ワシントン会議
フクロウ先生軍艦を減らす話と中国の話が、なぜ1つの会議で話し合われたのだろう。どちらにも、大戦中に力をのばした日本の動きが関わっている。
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- 第一次世界大戦(新しいタブで開きます)のあと、アメリカ大統領ハーディングのよびかけで、1921年11月にワシントンで9か国の国際会議が開かれた。
- 四か国条約で日英同盟の終了が決まり、海軍軍縮条約で主力艦の総トン数の比率を決めた。九か国条約では中国の独立と領土の尊重を約束した。
- これらの条約による東アジアと太平洋の国どうしの関係のしくみをワシントン体制という。日本は大戦中に得た山東半島の権利を中国に返した。
- いつ
- 1921年11月12日〜1922年2月6日
- どこ
- アメリカの首都ワシントン
- 誰
- アメリカ・イギリス・日本・フランス・イタリア・中国・ベルギー・オランダ・ポルトガルの9か国
- 何
- 海軍の軍備の制限と、太平洋・中国の問題を話し合った国際会議
詳しく
背景
第一次世界大戦のあと、アメリカと日本、イギリスは、海軍の軍艦を競って増やしていた。この建艦競争は、戦後の立て直しを進める各国にとって、重い負担となる。東アジアでは、大戦のあいだに日本が中国で勢力を大きく広げた。アメリカは、中国の市場をどの国にも開く門戸開放を唱えていたので、日本の動きを警戒する。また、日本とイギリスが1902年に結んだ日英同盟を、アメリカは中国での門戸開放のさまたげとみなしていた。そこで1921年、アメリカ大統領ハーディングは、軍備の制限と太平洋・東アジアの問題を話し合う国際会議をよびかけた。
流れ
1921年11月12日、ワシントンで9か国の会議が始まった。議長のアメリカ国務長官ヒューズは、主力艦の建造を10年間やめ、持てる量を比率で制限しようと提案する。主力艦とは、戦艦などのもっとも強い軍艦である。日本の海軍は7割を求めた。だが代表の加藤友三郎は、アメリカ領のグアムなど、太平洋の一部の島々の軍事施設を強めない条件で、6割を受け入れた。
12月、四か国条約が結ばれた。日本・イギリス・アメリカ・フランスが、太平洋の島々について、たがいの権利の尊重を約束したのである。日英同盟は、この条約で1923年に終わる。1922年2月6日、四か国条約の4か国にイタリアを加えた5か国が海軍軍縮条約を結ぶ。主力艦の大きさを合計した総トン数の比率は、アメリカとイギリスが5、日本が3、フランスとイタリアが1.67と決まった。同じ日、9か国は九か国条約を結び、中国の独立と領土の尊重を約束した。どの国も中国で平等に商売ができる機会均等も確かめられた。
結果
これらの条約をもとにできた、東アジアと太平洋の国どうしの関係のしくみをワシントン体制という。大戦後のヨーロッパにできた国どうしの関係のしくみ、ヴェルサイユ体制に対応するものである。日本は会議のあいだに中国と話し合い、ドイツから引きついだ山東半島の権利を返すことを決めた。シベリアから軍を引きあげる方針も示し、大戦中に広げた勢力はおさえられた。1920年代の日本は、アメリカやイギリスと協調する外交を進める。しかし、主力艦をアメリカの6割におさえられた海軍には、強い不満が残った。
主な出来事
- 日本とイギリスが日英同盟を結ぶ
- ワシントン会議が始まる
- 四か国条約に、日本・イギリス・アメリカ・フランスが調印する
- 海軍軍縮条約と九か国条約が調印され、会議が終わる
- 四か国条約が効力を持ち、日英同盟が終わる
- ロンドン海軍軍縮会議が開かれる
- 日本が海軍軍縮条約の体制から抜ける
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/history/washington-conference/?from=print#quiz
1921年に、ワシントン会議を開くようよびかけたアメリカの大統領は誰か。
- ◯ リンカン
- ◯ ウィルソン
- ◯ ハーディング
- ◯ ヒューズ
正解:ハーディング
アメリカ大統領ハーディングが、軍備の制限と太平洋・東アジアの問題を話し合う会議をよびかけた。ヒューズはアメリカで外交を受けもつ国務長官で、会議の議長を務めた。ワシントン会議で結ばれた四か国条約によって、終わることになった同盟はどれか。
- ◯ 日英同盟
- ◯ 露仏同盟
- ◯ 三国同盟
- ◯ 日独伊三国同盟
正解:日英同盟
日本・イギリス・アメリカ・フランスが四か国条約を結んだ。これによって、1902年から続いた日英同盟は、条約が効力を持った1923年に終わった。海軍軍縮条約で決めた主力艦の総トン数の比率で、アメリカとイギリスをそれぞれ5としたとき、日本はいくつとされたか。
- ◯ 1.67
- ◯ 3
- ◯ 5
- ◯ 7
正解:3
主力艦を持てる総トン数の比率は、アメリカとイギリスが5、日本が3、フランスとイタリアが1.67と決まった。日本の海軍はアメリカの7割を求めたが、6割を受け入れた。九か国条約の内容として、正しいものはどれか。
- ◯ 主力艦の建造を10年間やめること
- ◯ 中国の独立と領土を尊重すること
- ◯ 中国の領土を各国で分けること
- ◯ 日本に山東半島の権利を認めること
正解:中国の独立と領土を尊重すること
九か国条約で9か国は、中国の独立と領土を尊重し、どの国も中国で平等に商売ができるようにすると約束した。主力艦の建造をやめる約束は、海軍軍縮条約の内容である。
単元のポイント
- 主力艦 戦艦のように、攻める力と守る力がもっとも強い軍艦。当時の海軍の力の中心だった
- 日英同盟 1902年に日本とイギリスが結んだ同盟。結んだ当初は、一方が2つ以上の国と戦争になれば、もう一方も加わって戦うと決めていた。1923年に終わった
- 門戸開放 中国の市場をどの国にも開き、商売の機会を平等にするという、アメリカの主張
- 四か国条約 日本・イギリス・アメリカ・フランスが、太平洋の島々の領土について、たがいの権利を尊重すると約束した条約
- 海軍軍縮条約 アメリカ・イギリス・日本・フランス・イタリアが、主力艦を持てる総トン数の比率を決めた条約。総トン数とは、船の大きさを合計した量である
- 九か国条約 会議に集まった9か国が、中国の独立と領土を尊重し、門戸開放と機会均等を守ると約束した条約
- ワシントン体制 ワシントン会議で結ばれた条約をもとにした、東アジアと太平洋の国どうしの関係のしくみ