、高(たか)い関税(かんぜい)などで外(そと)の国(くに)との取引(とりひき)を制限(せいげん)するやり方(かた)をブロック経済(けいざい)という。

ほかの大国(たいこく)も、それぞれの経済(けいざい)圏(けん)をつくった。フランスは、金本位制(きんほんいせい)を続(つづ)けたベルギーやスイスなどと金(きん)ブロックを組(く)む。アメリカは南北(なんぼく)アメリカの国々(くにぐに)と、ゆるやかなドル・ブロックをつくった。ドイツは東南(とうなん)ヨーロッパに、日本(にほん)は満州(まんしゅう)(中国(ちゅうごく)東北部(とうほくぶ))などに経済(けいざい)圏(けん)を広(ひろ)げていった。

オタワ会議にあわせて、カナダが1932年に文字を刷り加えて出した航空郵便の切手『Canada-Stamp-1932-Ottawa Conference』 カナダ郵政(画像:SteveStrummer)/パブリックドメイン

結果(けっか)

オタワ会議(かいぎ)のあと、イギリス帝国(ていこく)の中(なか)の貿易(ぼうえき)はふえ、帝国(ていこく)の経済(けいざい)は一時(いちじ)持(も)ち直(なお)した。しかし経済(けいざい)圏(けん)の外(そと)の国(くに)は、品物(しなもの)を売(う)る先(さき)が狭(せば)まる。こうして、ブロックどうしの間(あいだ)では政治(せいじ)や経済(けいざい)の争(あらそ)いが激(はげ)しくなっていった。とくにドイツと日本(にほん)は自分(じぶん)たちの経済(けいざい)圏(けん)をさらに広(ひろ)げようとし、イギリスやフランス、アメリカと対立(たいりつ)を深(ふか)める。こうしてブロック経済(けいざい)は、第(だい)二次(にじ)世界(せかい)大戦(たいせん)の原因(げんいん)の一(ひと)つとなった。この反省(はんせい)から、大戦(たいせん)のあとは関税(かんぜい)を下(さ)げ、自由(じゆう)な貿易(ぼうえき)を広(ひろ)げるしくみがつくられていく。

主な出来事

  1. ニューヨークの株価(かぶか)が大(おお)きく下(さ)がり、世界(せかい)恐慌(きょうこう)が始(はじ)まる
  2. アメリカが関税(かんぜい)を大(おお)きく引(ひ)き上(あ)げる法律(ほうりつ)(スムート・ホーリー関税(かんぜい)法(ほう))を定(さだ)める
  3. イギリスの通貨(つうか)ポンドの価値(かち)が切(き)り下(さ)げられる
  4. イギリスが輸入品(ゆにゅうひん)に広(ひろ)く保護関税(ほごかんぜい)をかける方針(ほうしん)に切(き)りかえる
  5. カナダのオタワでオタワ会議(かいぎ)が始(はじ)まる
  6. オタワ会議(かいぎ)が終(お)わり、帝国特恵関税(ていこくとっけいかんぜい)の取(と)り決(き)めが結(むす)ばれる

確認問題

問題 1 / 41932年(ねん)、イギリスが本国(ほんごく)や植民地(しょくみんち)などの代表(だいひょう)を集(あつ)め、イギリス帝国(ていこく)の中(なか)で関税(かんぜい)を低(ひく)くし合(あ)う取(と)り決(き)めを結(むす)んだ会議(かいぎ)を何(なん)というか。

確認問題(解答用紙)

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https://manazoo.com/history/bloc-economy/?from=print#quiz

  1. 1932年(ねん)、イギリスが本国(ほんごく)や植民地(しょくみんち)などの代表(だいひょう)を集(あつ)め、イギリス帝国(ていこく)の中(なか)で関税(かんぜい)を低(ひく)くし合(あ)う取(と)り決(き)めを結(むす)んだ会議(かいぎ)を何(なん)というか。

