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蒸気圧降下(じょうきあつこうか)と沸点上昇(ふってんじょうしょう)

カメレオン先生沸点上昇(ふってんじょうしょう)も凝固点降下(ぎょうこてんこうか)も、溶(と)けている粒子(りゅうし)の数(かず)(モル濃度(のうど)ではなく質量(しつりょう)モル濃度(のうど))だけで決(き)まる。溶質(ようしつ)の種類(しゅるい)は関係(かんけい)ないんだ。

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  1. 不揮発(ふきはつ)性(せい)の溶質(ようしつ)を溶(と)かすと、溶媒(ようばい)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)が表面(ひょうめん)から飛(と)び出(だ)しにくくなり、溶液(ようえき)の蒸気圧(じょうきあつ)(新しいタブで開きます)は純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)より下(さ)がる(蒸気圧降下(じょうきあつこうか))。
  2. 蒸気圧(じょうきあつ)が大気圧(たいきあつ)(新しいタブで開きます)と等(ひと)しくなる温度(おんど)が沸点(ふってん)(新しいタブで開きます)なので、蒸気圧(じょうきあつ)が下(さ)がった溶液(ようえき)は溶媒(ようばい)より高(たか)い温度(おんど)にしないと沸騰(ふっとう)しない(沸点上昇(ふってんじょうしょう))。
  3. 沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)は、溶媒(ようばい)1kgあたりの溶質(ようしつ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)である質量(しつりょう)モル濃度(のうど)に比例(ひれい)し、比例定数(ひれいていすう)(モル沸点上昇(ふってんじょうしょう))は溶媒(ようばい)ごとに決(き)まっている。

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詳しく

蒸気圧降下(じょうきあつこうか)から沸点上昇(ふってんじょうしょう)へ

ショ糖(とう)のように蒸発(じょうはつ)しない(不揮発(ふきはつ)性(せい)の)溶質(ようしつ)を水(みず)に溶(と)かすと、液(えき)面(めん)には溶媒(ようばい)の水分子(みずぶんし)だけでなく溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)も並(なら)ぶため、同(おな)じ温度(おんど)でも気体(きたい)に飛(と)び出(だ)せる水分子(みずぶんし)の割合(わりあい)が減(へ)る。その結果(けっか)、溶液(ようえき)の蒸気圧(じょうきあつ)は同(おな)じ温度(おんど)の純粋(じゅんすい)な水(みず)より低(ひく)くなる。これを蒸気圧降下(じょうきあつこうか)という。

液体(えきたい)は、蒸気圧(じょうきあつ)が外(そと)から加(くわ)わる大気圧(たいきあつ)と等(ひと)しくなる温度(おんど)で沸騰(ふっとう)する。蒸気圧降下(じょうきあつこうか)によって溶液(ようえき)の蒸気圧(じょうきあつ)は低(ひく)いままなので、大気圧(たいきあつ)と等(ひと)しくなるまでには純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)より高(たか)い温度(おんど)が必要(ひつよう)だ。これが沸点上昇(ふってんじょうしょう)である。

沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)(もとの溶媒(ようばい)の沸点(ふってん)との差(さ))は、溶媒(ようばい)1kgあたりに溶(と)けている溶質(ようしつ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)である質量(しつりょう)モル濃度(のうど)〔mol/kg〕に比例(ひれい)する。この比例定数(ひれいていすう)をモル沸点上昇(ふってんじょうしょう)(記号(きごう)Kb)といい、同(おな)じ溶媒(ようばい)ならどんな非電解質(ひでんかいしつ)(新しいタブで開きます)を溶(と)かしても同(おな)じ値(あたい)になる。

蒸気圧降下により溶液の沸点は純粋な溶媒より高くなる(上昇幅は見やすいよう強調。実際の沸点上昇度は例題のとおり1Kに満たない)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):グルコースとNaClの沸点上昇(ふってんじょうしょう)

水(みず)のモル沸点上昇(ふってんじょうしょう)は0.52K・kg/molとする。グルコース(分子(ぶんし)量(りょう)(新しいタブで開きます)180)180gを水(みず)1kg(1000g)に溶(と)かすと、物質(ぶっしつ)量(りょう)は180180=1\frac{180}{180}=1molなので、質量(しつりょう)モル濃度(のうど)は1.0mol/kgになる。沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)は0.52×1.0=0.520.52\times1.0=0.52Kで、沸点(ふってん)は100.52℃だ。

NaCl(電解質(でんかいしつ))0.10molを水(みず)1kgに溶(と)かした場合(ばあい)は注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)である。NaClは水中(すいちゅう)でNa⁺とCl⁻にすべて電離(でんり)(新しいタブで開きます)するため、溶(と)けている粒子(りゅうし)の数(かず)は物質(ぶっしつ)量(りょう)の2倍(ばい)になる。質量(しつりょう)モル濃度(のうど)として扱(あつか)う値(あたい)は0.10×2=0.200.10\times2=0.20mol/kgだ。

