
微分可能性と積・商の導関数
ゾウ先生積の導関数は「前を微分して後ろそのまま+前そのまま後ろを微分」と口で覚えると、順番を間違えにくいよ。
30秒でつかむ
- x=aでの微分係数の極限が存在するとき、f(x)はx=aで微分可能という。
- 積の導関数は(fg)′=f′g+fg′、商の導関数は(f/g)′=(f′g−fg′)/g²で求める。
- 連続だが微分可能でない点を持つ関数があり、連続性と微分可能性は別の性質だ。
詳しく
公式
数学Ⅱでは三次までの多項式関数を中心に、定数倍・和・差の導関数を学んだ。数学Ⅲでは、2つの関数f(x)・g(x)の積と商の導関数まで扱えるようにする。
積の導関数は。商の導関数は、g(x)≠0のときで求める。
商の導関数の公式を使うと、x⁻ⁿの形(nは自然数)の導関数もとなり、xⁿの導関数(xⁿ)′=nxⁿ⁻¹がnが負の整数でも成り立つことが分かる。
例題
例題:f(x)=(2x+1)(x²−3)の導関数f′(x)を、積の導関数の公式で求めよ。
f(x)をu(x)=2x+1、v(x)=x²−3の積と見ると、u′(x)=2、v′(x)=2xなので、公式に代入してになる。
商の例:g(x)=x²/(x+1)の導関数は、商の導関数の公式より。g′(1)=(1+2)/4=3/4になる。
なぜそうなるか
微分可能性は「連続」より強い性質だ。関数f(x)=|x|はx=0で連続(つながっている)だが、x=0の左右で傾き(新しいタブで開きます)が−1と1に変わり、hを0に近づける極限が一方向でしか決まらないので微分可能ではない。
一方、g(x)をx<0では0、x≧0ではx²と定める関数は、x=0の前後で傾きがどちらも0に近づくため、x=0でも微分可能になる。連続であっても微分可能でない点を含む関数の例と、含まない関数の例を見比べると、2つの性質の違いがはっきりする。
積の導関数の公式も、定義どおりに確かめられる。(fg)(x+h)−(fg)(x)をf(x+h)g(x+h)−f(x)g(x+h)+f(x)g(x+h)−f(x)g(x)と分けてhで割り、hを0に近づけると、f′(x)g(x)+f(x)g′(x)に近づく。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/math/differentiability-and-product-quotient-rule/?from=print#quiz
f(x)=(2x+1)(x²−3)の導関数f′(x)を積の導関数の公式で求め、f′(1)の値を求めよ。
答え:____________
正解:2
積の導関数の公式を使うと、f′(x)=6x²+2x−6になる。f′(1)=6+2−6=2。g(x)=x²/(x+1)の導関数g′(x)を商の導関数の公式で求め、g′(1)の値を求めよ。分数の形で、/(スラッシュ)を使って答えよう。
答え:____________
正解:3/4
g′(x)=(2x(x+1)−x²)/(x+1)²=(x²+2x)/(x+1)²なので、g′(1)=(1+2)/4=3/4。商の導関数の公式を使って求めると、f(x)=x⁻²(=1/x²)の導関数f′(x)はどれか。
- ◯ x⁻³
- ◯ −2x⁻³
- ◯ −2x⁻¹
- ◯ 2x⁻³
正解:−2x⁻³
(xⁿ)′=nxⁿ⁻¹はnが負の整数でも成り立つので、(x⁻²)′=−2x⁻³になる。f(x)=1/x²を商の導関数(分子が1で導関数0)で確かめても同じ結果が得られる。f(x)=|x|がx=0で微分可能でない理由として正しいものはどれか。
- ◯ x=0の前後で平均変化率の極限が−1と1に分かれ、1つに決まらないから
- ◯ x=0でf(x)の値が負になるから
- ◯ x=0でf(x)が連続でないから
- ◯ x=0でf(x)の値が定義されていないから
正解:x=0の前後で平均変化率の極限が−1と1に分かれ、1つに決まらないから
f(x)=|x|はx=0でもつながっていて連続だが、x<0側の傾き(新しいタブで開きます)は−1、x>0側の傾きは1で、hを0に近づける平均変化率(新しいタブで開きます)の極限が一方向に決まらない。だから微分可能ではない。
単元のポイント
- 微分可能 x=aでの微分係数f′(a)の極限が存在すること
- 積の導関数 (fg)′=f′g+fg′
- 商の導関数 (f/g)′=(f′g−fg′)/g²(g(x)≠0)