
世界恐慌
フクロウ先生アメリカのお金が世界を回っていたから、アメリカがつまずくと多くの国が不況に巻きこまれた。お金の流れの図を思いうかべよう。
30秒でつかむ
- 1920年代のアメリカは好景気が続き、会社の株を買ってもうけようとする人が増えた。その一方で、工業製品や農産物は作りすぎて売れ残り始めていたのである。
- 1929年10月24日、ニューヨーク株式市場で株の値段(株価)が大暴落した。銀行や会社が次々につぶれ、アメリカでは1933年に働き手のおよそ4人に1人が失業していた。
- アメリカからの貸し付けが減り、不況はヨーロッパなど、ソ連(新しいタブで開きます)をのぞく世界の国々に広がった。各国は輸入品にかける税金(関税)を高くして自分の国の産業を守ろうとし、国どうしの貿易は大きく減った。
- いつ
- 1929年10月〜1930年代
- どこ
- アメリカから、ソ連をのぞく世界の国々へ
- 誰
- フーヴァー(アメリカ大統領)・フランクリン・ローズヴェルト(新しいタブで開きます)(アメリカ大統領)
- 何
- 株価の大暴落から始まった不況が世界の国々に広がり、各国が自分の国を守る政策に向かった
詳しく
背景
第一次世界大戦(新しいタブで開きます)のあと、アメリカは世界経済の中心となった。1920年代には、物がよく売れる好景気が続き、自動車などが家庭に広まる。人々は株式を買い、値上がりでもうけようとした。株式は、会社にお金を出した人の権利で、株ともよばれ、売り買いもできる。株の値段(株価)は、会社の実力以上に上がった。工場は製品を作りすぎていた。農業では、ヨーロッパの農業が立ち直り、アメリカの農産物が売れ残っていたのである。アメリカはドイツにお金を貸し、ドイツはそのお金で、戦争の償いのお金(賠償金)をイギリスやフランスに払っていた。イギリスとフランスは、それをアメリカへの借金の返済に回す。アメリカのお金が世界を回っていた。
流れ
1929年10月24日、株を売り買いするニューヨーク株式市場で、株価が急に大きく下がった(大暴落)。この日は「暗黒の木曜日」とよばれる。株価はその後も下がり続け、株を持っていた人や会社は大きな損をした。会社は工場を閉めて働く人を解雇した。物が売れないので値段が下がり、さらに会社がつぶれるという悪い循環が続く。不況が深まると、預金を引き出そうとする人が増え、銀行の倒産も広がった。このように景気が急に悪くなり、会社や銀行が次々に倒れることを恐慌という。アメリカでは、1933年には働き手のおよそ4人に1人が失業していた。
アメリカからドイツへの貸し付けは、1920年代の終わりから減っていた。恐慌でお金がさらに入らなくなると、アメリカのお金に支えられていたドイツの経済は行きづまっていく。1931年5月にはオーストリアの大きな銀行がつぶれ、混乱はドイツにも広がった。アメリカ大統領フーヴァーは6月、賠償金と国どうしの借金の支払いを1年間止めると提案した。これをフーヴァー=モラトリアムという。モラトリアムとは、支払いを一時待つことである。それでも不況は止まらなかった。こうして恐慌はアメリカから、ソ連をのぞく世界の国々に広がり、世界恐慌となったのである。
結果
各国は自分の国の産業を守るため、輸入品に高い税金(関税)をかけた。これを保護貿易という。アメリカは1930年に関税を大きく引き上げ、ほかの国々も関税を上げて対抗する。国どうしの貿易は大きく減り、不況はさらに深まった。アメリカは1933年から、国が経済に深く関わるニューディール(新しいタブで開きます)を進める。イギリスは1932年からブロック経済を進めた。カナダなどの領土や植民地との間では関税を低くし、外の国の品物には高い関税をかけるやり方である。一方、ドイツでは、ヒトラーの率いる政党ナチスが支持を広げていく。
主な出来事
- ニューヨーク株式市場で株価が大暴落する(暗黒の木曜日)
- アメリカが関税を大きく引き上げる法律を定める
- オーストリアの大銀行が破綻する
- フーヴァー=モラトリアムが出される
- イギリスが金本位制をやめる
- イギリス連邦のオタワ会議が開かれる
- フランクリン・ローズヴェルトが大統領に就任する
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/history/great-depression/?from=print#quiz
1929年10月24日、ニューヨーク株式市場で株価が大暴落した日は、のちに何とよばれたか。
- ◯ 血の日曜日
- ◯ 暗黒の金曜日
- ◯ 暗黒の木曜日
- ◯ 勝利の月曜日
正解:暗黒の木曜日
1929年10月24日は木曜日で、この日の株価の大暴落から世界恐慌が始まった。そのため「暗黒の木曜日」とよばれる。アメリカで始まった恐慌が、ドイツなどヨーロッパに広がった大きな理由はどれか。
- ◯ アメリカからの貸し付けが減ったから
- ◯ アメリカがヨーロッパからの移民を禁止したから
- ◯ ヨーロッパの国々がアメリカへの輸出を急にふやしたから
- ◯ ヨーロッパの国々がアメリカと戦争を始めたから
正解:アメリカからの貸し付けが減ったから
ドイツの経済は、アメリカからの貸し付けに支えられていた。貸し付けが減り、恐慌でお金がさらに入らなくなると、ドイツの経済は行きづまり、恐慌はヨーロッパに広がった。1931年、アメリカの大統領が、賠償金と国どうしの借金の支払いを1年間止めると提案したことを何というか。
- ◯ フーヴァー=モラトリアム
- ◯ ニューディール
- ◯ 十四か条
- ◯ ドーズ案
正解:フーヴァー=モラトリアム
アメリカ大統領フーヴァーは1931年6月、戦争の賠償金と国どうしの借金の支払いを1年間止めると提案した。これをフーヴァー=モラトリアムという。イギリスが1932年から進めた、領土や植民地との間は関税を低く、外の国には高くするやり方を何というか。
- ◯ 自由貿易
- ◯ ブロック経済
- ◯ 計画経済
- ◯ 重商主義
正解:ブロック経済
イギリスは1932年から、カナダなどの領土や植民地との間では関税を低くし、外の国の品物には高い関税をかけた。これをブロック経済という。
単元のポイント
- 株式 会社にお金を出した人(株主)の立場や権利。株ともいう。持つ人は会社のもうけの分け前を受け取れ、売り買いもできる
- 暗黒の木曜日 1929年10月24日。ニューヨーク株式市場で株価が大暴落した日
- 恐慌 景気が急に悪くなり、会社や銀行が次々に倒れて、仕事を失う人があふれること
- フーヴァー=モラトリアム 1931年にアメリカ大統領フーヴァーが出した提案。戦争の賠償金と国どうしの借金の支払いを1年間止めるというもの
- 保護貿易 外国の品物に高い関税をかけて、自分の国の産業を守るやり方
- ブロック経済 本国と植民地などの間では関税を低くし、外の国の品物には高い関税をかけて囲いこむやり方