国際連盟
フクロウ先生国際連盟は、戦争を「みんなで防ぐ」という新しい考えを形にした組織だった。なぜ侵略を止められなかったのかを、加盟した国の顔ぶれから考えてみよう。
30秒でつかむ
- 第一次世界大戦(新しいタブで開きます)の大きな被害を受け、アメリカ大統領ウィルソン(新しいタブで開きます)は十四か条の中で、国際的な平和の組織づくりを訴えた。
- 規約はヴェルサイユ条約(新しいタブで開きます)の最初の部分に置かれ、1920年1月に国際連盟が発足した。本部はジュネーヴで、日本は常任理事国の一つとなる。
- アメリカは加わらず、1930年代には日本・ドイツ・イタリアが脱退した。侵略を止められないまま力を失い、1946年に解散した。
- いつ
- 1920〜1946年(発足は1920年1月10日)
- どこ
- 本部はスイスのジュネーヴ
- 誰
- 原加盟国は42か国(イギリス・フランス・イタリア・日本が常任理事国)
- 何
- 国どうしの争いを話し合いで解決し、平和を守るための国際組織
詳しく
背景
第一次世界大戦は、それまでにない大きな被害をもたらした。そのため、戦争を防ぐための新しい国際組織が必要だという声が、ヨーロッパでもアメリカでも高まる。平和を守る国際組織という考えは昔からあったが、実際につくられたことはなかった。十四か条は、1918年1月にアメリカ大統領ウィルソンが発表した、戦後の平和の原則である。その最後の項目でウィルソンは、大国も小国もたがいに独立と領土を守り合う、国々の連合をつくるよう訴えた。
流れ
1919年のパリ講和会議で、ウィルソンは国際連盟の規約を、ヴェルサイユ条約の最初の部分に入れさせた。規約とは、連盟の目的やしくみを定めた決まりである。規約では、加盟国がたがいの独立と領土を守り合い、争いは裁判や話し合いで解決すると定めた。決まりを破って戦争を始めた国には、加盟国が協力して経済制裁を加える。経済制裁とは、貿易を止めるなど経済の手段で、相手の国に打撃を与えることである。このように、多くの国が協力してたがいの安全を守る考えを集団安全保障という。
1920年1月10日、ヴェルサイユ条約が効力を持つのと同時に、国際連盟が発足した。本部はスイスのジュネーヴに置かれ、最初からの加盟国とされる原加盟国は42か国である。すべての加盟国が1票ずつ持つ総会と、大国が中心の理事会が、おもな機関となった。理事会でいつも議席を持つ常任理事国には、イギリス・フランス・イタリア・日本がなった。総会も理事会も、すべての国が賛成しないと決められない全会一致を原則とした。
結果
しかし、呼びかけたアメリカは、議会の上院の反対で加わらなかった。革命後のロシアも除かれ、その後に成立した社会主義の国ソ連の加盟は1934年である。1926年にはドイツも加わる。だが1933年に、日本とドイツが連盟を脱退する。1935年のイタリアのエチオピア侵略への経済制裁も、不十分に終わった。1937年にはイタリアも脱退し、連盟が争いを止められないことがはっきりした。第二次世界大戦が始まると、連盟は平和を守る力をほとんど失う。1946年4月、新しくできた国際連合に役目をゆずって解散した。
主な出来事
- ウィルソンが十四か条で国際組織づくりを訴える
- 連盟の規約を最初の部分に置いたヴェルサイユ条約が調印される
- 国際連盟が発足する
- アメリカの上院がヴェルサイユ条約を認めず、アメリカは加盟しない
- ドイツが加盟し、常任理事国となる
- 日本とドイツが脱退する
- ソ連が加盟する
- イタリアのエチオピア侵略に経済制裁を加えるが、徹底されない
- イタリアが脱退する
- フィンランドを攻めたソ連を除名する
- 新しくできた国際連合に役目をゆずり、解散する
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/history/league-of-nations/?from=print#quiz
国際連盟の本部が置かれた都市はどこか。
- ◯ パリ
- ◯ ニューヨーク
- ◯ ロンドン
- ◯ ジュネーヴ
正解:ジュネーヴ
1920年1月に発足した国際連盟は、本部をスイスのジュネーヴに置いた。国際連盟が発足したとき、常任理事国となった国はどれか。
- ◯ ソ連
- ◯ アメリカ
- ◯ 日本
- ◯ ドイツ
正解:日本
発足したときの常任理事国は、イギリス・フランス・イタリア・日本だった。アメリカは加わらず、ドイツとソ連はあとから加盟した。国際連盟の規約で、決まりを破って戦争を始めた国に、加盟国が協力して行うとしたものは何か。
- ◯ 全会一致
- ◯ 民族自決
- ◯ 経済制裁
- ◯ 賠償
正解:経済制裁
規約は、決まりを破って戦争を始めた国に、加盟国が協力して経済制裁を加えると定めた。貿易を止めるなど、経済の手段で相手の国に打撃を与えるものである。国際連盟の力が弱かった理由として、正しいものはどれか。
- ◯ 本部がアメリカに置かれたから
- ◯ アメリカが加わらなかったから
- ◯ 決め方が多数決だったから
- ◯ 理事会が置かれなかったから
正解:アメリカが加わらなかったから
つくるよう呼びかけたアメリカは議会の上院の反対で加わらず、1922年に成立したソ連の加盟も1934年までなかった。1930年代には日本・ドイツ・イタリアが脱退し、連盟に争いを止める力が足りないことがはっきりした。
単元のポイント
- 十四か条 1918年1月にアメリカ大統領ウィルソンが示した、戦後の平和の原則。最後の項目で、国々の連合をつくるよう訴えた
- 国際連盟規約 国際連盟の目的やしくみを定めた決まり。戦争を終わらせるために結んだヴェルサイユ条約などの、最初の部分に置かれた
- 集団安全保障 1つの国の軍備や軍事同盟にたよらず、多くの国が協力してたがいの安全を守るという考え
- 経済制裁 貿易を止めるなど、経済の手段を使って相手の国に打撃を与えること
- 常任理事国 連盟の大事な問題を話し合う理事会で、いつも席を持つ国。発足のときはイギリス・フランス・イタリア・日本だった
- 全会一致 会議に加わったすべての国の賛成で決める方式。連盟では、総会や理事会で物事を決めるときの原則とされた
- 国際連合 第二次世界大戦のあとにつくられた国際組織。国際連盟の役目を引きついだ