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浸透圧(しんとうあつ)とファントホッフの法則(ほうそく)

カメレオン先生浸透圧(しんとうあつ)の式(しき)は、気体(きたい)の状態方程式(じょうたいほうていしき)pV=nRTと同(おな)じ形(かたち)。浸透圧(しんとうあつ)は溶(と)けている粒子(りゅうし)が壁(かべ)にぶつかる圧力(あつりょく)だと考(かんが)えると覚(おぼ)えやすいよ。

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  1. 半透膜(はんとうまく)は溶媒(ようばい)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)だけを通(とお)し、溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)は通(とお)さない。半透膜(はんとうまく)を挟(はさ)むと溶媒(ようばい)が溶液(ようえき)側(がわ)に移(うつ)る浸透(しんとう)が起(お)こる。
  2. 浸透(しんとう)を完全(かんぜん)に止(と)めるのに溶液(ようえき)側(がわ)へ加(くわ)える必要(ひつよう)がある圧力(あつりょく)が浸透圧(しんとうあつ)で、モル濃度(のうど)(新しいタブで開きます)×気体(きたい)定数(ていすう)(新しいタブで開きます)×絶対温度(ぜったいおんど)(新しいタブで開きます)で求(もと)められる(ファントホッフの法則(ほうそく))。
  3. 浸透圧(しんとうあつ)は少(すく)ない物質(ぶっしつ)量(りょう)でも大(おお)きな値(あたい)になるため、分子(ぶんし)量(りょう)(新しいタブで開きます)がとても大(おお)きいタンパク質(しつ)などの分子(ぶんし)量(りょう)測定(そくてい)に向(む)いている。

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詳しく

半透膜(はんとうまく)と浸透圧(しんとうあつ)

セロハン膜(まく)のように、溶媒(ようばい)の小(ちい)さい分子(ぶんし)だけを通(とお)し、溶質(ようしつ)の大(おお)きい粒子(りゅうし)は通(とお)さない膜(まく)を半透膜(はんとうまく)という。半透膜(はんとうまく)で溶液(ようえき)と純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)を仕切(しき)ると、溶媒(ようばい)分子(ぶんし)は半透膜(はんとうまく)を通(とお)って溶液(ようえき)側(がわ)へ移動(いどう)し、溶液(ようえき)側(がわ)の液(えき)面(めん)が高(たか)くなる。この現象(げんしょう)を浸透(しんとう)という。

浸透(しんとう)によって溶液(ようえき)側(がわ)の液(えき)面(めん)が上(あ)がるのを完全(かんぜん)に止(と)めるには、溶液(ようえき)側(がわ)に外(そと)から圧力(あつりょく)を加(くわ)える必要(ひつよう)がある。この、浸透(しんとう)をちょうど止(と)めるのに必要(ひつよう)な圧力(あつりょく)を浸透圧(しんとうあつ)という。

希薄(きはく)溶液(ようえき)の浸透圧(しんとうあつ)は、オランダの化学者(かがくしゃ)ファントホッフが見(み)いだした関係(かんけい)「浸透圧(しんとうあつ)はモル濃度(のうど)〔mol/L〕×気体(きたい)定数(ていすう)×絶対温度(ぜったいおんど)〔K〕」で表(あらわ)され、これをファントホッフの法則(ほうそく)という。気体(きたい)の状態方程式(じょうたいほうていしき)pV=nRTと同(おな)じ形(かたち)をしている。

浸透:溶媒分子だけが半透膜を通って溶液側へ移るAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):浸透圧(しんとうあつ)から分子(ぶんし)量(りょう)を求(もと)める

0.10mol/Lのグルコース水溶液(すいようえき)の27℃(300K)での浸透圧(しんとうあつ)を求(もと)める。気体(きたい)定数(ていすう)を8.3×10³Pa・L/(mol・K)とすると、浸透圧(しんとうあつ)は0.10×8300×300=2.49×1050.10\times8300\times300=2.49\times10^5Pa(モル濃度(のうど)×気体(きたい)定数(ていすう)×絶対温度(ぜったいおんど))となる。

浸透圧(しんとうあつ)は分子(ぶんし)量(りょう)の測定(そくてい)にも使(つか)える。タンパク質(しつ)0.50gを水(みず)に溶(と)かして100mL(0.100L)の溶液(ようえき)にし、27℃で浸透圧(しんとうあつ)を測定(そくてい)すると830Paだった。モル濃度(のうど)はc=8308300×300c=\frac{830}{8300\times300}よりc≒3.33×10−4c\fallingdotseq3.33\times10^{-4}mol/Lとなる。

