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生物群集(せいぶつぐんしゅう)の多様(たよう)性(せい)と攪乱(かくらん)

カエル先生攪乱(かくらん)は悪(わる)いものとは限(かぎ)らない。ちょうどいい規模(きぼ)の攪乱(かくらん)が多様(たよう)な種(しゅ)を支(ささ)えているよ。

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  1. 山(やま)火事(かじ)・台風(たいふう)(新しいタブで開きます)・倒木(とうぼく)など生物群集(せいぶつぐんしゅう)の構造(こうぞう)を乱(みだ)す出来事(できごと)を**攪乱(かくらん)**といい、攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が小(ちい)さすぎても大(おお)きすぎても種多様性(しゅたようせい)は低(ひく)くなる。
  2. 攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が中程度(ちゅうていど)のときに生物群集(せいぶつぐんしゅう)の種多様性(しゅたようせい)が最(もっと)も高(たか)くなるという考(かんが)え方(かた)を**中規模攪乱説(ちゅうきぼかくらんせつ)**という。
  3. 中規模(ちゅうきぼ)の攪乱(かくらん)は優占種(ゆうせんしゅ)(新しいタブで開きます)の独占(どくせん)を防(ふせ)ぎつつ多(おお)くの種(しゅ)を全滅(ぜんめつ)させない強(つよ)さであるため、競争(きょうそう)に弱(よわ)い種(しゅ)も生(い)き残(のこ)る機会(きかい)を生(う)み、種(しゅ)が入(い)れ替(か)わりながら多様(たよう)性(せい)が保(たも)たれる。

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詳しく

攪乱(かくらん)と種多様性(しゅたようせい)の関係(かんけい)

山(やま)火事(かじ)・台風(たいふう)・倒木(とうぼく)など、生物群集(せいぶつぐんしゅう)の構造(こうぞう)を乱(みだ)す出来事(できごと)を攪乱(かくらん)という。

攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が小(ちい)さいと競争(きょうそう)に強(つよ)い一部(いちぶ)の種(しゅ)(優占種(ゆうせんしゅ))が群集(ぐんしゅう)を占(し)め続(つづ)けるため種多様性(しゅたようせい)は低(ひく)くなりやすく、攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が大(おお)きすぎると多(おお)くの種(しゅ)が同時(どうじ)に失(うしな)われて種多様性(しゅたようせい)はやはり低(ひく)くなる。

これに対(たい)し、攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が中程度(ちゅうていど)のときに生物群集(せいぶつぐんしゅう)の種多様性(しゅたようせい)が最(もっと)も高(たか)くなるという考(かんが)え方(かた)を中規模攪乱説(ちゅうきぼかくらんせつ)という。

攪乱の規模と種多様性の関係Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

中規模(ちゅうきぼ)攪乱(かくらん)で多様(たよう)性(せい)が高(たか)まる仕組(しく)み

中規模(ちゅうきぼ)の攪乱(かくらん)が起(お)こると、それまで優占(ゆうせん)していた種(しゅ)の一部(いちぶ)が失(うしな)われ、空(あ)いた場所(ばしょ)に競争(きょうそう)に弱(よわ)かった別(べつ)の種(しゅ)が入(い)り込(こ)む機会(きかい)が生(う)まれる。

攪乱(かくらん)の起(お)こる場所(ばしょ)や時期(じき)が少(すこ)しずつ異(こと)なれば、群集内(ぐんしゅうない)には攪乱(かくらん)直後(ちょくご)の場所(ばしょ)と長(なが)く攪乱(かくらん)を受(う)けていない場所(ばしょ)が入(はい)り混(ま)じり、それぞれの場所(ばしょ)に適(てき)した異(こと)なる種(しゅ)が共存(きょうぞん)できるようになる。

サンゴ礁(しょう)や熱帯(ねったい)雨林(うりん)でも、台風(たいふう)や倒木(とうぼく)による中規模(ちゅうきぼ)の攪乱(かくらん)が繰(く)り返(かえ)し起(お)こる場所(ばしょ)で種多様性(しゅたようせい)が高(たか)く保(たも)たれている例(れい)が知(し)られている。

中規模攪乱による種の入れ替わりAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が極端(きょくたん)な場合(ばあい)に多様(たよう)性(せい)が下(さ)がる理由(りゆう)

