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凝固点降下(ぎょうこてんこうか)と分子量(ぶんしりょう)の測定(そくてい)

カメレオン先生冷却曲線(れいきゃくきょくせん)は、いちど下(さ)がりすぎてから上(あ)がる「過冷却(かれいきゃく)」を見分(みわ)けられるかがポイント。上(あ)がりきった後(あと)の変化(へんか)で凝固(ぎょうこ)点(てん)を読(よ)むよ。

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  1. 溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)が溶媒(ようばい)の結晶(けっしょう)格子(こうし)(新しいタブで開きます)に入(い)れないため、溶液(ようえき)の凝固(ぎょうこ)点(てん)は純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)より低(ひく)くなる(凝固点降下(ぎょうこてんこうか))。
  2. 凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)は質量(しつりょう)モル濃度(のうど)(新しいタブで開きます)に比例(ひれい)し、比例定数(ひれいていすう)(モル凝固点降下(ぎょうこてんこうか))は溶媒(ようばい)ごとに決(き)まっている(沸点上昇(ふってんじょうしょう)と同(おな)じ形(かたち)の法則(ほうそく))。
  3. 冷却曲線(れいきゃくきょくせん)では過冷却(かれいきゃく)(凝固(ぎょうこ)点(てん)より下(さ)がってから戻(もど)る動(うご)き)が起(お)こるので、戻(もど)ったあとの傾(かたむ)きから真(しん)の凝固(ぎょうこ)点(てん)を読(よ)み取(と)る。

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詳しく

凝固点降下(ぎょうこてんこうか)とモル凝固点降下(ぎょうこてんこうか)

純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)が凝固(ぎょうこ)するとき、分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)は規則正(きそくただ)しい結晶(けっしょう)格子(こうし)に並(なら)んでいく。溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)が混(ま)ざっていると、その粒子(りゅうし)は結晶(けっしょう)格子(こうし)にそのまま入(い)れないため、溶媒(ようばい)分子(ぶんし)が結晶(けっしょう)になるのを妨(さまた)げる。そのため、溶液(ようえき)は純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)より低(ひく)い温度(おんど)にしないと凝固(ぎょうこ)が始(はじ)まらない。これを凝固点降下(ぎょうこてんこうか)という。

凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)(純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)の凝固(ぎょうこ)点(てん)との差(さ))も、沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)と同(おな)じように質量(しつりょう)モル濃度(のうど)〔mol/kg〕に比例(ひれい)する。この比例定数(ひれいていすう)をモル凝固点降下(ぎょうこてんこうか)(記号(きごう)Kf)といい、溶媒(ようばい)ごとに決(き)まった値(あたい)を持(も)つ。沸点上昇(ふってんじょうしょう)と同(おな)じく、非電解質(ひでんかいしつ)(新しいタブで開きます)であれば溶質(ようしつ)の種類(しゅるい)には関係(かんけい)しない。

凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)は、実際(じっさい)に溶液(ようえき)を冷(ひ)やしていったときの温度(おんど)変化(へんか)を記録(きろく)した冷却曲線(れいきゃくきょくせん)(横(よこ)軸(じく):時間(じかん)、縦(たて)軸(じく):温度(おんど))から読(よ)み取(と)ることができる。

冷却曲線:過冷却の後、溶媒は平らに、溶液は下がり続けるAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):ベンゼンを使(つか)った分子(ぶんし)量(りょう)の測定(そくてい)

不揮発(ふきはつ)性(せい)で電離(でんり)(新しいタブで開きます)しない物質(ぶっしつ)Xを1.20g、ベンゼン100g(0.100kg)に溶(と)かし、冷却曲線(れいきゃくきょくせん)から凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)を測定(そくてい)すると0.512Kだった。ベンゼンのモル凝固点降下(ぎょうこてんこうか)を5.12K・kg/molとして、Xの分子(ぶんし)量(りょう)(新しいタブで開きます)Mを求(もと)める。

質量(しつりょう)モル濃度(のうど)は0.5125.12=0.100\frac{0.512}{5.12}=0.100mol/kgなので、溶(と)かした物質(ぶっしつ)Xの物質(ぶっしつ)量(りょう)は0.100×0.100=0.01000.100\times0.100=0.0100molである。分子(ぶんし)量(りょう)は質量(しつりょう)を物質(ぶっしつ)量(りょう)で割(わ)った1.200.0100=120\frac{1.20}{0.0100}=120だ。

このように、質量(しつりょう)と溶媒(ようばい)の質量(しつりょう)を量(はか)り、冷却曲線(れいきゃくきょくせん)から凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)を読(よ)み取(と)るだけで、溶質(ようしつ)の分子(ぶんし)量(りょう)を実験(じっけん)的(てき)に求(もと)めることができる。この方法(ほうほう)は、純粋(じゅんすい)な物質(ぶっしつ)を取(と)り出(だ)さずに溶液(ようえき)の性質(せいしつ)だけから分子(ぶんし)量(りょう)を決(き)められる点(てん)で便利(べんり)である。