溶液(ようえき)0.100L中(ちゅう)の物質(ぶっしつ)量(りょう)は3.33×10−4×0.100=3.33×10−53.33\times10^{-4}\times0.100=3.33\times10^{-5}molなので、分子(ぶんし)量(りょう)は0.503.33×10−5=1.5×104\frac{0.50}{3.33\times10^{-5}}=1.5\times10^4と求(もと)まる。タンパク質(しつ)のように分子(ぶんし)量(りょう)が大(おお)きい物質(ぶっしつ)でも、浸透圧(しんとうあつ)なら測定(そくてい)できる。

ファントホッフの法則:浸透圧はモル濃度に比例するAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ分子(ぶんし)量(りょう)の大(おお)きい物質(ぶっしつ)に浸透圧(しんとうあつ)を使(つか)うのか

同(おな)じ質量(しつりょう)の溶質(ようしつ)を溶(と)かしたとき、分子(ぶんし)量(りょう)が大(おお)きいほど物質(ぶっしつ)量(りょう)(モル濃度(のうど))は小(ちい)さくなる。モル濃度(のうど)が小(ちい)さいと、沸点上昇(ふってんじょうしょう)(新しいタブで開きます)度(ど)や凝固点降下(ぎょうこてんこうか)(新しいタブで開きます)度(ど)はKb・Kfが小(ちい)さい値(あたい)(1前後(ぜんご))しかかけ合(あ)わせないため、測定(そくてい)できないほど小(ちい)さくなってしまう。

一方(いっぽう)、浸透圧(しんとうあつ)の式(しき)では、気体(きたい)定数(ていすう)を浸透圧(しんとうあつ)の単位(たんい)(Pa)で表(あらわ)すと数千(すうせん)〜数万(すうまん)という大(おお)きな値(あたい)になる。そのため、モル濃度(のうど)がとても小(ちい)さくても、浸透圧(しんとうあつ)は水銀柱(すいぎんちゅう)の高(たか)さの変化(へんか)などとして測定(そくてい)できる大(おお)きさになる。

この感度(かんど)の高(たか)さから、浸透圧(しんとうあつ)はタンパク質(しつ)や高分子(こうぶんし)化合物(かごうぶつ)のように分子(ぶんし)量(りょう)が数千(すうせん)〜数十(すうじゅう)万(まん)にもなる物質(ぶっしつ)の分子(ぶんし)量(りょう)測定(そくてい)に広(ひろ)く使(つか)われている。

確認問題

問題 1 / 4半透膜(はんとうまく)を挟(はさ)んで溶液(ようえき)と純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)を接(せっ)すると、どのような現象(げんしょう)が起(お)こるか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/osmotic-pressure-and-vant-hoff-law/?from=print#quiz

  1. 半透膜(はんとうまく)を挟(はさ)んで溶液(ようえき)と純粋(じゅんすい)な溶媒(ようばい)を接(せっ)すると、どのような現象(げんしょう)が起(お)こるか。

    • ◯ 溶媒(ようばい)分子(ぶんし)だけが半透膜(はんとうまく)を通(とお)って溶液(ようえき)側(がわ)へ移動(いどう)し、溶液(ようえき)側(がわ)の液(えき)面(めん)が高(たか)くなる
    • ◯ 両方(りょうほう)の液(えき)面(めん)の高(たか)さは変(か)わらない
    • ◯ 溶質(ようしつ)の粒子(りゅうし)だけが半透膜(はんとうまく)を通(とお)って溶媒(ようばい)側(がわ)へ移動(いどう)する
    • ◯ 溶液(ようえき)側(がわ)の液(えき)面(めん)が下(さ)がる

    正解:溶媒分子だけが半透膜を通って溶液側へ移動し、溶液側の液面が高くなる
    半透膜(はんとうまく)は溶媒(ようばい)の小(ちい)さい分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)だけを通(とお)すため、溶媒(ようばい)分子(ぶんし)が半透膜(はんとうまく)を通(とお)って溶液(ようえき)側(がわ)へ移動(いどう)し、溶液(ようえき)側(がわ)の液(えき)面(めん)が高(たか)くなる。この現象(げんしょう)を浸透(しんとう)という。