攪乱(かくらん)がほとんど起(お)こらないと、資源(しげん)の利用(りよう)に優(すぐ)れた一部(いちぶ)の種(しゅ)だけが競争(きょうそう)に勝(か)ち続(つづ)けて他(た)の種(しゅ)を競争的排除(きょうそうてきはいじょ)(新しいタブで開きます)してしまうため、群集内(ぐんしゅうない)の種数(しゅすう)は少(すく)なくなる。

逆(ぎゃく)に攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が大(おお)きすぎると、優占種(ゆうせんしゅ)だけでなく多(おお)くの種(しゅ)がまとめて失(うしな)われてしまい、生(い)き残(のこ)る種(しゅ)そのものが少(すく)なくなるため、やはり種多様性(しゅたようせい)は低(ひく)くなる。

つまり中規模(ちゅうきぼ)の攪乱(かくらん)は、優占種(ゆうせんしゅ)の独占(どくせん)を防(ふせ)ぎつつ多(おお)くの種(しゅ)を全滅(ぜんめつ)させない強(つよ)さであるために、結果(けっか)として最(もっと)も高(たか)い種多様性(しゅたようせい)を支(ささ)えることになる。

確認問題

問題 1 / 4生態学(せいたいがく)における攪乱(かくらん)とはどのようなものか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

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https://manazoo.com/science/community-diversity-and-disturbance/?from=print#quiz

  1. 生態学(せいたいがく)における攪乱(かくらん)とはどのようなものか。

    • ◯ 生物群集(せいぶつぐんしゅう)の構造(こうぞう)が常(つね)に一定(いってい)に保(たも)たれる状態(じょうたい)
    • ◯ 生態系(せいたいけい)の物質(ぶっしつ)循環(じゅんかん)のこと
    • ◯ 個体群密度(こたいぐんみつど)が高(たか)くなることだけを指(さ)す言葉(ことば)
    • ◯ 山(やま)火事(かじ)や台風(たいふう)など、生物群集(せいぶつぐんしゅう)の構造(こうぞう)を乱(みだ)す出来事(できごと)

    正解:山火事や台風など、生物群集の構造を乱す出来事
    山(やま)火事(かじ)・台風(たいふう)(新しいタブで開きます)・倒木(とうぼく)など、生物群集(せいぶつぐんしゅう)の構造(こうぞう)を乱(みだ)す出来事(できごと)を攪乱(かくらん)という。

  2. 中規模攪乱説(ちゅうきぼかくらんせつ)が主張(しゅちょう)する、攪乱(かくらん)の規模(きぼ)と種多様性(しゅたようせい)の関係(かんけい)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が大(おお)きいほど種多様性(しゅたようせい)は常(つね)に高(たか)くなる
    • ◯ 攪乱(かくらん)の規模(きぼ)と種多様性(しゅたようせい)には関係(かんけい)が無(な)い
    • ◯ 攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が中程度(ちゅうていど)のときに種多様性(しゅたようせい)が最(もっと)も高(たか)くなる
    • ◯ 攪乱(かくらん)が全(まった)く起(お)こらないときに種多様性(しゅたようせい)が最(もっと)も高(たか)くなる

    正解:攪乱の規模が中程度のときに種多様性が最も高くなる
    攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が中程度(ちゅうていど)のときに生物群集(せいぶつぐんしゅう)の種多様性(しゅたようせい)が最(もっと)も高(たか)くなるという考(かんが)え方(かた)を中規模攪乱説(ちゅうきぼかくらんせつ)という。

  3. 中規模(ちゅうきぼ)の攪乱(かくらん)が起(お)こると、生物群集(せいぶつぐんしゅう)の中(なか)でどのようなことが起(お)こりやすいか。

    • ◯ 優占種(ゆうせんしゅ)だけが常(つね)に増(ふ)え続(つづ)ける
    • ◯ 種(しゅ)の構成(こうせい)は攪乱(かくらん)の前後(ぜんご)で全(まった)く変化(へんか)しない
    • ◯ すべての種(しゅ)が同時(どうじ)に失(うしな)われ、群集(ぐんしゅう)そのものが消(き)える
    • ◯ 優占種(ゆうせんしゅ)の一部(いちぶ)が失(うしな)われ、競争(きょうそう)に弱(よわ)かった別(べつ)の種(しゅ)が入(い)り込(こ)む機会(きかい)が生(う)まれる