    • ◯ ワシントン会議(かいぎ)
    • ◯ パリ講和(こうわ)会議(かいぎ)
    • ◯ オタワ会議(かいぎ)
    • ◯ ウィーン会議(かいぎ)

    正解:オタワ会議
    1932年(ねん)、カナダのオタワでイギリス帝国(ていこく)経済(けいざい)会議(かいぎ)(オタワ会議(かいぎ))が開(ひら)かれた。帝国(ていこく)の中(なか)の関税(かんぜい)は低(ひく)くし、外(そと)の国(くに)には高(たか)い関税(かんぜい)をかける取(と)り決(き)めが結(むす)ばれた。

  2. 世界(せかい)恐慌(きょうこう)のあと、各国(かっこく)が輸入品(ゆにゅうひん)にかける関税(かんぜい)を引(ひ)き上(あ)げたねらいとして、正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 植民地(しょくみんち)を独立(どくりつ)させるため
    • ◯ 自分(じぶん)の国(くに)の産業(さんぎょう)を守(まも)るため
    • ◯ 世界(せかい)の貿易(ぼうえき)をさかんにするため
    • ◯ 外国(がいこく)の品物(しなもの)を安(やす)く買(か)うため

    正解:自分の国の産業を守るため
    関税(かんぜい)を高(たか)くすると、輸入品(ゆにゅうひん)は値段(ねだん)が上(あ)がって売(う)れにくくなる。こうして自分(じぶん)の国(くに)の産業(さんぎょう)を守(まも)るやり方(かた)を保護貿易(ほごぼうえき)という。

  3. イギリスの通貨(つうか)ポンドと結(むす)びつき、ポンドで貿易(ぼうえき)の支払(しはら)いを行(おこな)う国々(くにぐに)のまとまりを何(なん)というか。

    • ◯ ドル・ブロック
    • ◯ スターリング・ブロック
    • ◯ 金(きん)ブロック
    • ◯ 円(えん)ブロック

    正解:スターリング・ブロック
    イギリスの通貨(つうか)ポンドと結(むす)びつく国々(くにぐに)のまとまりをスターリング・ブロック(ポンド・ブロック)という。金(きん)ブロックはフランスを中心(ちゅうしん)に、金本位制(きんほんいせい)を続(つづ)けた国々(くにぐに)のまとまりである。

  4. ブロック経済(けいざい)によって起(お)きたこととして、正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 国々(くにぐに)の間(あいだ)で関税(かんぜい)がなくなり、自由(じゆう)な貿易(ぼうえき)がさかんになった
    • ◯ 経済(けいざい)圏(けん)どうしの対立(たいりつ)が強(つよ)まり、第(だい)二次(にじ)世界(せかい)大戦(たいせん)の一因(いちいん)となった
    • ◯ イギリス帝国(ていこく)の中(なか)で、国(くに)や地域(ちいき)の間(あいだ)の貿易(ぼうえき)がなくなった
    • ◯ アメリカとドイツが手(て)を結(むす)び、一(ひと)つの経済(けいざい)圏(けん)にまとまった

    正解:経済圏どうしの対立が強まり、第二次世界大戦の一因となった
    大国(たいこく)がそれぞれの経済(けいざい)圏(けん)を囲(かこ)いこんだため、経済(けいざい)圏(けん)(ブロック)どうしの対立(たいりつ)が強(つよ)まった。ブロック経済(けいざい)は第(だい)二次(にじ)世界(せかい)大戦(たいせん)の原因(げんいん)の一(ひと)つとなった。