この質量(しつりょう)モル濃度(のうど)を使(つか)うと、NaCl水溶液(すいようえき)の沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)は0.52×0.20=0.1040.52\times0.20=0.104Kとなる。同(おな)じ0.10molのグルコースなら電離(でんり)しないのでΔT=0.52×0.10=0.052\Delta T=0.52\times0.10=0.052Kにしかならず、電離(でんり)するNaClのほうが粒子数(りゅうしすう)が多(おお)いので沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)は大(おお)きくなる。

電離する溶質は粒子数が増え、沸点上昇度も大きくなるAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ溶質(ようしつ)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく決(き)まるのか

蒸気圧降下(じょうきあつこうか)の大(おお)きさは、液(えき)面(めん)にある溶媒(ようばい)分子(ぶんし)が溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)にどれだけ置(お)き換(か)えられているかで決(き)まる。これは溶質(ようしつ)が占(し)める粒子(りゅうし)の「個数(こすう)の割合(わりあい)」で決(き)まり、粒子(りゅうし)の種類(しゅるい)(大(おお)きさや重(おも)さ)にはほとんど関係(かんけい)しない。

そのため、沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)や、このあとのページで見(み)る凝固点降下(ぎょうこてんこうか)(新しいタブで開きます)度(ど)・浸透圧(しんとうあつ)(新しいタブで開きます)は、溶(と)けている溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)の数(かず)だけで決(き)まり、溶質(ようしつ)が何(なに)であるかには関係(かんけい)しない。このような性質(せいしつ)を束一性(そくいつせい)(溶液(ようえき)の性質(せいしつ)のうち溶質(ようしつ)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく粒子数(りゅうしすう)だけで決(き)まるもの)という。

ただし、同(おな)じ物質(ぶっしつ)量(りょう)でも電離(でんり)する電解質(でんかいしつ)は粒子(りゅうし)の数(かず)が増(ふ)えるので、質量(しつりょう)モル濃度(のうど)を求(もと)めるときは電離後(でんりご)の粒子(りゅうし)の総数(そうすう)で数(かぞ)える必要(ひつよう)がある。モル沸点上昇(ふってんじょうしょう)Kbの値(あたい)そのものは溶媒(ようばい)だけで決(き)まり、溶質(ようしつ)には関係(かんけい)しない。

確認問題

問題 1 / 4不揮発(ふきはつ)性(せい)の溶質(ようしつ)を溶(と)かした水溶液(すいようえき)の蒸気圧(じょうきあつ)が、同(おな)じ温度(おんど)の純粋(じゅんすい)な水(みず)より低(ひく)くなる理由(りゆう)はどれか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

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https://manazoo.com/science/boiling-point-elevation-and-vapor-pressure-depression/?from=print#quiz

  1. 不揮発(ふきはつ)性(せい)の溶質(ようしつ)を溶(と)かした水溶液(すいようえき)の蒸気圧(じょうきあつ)が、同(おな)じ温度(おんど)の純粋(じゅんすい)な水(みず)より低(ひく)くなる理由(りゆう)はどれか。

    • ◯ 液(えき)面(めん)で溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)が水分子(みずぶんし)の一部(いちぶ)を置(お)き換(か)え、飛(と)び出(だ)せる水分子(みずぶんし)の割合(わりあい)が減(へ)るため
    • ◯ 溶質(ようしつ)が水面(すいめん)に膜(まく)をつくり、熱(ねつ)を伝(つた)えなくするため
    • ◯ 溶質(ようしつ)が水分子(みずぶんし)を分解(ぶんかい)してしまうため
    • ◯ 溶液(ようえき)のほうが温度(おんど)が低(ひく)いため

    正解:液面で溶質の粒子が水分子の一部を置き換え、飛び出せる水分子の割合が減るため
    液(えき)面(めん)には溶媒(ようばい)の水(みず)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)だけでなく溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)も並(なら)ぶため、気体(きたい)に飛(と)び出(だ)せる水分子(みずぶんし)の割合(わりあい)が減(へ)り、蒸気圧(じょうきあつ)(新しいタブで開きます)が純粋(じゅんすい)な水(みず)より低(ひく)くなる。

  2. 水(みず)のモル沸点上昇(ふってんじょうしょう)を0.52K・kg/molとする。グルコース(分子(ぶんし)量(りょう)180)72gを水(みず)800g(0.800kg)に溶(と)かした水溶液(すいようえき)の沸点(ふってん)は何(なん)℃か。小数(しょうすう)第2位(だいにい)まで答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:100.26
    グルコース72gは72/180=0.4molなので、質量(しつりょう)モル濃度(のうど)は0.4/0.800=0.5mol/kg。沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)は0.52×0.5=0.26Kなので、沸点(ふってん)(新しいタブで開きます)は100+0.26=100.26℃。