なぜ冷却曲線(れいきゃくきょくせん)で過冷却(かれいきゃく)を見分(みわ)ける必要(ひつよう)があるか

液体(えきたい)を冷(ひ)やしていくと、凝固(ぎょうこ)点(てん)に達(たっ)してもすぐには結晶(けっしょう)ができ始(はじ)めず、いったん凝固(ぎょうこ)点(てん)より低(ひく)い温度(おんど)まで冷(ひ)え続(つづ)けることがある。これを過冷却(かれいきゃく)という。過冷却(かれいきゃく)の状態(じょうたい)で結晶(けっしょう)ができ始(はじ)めると、凝固(ぎょうこ)によって発生(はっせい)する熱(ねつ)(凝固(ぎょうこ)熱(ねつ))で温度(おんど)が急(きゅう)に上(あ)がる。

純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)では、過冷却(かれいきゃく)から温度(おんど)が上(あ)がったあと、すべてが固体(こたい)になるまで温度(おんど)は一定(いってい)に保(たも)たれる(平(たい)らな区間(くかん)になる)。ところが溶液(ようえき)では、凝固(ぎょうこ)が進(すす)むほど残(のこ)った液体(えきたい)の溶質(ようしつ)の濃度(のうど)が高(たか)くなり、凝固(ぎょうこ)点(てん)がさらに下(さ)がっていくため、温度(おんど)はわずかに下(さ)がり続(つづ)ける傾(かたむ)きを持(も)つ。

そのため、溶液(ようえき)の真(しん)の凝固(ぎょうこ)点(てん)を求(もと)めるには、過冷却(かれいきゃく)の底(そこ)やその後(ご)の急(きゅう)な温度(おんど)上昇(じょうしょう)ではなく、温度(おんど)が上(あ)がりきった直後(ちょくご)のなだらかな傾(かたむ)きの部分(ぶぶん)を、冷却(れいきゃく)を始(はじ)めた直線(ちょくせん)の傾(かたむ)きまで逆(ぎゃく)にのばして交(まじ)わる点(てん)を読(よ)み取(と)る必要(ひつよう)がある。

溶質の粒子が結晶格子に入れず、凝固を妨げるAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

確認問題

問題 1 / 4溶液(ようえき)の凝固(ぎょうこ)点(てん)が純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)より低(ひく)くなる理由(りゆう)はどれか。

確認問題(解答用紙)

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https://manazoo.com/science/freezing-point-depression-and-molar-mass-determination/?from=print#quiz

  1. 溶液(ようえき)の凝固(ぎょうこ)点(てん)が純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)より低(ひく)くなる理由(りゆう)はどれか。

    • ◯ 溶液(ようえき)のほうが蒸気圧(じょうきあつ)が高(たか)いため
    • ◯ 溶質(ようしつ)が溶媒(ようばい)分子(ぶんし)を分解(ぶんかい)するため
    • ◯ 溶質(ようしつ)が熱(ねつ)を吸収(きゅうしゅう)して溶液(ようえき)を温(あたた)めるため
    • ◯ 溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)が溶媒(ようばい)の結晶(けっしょう)格子(こうし)に入(い)れず、結晶(けっしょう)になるのを妨(さまた)げるため

    正解:溶質の粒子が溶媒の結晶格子に入れず、結晶になるのを妨げるため
    溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)は溶媒(ようばい)の結晶(けっしょう)格子(こうし)(新しいタブで開きます)にそのまま入(い)れないため、溶媒(ようばい)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)が規則正(きそくただ)しく結晶(けっしょう)になっていくのを妨(さまた)げる。そのため溶液(ようえき)は純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)より低(ひく)い温度(おんど)にしないと凝固(ぎょうこ)が始(はじ)まらない。

  2. 不揮発(ふきはつ)性(せい)で電離(でんり)しない物質(ぶっしつ)X 1.00gをベンゼン200g(0.200kg)に溶(と)かし、凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)0.320Kを測定(そくてい)した。ベンゼンのモル凝固点降下(ぎょうこてんこうか)を5.12K・kg/molとして、Xの分子(ぶんし)量(りょう)を求(もと)めよ。整数(せいすう)で答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:80
    質量(しつりょう)モル濃度(のうど)(新しいタブで開きます)は0.320/5.12=0.0625mol/kg。溶媒(ようばい)0.200kgに溶(と)けた物質(ぶっしつ)量(りょう)は0.0625×0.200=0.0125mol。分子(ぶんし)量(りょう)(新しいタブで開きます)は1.00÷0.0125=80。

  3. 液体(えきたい)を冷(ひ)やしていくとき、凝固(ぎょうこ)点(てん)に達(たっ)してもすぐに結晶(けっしょう)ができ始(はじ)めず、凝固(ぎょうこ)点(てん)より低(ひく)い温度(おんど)まで液体(えきたい)のまま冷(ひ)え続(つづ)ける現象(げんしょう)を何(なん)というか。