単元のポイント

  • 関税(かんぜい) 外国(がいこく)から入(はい)ってくる品物(しなもの)にかける税(ぜい)。高(たか)くすると、輸入品(ゆにゅうひん)は値段(ねだん)が上(あ)がって売(う)れにくくなる
  • 保護貿易(ほごぼうえき) 関税(かんぜい)などで輸入(ゆにゅう)をおさえ、自分(じぶん)の国(くに)の産業(さんぎょう)を守(まも)るやり方(かた)
  • 金本位制(きんほんいせい) 紙幣(しへい)を決(き)まった量(りょう)の金(きん)と交換(こうかん)できるようにして、通貨(つうか)の価値(かち)を金(きん)で支(ささ)えるしくみ
  • オタワ会議(かいぎ) 1932年(ねん)にカナダのオタワで開(ひら)かれたイギリス帝国(ていこく)経済(けいざい)会議(かいぎ)。帝国(ていこく)の中(なか)で関税(かんぜい)を低(ひく)くし合(あ)う取(と)り決(き)めを結(むす)んだ
  • 自治領(じちりょう) カナダやオーストラリアのように、もとは広(ひろ)い自治(じち)を認(みと)められたイギリスの植民地(しょくみんち)。1930年代(ねんだい)には本国(ほんごく)と対等(たいとう)の地位(ちい)にあった
  • 帝国特恵関税(ていこくとっけいかんぜい) イギリス帝国(ていこく)の中(なか)の品物(しなもの)には低(ひく)い関税(かんぜい)、帝国(ていこく)の外(そと)の品物(しなもの)には高(たか)い関税(かんぜい)をかけるしくみ
  • スターリング・ブロック 通貨(つうか)ポンドを使(つか)って貿易(ぼうえき)の支払(しはら)いを行(おこな)う、イギリスと結(むす)びついた国々(くにぐに)のまとまり。ポンド・ブロックともいう
  • 金(きん)ブロック フランスを中心(ちゅうしん)に、金本位制(きんほんいせい)を続(つづ)けた国々(くにぐに)の経済(けいざい)圏(けん)
問題を解く
単元のポイント
  • 関税(かんぜい) 外国(がいこく)から入(はい)ってくる品物(しなもの)にかける税(ぜい)。高(たか)くすると、輸入品(ゆにゅうひん)は値段(ねだん)が上(あ)がって売(う)れにくくなる
  • 保護貿易(ほごぼうえき) 関税(かんぜい)などで輸入(ゆにゅう)をおさえ、自分(じぶん)の国(くに)の産業(さんぎょう)を守(まも)るやり方(かた)
  • 金本位制(きんほんいせい) 紙幣(しへい)を決(き)まった量(りょう)の金(きん)と交換(こうかん)できるようにして、通貨(つうか)の価値(かち)を金(きん)で支(ささ)えるしくみ
  • オタワ会議(かいぎ) 1932年(ねん)にカナダのオタワで開(ひら)かれたイギリス帝国(ていこく)経済(けいざい)会議(かいぎ)。帝国(ていこく)の中(なか)で関税(かんぜい)を低(ひく)くし合(あ)う取(と)り決(き)めを結(むす)んだ
  • 自治領(じちりょう) カナダやオーストラリアのように、もとは広(ひろ)い自治(じち)を認(みと)められたイギリスの植民地(しょくみんち)。1930年代(ねんだい)には本国(ほんごく)と対等(たいとう)の地位(ちい)にあった
  • 帝国特恵関税(ていこくとっけいかんぜい) イギリス帝国(ていこく)の中(なか)の品物(しなもの)には低(ひく)い関税(かんぜい)、帝国(ていこく)の外(そと)の品物(しなもの)には高(たか)い関税(かんぜい)をかけるしくみ
  • スターリング・ブロック 通貨(つうか)ポンドを使(つか)って貿易(ぼうえき)の支払(しはら)いを行(おこな)う、イギリスと結(むす)びついた国々(くにぐに)のまとまり。ポンド・ブロックともいう
  • 金(きん)ブロック フランスを中心(ちゅうしん)に、金本位制(きんほんいせい)を続(つづ)けた国々(くにぐに)の経済(けいざい)圏(けん)