  3. 同(おな)じ0.10molを水(みず)1kgに溶(と)かしたとき、グルコース(非電解質(ひでんかいしつ))よりNaCl(電解質(でんかいしつ))のほうが沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)が大(おお)きくなる理由(りゆう)はどれか。

    • ◯ NaClはNa⁺とCl⁻に電離(でんり)し、溶(と)けている粒子(りゅうし)の数(かず)が2倍(ばい)になるため
    • ◯ NaClのほうが分子(ぶんし)量(りょう)が大(おお)きいため
    • ◯ NaClは電流(でんりゅう)を流(なが)すため沸点(ふってん)が変(か)わるため
    • ◯ NaClのほうが水(みず)に溶(と)けにくいため

    正解:NaClはNa⁺とCl⁻に電離し、溶けている粒子の数が2倍になるため
    NaClは水中(すいちゅう)でNa⁺とCl⁻にすべて電離(でんり)(新しいタブで開きます)するため、溶(と)けている粒子(りゅうし)の数(かず)は物質(ぶっしつ)量(りょう)の2倍(ばい)になる。沸点上昇(ふってんじょうしょう)度(ど)は粒子(りゅうし)の数(かず)(質量(しつりょう)モル濃度(のうど))で決(き)まるので、NaClのほうが大(おお)きくなる。

  4. 沸点上昇(ふってんじょうしょう)のように、溶質(ようしつ)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく溶(と)けている粒子(りゅうし)の数(かず)だけで決(き)まる溶液(ようえき)の性質(せいしつ)を何(なん)というか。

    • ◯ 束一性(そくいつせい)
    • ◯ 溶解度(ようかいど)
    • ◯ 溶媒和(ようばいわ)
    • ◯ 電離(でんり)度(ど)

    正解:束一性
    沸点上昇(ふってんじょうしょう)・凝固点降下(ぎょうこてんこうか)(新しいタブで開きます)・浸透圧(しんとうあつ)(新しいタブで開きます)のように、溶質(ようしつ)の種類(しゅるい)に関係(かんけい)なく溶(と)けている粒子(りゅうし)の数(かず)だけで決(き)まる性質(せいしつ)を束一性(そくいつせい)という。

単元のポイント

  • 蒸気圧降下(じょうきあつこうか) 不揮発(ふきはつ)性(せい)の溶質(ようしつ)を溶(と)かした溶液(ようえき)の蒸気圧(じょうきあつ)が、同(おな)じ温度(おんど)の純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)の蒸気圧(じょうきあつ)より低(ひく)くなること
  • 沸点上昇(ふってんじょうしょう) 蒸気圧降下(じょうきあつこうか)の結果(けっか)、溶液(ようえき)の沸点(ふってん)が純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)の沸点(ふってん)より高(たか)くなること
  • 質量(しつりょう)モル濃度(のうど) 溶媒(ようばい)1kgに溶(と)けている溶質(ようしつ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)〔mol/kg〕。温度(おんど)で体積(たいせき)が変(か)わっても値(あたい)が変(か)わらないので沸点(ふってん)・凝固(ぎょうこ)点(てん)の計算(けいさん)に使(つか)う
  • 電解質(でんかいしつ)は粒子数(りゅうしすう)が増(ふ)える NaClのように電離(でんり)する溶質(ようしつ)は、イオンの数(かず)だけ粒子(りゅうし)が増(ふ)えるため、同(おな)じ物質(ぶっしつ)量(りょう)でも沸点上昇(ふってんじょうしょう)・凝固点降下(ぎょうこてんこうか)が大(おお)きくなる
問題を解く
単元のポイント
  • 蒸気圧降下(じょうきあつこうか) 不揮発(ふきはつ)性(せい)の溶質(ようしつ)を溶(と)かした溶液(ようえき)の蒸気圧(じょうきあつ)が、同(おな)じ温度(おんど)の純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)の蒸気圧(じょうきあつ)より低(ひく)くなること
  • 沸点上昇(ふってんじょうしょう) 蒸気圧降下(じょうきあつこうか)の結果(けっか)、溶液(ようえき)の沸点(ふってん)が純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)の沸点(ふってん)より高(たか)くなること
  • 質量(しつりょう)モル濃度(のうど) 溶媒(ようばい)1kgに溶(と)けている溶質(ようしつ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)〔mol/kg〕。温度(おんど)で体積(たいせき)が変(か)わっても値(あたい)が変(か)わらないので沸点(ふってん)・凝固(ぎょうこ)点(てん)の計算(けいさん)に使(つか)う
  • 電解質(でんかいしつ)は粒子数(りゅうしすう)が増(ふ)える NaClのように電離(でんり)する溶質(ようしつ)は、イオンの数(かず)だけ粒子(りゅうし)が増(ふ)えるため、同(おな)じ物質(ぶっしつ)量(りょう)でも沸点上昇(ふってんじょうしょう)・凝固点降下(ぎょうこてんこうか)が大(おお)きくなる