    • ◯ 蒸気圧降下(じょうきあつこうか)
    • ◯ 過冷却(かれいきゃく)
    • ◯ 溶解平衡(ようかいへいこう)
    • ◯ 電離(でんり)

    正解:過冷却
    凝固(ぎょうこ)点(てん)に達(たっ)してもすぐに結晶(けっしょう)ができ始(はじ)めず、凝固(ぎょうこ)点(てん)より低(ひく)い温度(おんど)まで液体(えきたい)のまま冷(ひ)え続(つづ)ける現象(げんしょう)を過冷却(かれいきゃく)という。結晶(けっしょう)ができ始(はじ)めると凝固(ぎょうこ)熱(ねつ)で温度(おんど)が急(きゅう)に上(あ)がる。

  4. 溶液(ようえき)の冷却曲線(れいきゃくきょくせん)から真(しん)の凝固(ぎょうこ)点(てん)を読(よ)み取(と)るとき、見(み)るべき部分(ぶぶん)はどれか。

    • ◯ 過冷却(かれいきゃく)で温度(おんど)が最(もっと)も下(さ)がった点(てん)
    • ◯ 冷却(れいきゃく)を始(はじ)めた直後(ちょくご)の温度(おんど)
    • ◯ 温度(おんど)が急(きゅう)に上(あ)がり始(はじ)めた瞬間(しゅんかん)の温度(おんど)
    • ◯ 過冷却後(かれいきゃくご)、温度(おんど)が上(あ)がりきった傾(かたむ)きを冷却(れいきゃく)開始(かいし)の直線(ちょくせん)にのばして交(まじ)わる点(てん)

    正解:過冷却後、温度が上がりきった傾きを冷却開始の直線にのばして交わる点
    溶液(ようえき)では凝固(ぎょうこ)が進(すす)むほど残(のこ)った液体(えきたい)の溶質(ようしつ)濃度(のうど)が上(あ)がり凝固(ぎょうこ)点(てん)が下(さ)がり続(つづ)けるため、過冷却後(かれいきゃくご)に温度(おんど)が上(あ)がりきった直後(ちょくご)のなだらかな傾(かたむ)きを、冷却(れいきゃく)開始時(かいしじ)の直線(ちょくせん)にのばして交(まじ)わる点(てん)を真(しん)の凝固(ぎょうこ)点(てん)とする。

単元のポイント

  • 凝固点降下(ぎょうこてんこうか) 溶質(ようしつ)を溶(と)かした溶液(ようえき)の凝固(ぎょうこ)点(てん)が、純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)の凝固(ぎょうこ)点(てん)より低(ひく)くなること
  • モル凝固点降下(ぎょうこてんこうか) 質量(しつりょう)モル濃度(のうど)1mol/kgあたりの凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)〔K・kg/mol〕。溶媒(ようばい)ごとに決(き)まった値(あたい)を持(も)つ比例定数(ひれいていすう)
  • 過冷却(かれいきゃく) 液体(えきたい)が凝固(ぎょうこ)点(てん)より低(ひく)い温度(おんど)まで、凝固(ぎょうこ)せずに液体(えきたい)のまま冷(ひ)え続(つづ)ける現象(げんしょう)。結晶(けっしょう)が生(しょう)じ始(はじ)めると温度(おんど)が上(あ)がる
  • 冷却曲線(れいきゃくきょくせん)の読(よ)み方(かた) 過冷却(かれいきゃく)の後(のち)に温度(おんど)が上(あ)がりきった直後(ちょくご)の傾(かたむ)きを、冷却(れいきゃく)を始(はじ)めた直線(ちょくせん)にのばして交(まじ)わる点(てん)を凝固(ぎょうこ)点(てん)とする
問題を解く
単元のポイント
  • 凝固点降下(ぎょうこてんこうか) 溶質(ようしつ)を溶(と)かした溶液(ようえき)の凝固(ぎょうこ)点(てん)が、純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)の凝固(ぎょうこ)点(てん)より低(ひく)くなること
  • モル凝固点降下(ぎょうこてんこうか) 質量(しつりょう)モル濃度(のうど)1mol/kgあたりの凝固点降下(ぎょうこてんこうか)度(ど)〔K・kg/mol〕。溶媒(ようばい)ごとに決(き)まった値(あたい)を持(も)つ比例定数(ひれいていすう)
  • 過冷却(かれいきゃく) 液体(えきたい)が凝固(ぎょうこ)点(てん)より低(ひく)い温度(おんど)まで、凝固(ぎょうこ)せずに液体(えきたい)のまま冷(ひ)え続(つづ)ける現象(げんしょう)。結晶(けっしょう)が生(しょう)じ始(はじ)めると温度(おんど)が上(あ)がる
  • 冷却曲線(れいきゃくきょくせん)の読(よ)み方(かた) 過冷却(かれいきゃく)の後(のち)に温度(おんど)が上(あ)がりきった直後(ちょくご)の傾(かたむ)きを、冷却(れいきゃく)を始(はじ)めた直線(ちょくせん)にのばして交(まじ)わる点(てん)を凝固(ぎょうこ)点(てん)とする