    正解:優占種の一部が失われ、競争に弱かった別の種が入り込む機会が生まれる
    中規模(ちゅうきぼ)の攪乱(かくらん)が起(お)こると、優占(ゆうせん)していた種(しゅ)の一部(いちぶ)が失(うしな)われ、空(あ)いた場所(ばしょ)に競争(きょうそう)に弱(よわ)かった別(べつ)の種(しゅ)が入(い)り込(こ)む機会(きかい)が生(う)まれる。

  4. 攪乱(かくらん)がほとんど起(お)こらない場合(ばあい)に種多様性(しゅたようせい)が低(ひく)くなりやすいのはなぜか。

    • ◯ 資源(しげん)の利用(りよう)に優(すぐ)れた一部(いちぶ)の種(しゅ)だけが競争(きょうそう)に勝(か)ち続(つづ)け、他(た)の種(しゅ)を競争的排除(きょうそうてきはいじょ)してしまうため
    • ◯ 攪乱(かくらん)が無(な)いと生態的地位(せいたいてきちい)の数(かず)が増(ふ)え続(つづ)けるため
    • ◯ 攪乱(かくらん)が無(な)いと種間競争(しゅかんきょうそう)そのものが起(お)こらなくなるため
    • ◯ 攪乱(かくらん)が無(な)いと全(すべ)ての種(しゅ)が同時(どうじ)に増(ふ)え続(つづ)けるため

    正解:資源の利用に優れた一部の種だけが競争に勝ち続け、他の種を競争的排除してしまうため
    攪乱(かくらん)がほとんど起(お)こらないと、資源(しげん)の利用(りよう)に優(すぐ)れた一部(いちぶ)の種(しゅ)だけが競争(きょうそう)に勝(か)ち続(つづ)けて他(た)の種(しゅ)を競争的排除(きょうそうてきはいじょ)(新しいタブで開きます)してしまうため。

単元のポイント

  • 攪乱(かくらん) 山(やま)火事(かじ)や台風(たいふう)、人間(にんげん)の活動(かつどう)などによって生物群集(せいぶつぐんしゅう)の構造(こうぞう)が乱(みだ)される出来事(できごと)
  • 中規模攪乱説(ちゅうきぼかくらんせつ) 攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が小(ちい)さすぎても大(おお)きすぎても種多様性(しゅたようせい)は低(ひく)くなり、中程度(ちゅうていど)の攪乱(かくらん)のときに種多様性(しゅたようせい)が最(もっと)も高(たか)くなるという考(かんが)え方(かた)
  • 攪乱(かくらん)と種(しゅ)の入(い)れ替(か)わり 攪乱(かくらん)によって一部(いちぶ)の生物(せいぶつ)が失(うしな)われた場所(ばしょ)に別(べつ)の種(しゅ)が入(はい)り込(こ)み、群集内(ぐんしゅうない)の種(しゅ)の構成(こうせい)が入(い)れ替(か)わること
  • 多様(たよう)な種(しゅ)の共存(きょうぞん) 攪乱(かくらん)によって優占種(ゆうせんしゅ)が入(い)れ替(か)わることで、競争(きょうそう)に弱(よわ)い種(しゅ)も生(い)き残(のこ)る機会(きかい)が生(う)まれること

出典・クレジット

  • 単元の構成:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」(新しいタブで開きます)(政府標準利用規約 2.0)
  • 学習指導要領の該当箇所:高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編 生物 (5)生態と環境 ア(ア)個体群と生物群集・(イ)生態系(新しいタブで開きます)(解説p.142〜145。(5)生態と環境は(ア)個体群と生物群集(㋐個体群:個体群内の相互作用として種内競争と社会性を扱うことを明記。本単元では個体群の成長とロジスティック曲線・密度効果を1ページ、生存曲線と齢構成を1ページ、種内関係(群れ・縄張り・順位制・社会性昆虫の分業)を1ページに分けて扱う。㋑生物群集:個体群間の相互作用として種間競争と相利共生を扱い、多様な種が共存する仕組みを扱うことを明記。本単元では種間関係(種間競争・競争的排除・すみわけ・食いわけ・生態的地位・被食者と捕食者の個体数変動)を1ページ、生物群集の多様性と攪乱(中規模攪乱説)を1ページに分けて扱う)、(イ)生態系(㋐生態系の物質生産と物質循環:物質生産は年間生産量を生産者の現存量と関連付けて扱い、物質循環は炭素と窒素を扱うこと(窒素同化にも触れること)を明記。本単元では物質生産の内訳とエネルギー効率を1ページ、窒素循環を1ページに分けて扱う。炭素循環は中学理科「炭素の循環」(carbon-cycle)で既に扱っているため、本単元では窒素に絞った。㋑生態系と人間生活:人間活動が生態系に及ぼす影響として地球規模のものを中心に扱うことを明記。本単元では窒素循環のページの中で、化学肥料の流入による富栄養化という地球規模の例として扱う)で、7ページの構成はこの項目分けに対応する。個体群・生物群集の基本的な仕組み(生態系には多様な生物種が存在すること、捕食と被食の関係・間接効果、キーストーン種、攪乱とバランス・自然浄化・富栄養化・生物濃縮、生物多様性の保全)は、既存の高校「生物基礎」の生態系の成り立ちと種多様性(ecosystem-structure-and-species-diversity)・食物網と間接効果(food-web-and-indirect-effects)・生態系のバランスと攪乱(ecosystem-balance-and-disturbance)・生物多様性の保全と絶滅(biodiversity-conservation-and-extinction)、および中学理科の生物の数量関係とつり合い(balance-in-ecosystems)・生産者と消費者(producers-and-consumers)・炭素の循環(carbon-cycle)・人間の活動と生態系(human-activity-and-ecosystems)で既に扱っているため、本単元では個体群内のロジスティック曲線・密度効果・生存曲線・齢構成・種内の順位制や分業、個体群間の競争的排除・すみわけ・生態的地位・被食者と捕食者の周期的変動、生物群集の多様性を支える中規模攪乱説、生態系の総生産量・純生産量の内訳とエネルギー効率、窒素固定・窒素同化・硝化・脱窒からなる窒素循環と化学肥料による富栄養化など、生物基礎より1段深い仕組みに絞って扱う。)
  • 事実データ:Wikidata の項目 Q9003976(新しいタブで開きます)(CC0)
  • 文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編」p.142〜145(新しいタブで開きます)
  • 本文:Manazoo 編集部
  • 図(攪乱の規模が小さいときと大きいときに種多様性が低くなり、中規模のときに最も高くなる山型のグラフ):Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図) / 出典(新しいタブで開きます)
  • 図(攪乱を受けた直後の場所と長く手が入っていない場所が入り混じり、それぞれ異なる種が共存するパッチ状の群集を示した図):Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図) / 出典(新しいタブで開きます)
  • 最終確認日:

単元の並びは学習指導要領に沿って作り、年号や人物などの事実は公開データと照らし合わせています。誤りに気づいたら意見箱からお知らせください。確かめて直します。テストや受験の前には、教科書や先生の説明もあわせて確認してください。

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単元のポイント
  • 攪乱(かくらん) 山(やま)火事(かじ)や台風(たいふう)、人間(にんげん)の活動(かつどう)などによって生物群集(せいぶつぐんしゅう)の構造(こうぞう)が乱(みだ)される出来事(できごと)
  • 中規模攪乱説(ちゅうきぼかくらんせつ) 攪乱(かくらん)の規模(きぼ)が小(ちい)さすぎても大(おお)きすぎても種多様性(しゅたようせい)は低(ひく)くなり、中程度(ちゅうていど)の攪乱(かくらん)のときに種多様性(しゅたようせい)が最(もっと)も高(たか)くなるという考(かんが)え方(かた)
  • 攪乱(かくらん)と種(しゅ)の入(い)れ替(か)わり 攪乱(かくらん)によって一部(いちぶ)の生物(せいぶつ)が失(うしな)われた場所(ばしょ)に別(べつ)の種(しゅ)が入(はい)り込(こ)み、群集内(ぐんしゅうない)の種(しゅ)の構成(こうせい)が入(い)れ替(か)わること
  • 多様(たよう)な種(しゅ)の共存(きょうぞん) 攪乱(かくらん)によって優占種(ゆうせんしゅ)が入(い)れ替(か)わることで、競争(きょうそう)に弱(よわ)い種(しゅ)も生(い)き残(のこ)る機会(きかい)が生(う)まれること