  2. 0.20mol/Lのグルコース水溶液(すいようえき)の27℃(300K)での浸透圧(しんとうあつ)は何(なん)Paか。気体(きたい)定数(ていすう)を8300Pa・L/(mol・K)として整数(せいすう)で答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:498000
    ファントホッフの法則(ほうそく)(浸透圧(しんとうあつ)はモル濃度(のうど)(新しいタブで開きます)×気体(きたい)定数(ていすう)(新しいタブで開きます)×絶対温度(ぜったいおんど)(新しいタブで開きます))より、0.20×8300×300=498000Pa(4.98×10⁵Pa)。

  3. タンパク質(しつ)1.00gを水(みず)に溶(と)かして100mL(0.100L)の溶液(ようえき)にした。27℃(300K)で浸透圧(しんとうあつ)を測定(そくてい)すると1245Paだった。気体(きたい)定数(ていすう)を8300Pa・L/(mol・K)として、このタンパク質(しつ)の分子(ぶんし)量(りょう)を求(もと)めよ。整数(せいすう)で答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:20000
    モル濃度(のうど)c=1245/(8300×300)。溶液(ようえき)0.100L中(ちゅう)の物質(ぶっしつ)量(りょう)はc×0.100。分子(ぶんし)量(りょう)(新しいタブで開きます)=1.00÷(c×0.100)=20000。

  4. 分子(ぶんし)量(りょう)が数千(すうせん)〜数十(すうじゅう)万(まん)にもなるタンパク質(しつ)などの分子(ぶんし)量(りょう)測定(そくてい)に、凝固点降下(ぎょうこてんこうか)より浸透圧(しんとうあつ)が使(つか)われやすい理由(りゆう)はどれか。

    • ◯ 浸透圧(しんとうあつ)の実験(じっけん)のほうが短時間(たんじかん)でできるため
    • ◯ タンパク質(しつ)は凝固(ぎょうこ)点(てん)を持(も)たないため
    • ◯ 凝固点降下(ぎょうこてんこうか)はタンパク質(しつ)に対(たい)してだけ誤差(ごさ)が出(で)るため
    • ◯ モル濃度(のうど)が小(ちい)さくても、浸透圧(しんとうあつ)の式(しき)はPa単位(たんい)で大(おお)きな値(あたい)になり測定(そくてい)しやすいため

    正解:モル濃度が小さくても、浸透圧の式はPa単位で大きな値になり測定しやすいため
    分子(ぶんし)量(りょう)が大(おお)きいほどモル濃度(のうど)は小(ちい)さくなり、凝固点降下(ぎょうこてんこうか)(新しいタブで開きます)度(ど)はKfが小(ちい)さいため測定(そくてい)できないほど小(ちい)さくなるが、浸透圧(しんとうあつ)の式(しき)はRTの値(あたい)が大(おお)きいため、小(ちい)さいモル濃度(のうど)でも測定(そくてい)できる大(おお)きさの浸透圧(しんとうあつ)になる。

単元のポイント

  • 半透膜(はんとうまく) 溶媒(ようばい)の小(ちい)さい分子(ぶんし)だけを通(とお)し、溶質(ようしつ)の大(おお)きい粒子(りゅうし)は通(とお)さない膜(まく)
  • 浸透(しんとう) 半透膜(はんとうまく)を挟(はさ)んで溶液(ようえき)と溶媒(ようばい)(または濃度(のうど)の違(ちが)う溶液(ようえき))を接(せっ)すると、溶媒(ようばい)分子(ぶんし)が溶液(ようえき)側(がわ)へ移動(いどう)する現象(げんしょう)
  • 浸透圧(しんとうあつ) 浸透(しんとう)による溶媒(ようばい)の移動(いどう)を完全(かんぜん)に止(と)めるのに、溶液(ようえき)側(がわ)に加(くわ)える必要(ひつよう)がある圧力(あつりょく)
  • ファントホッフの法則(ほうそく) 希薄(きはく)溶液(ようえき)の浸透圧(しんとうあつ)は、モル濃度(のうど)・気体(きたい)定数(ていすう)・絶対温度(ぜったいおんど)の積(せき)に等(ひと)しい(気体(きたい)の状態方程式(じょうたいほうていしき)と同(おな)じ形(かたち))という法則(ほうそく)
問題を解く
単元のポイント
  • 半透膜(はんとうまく) 溶媒(ようばい)の小(ちい)さい分子(ぶんし)だけを通(とお)し、溶質(ようしつ)の大(おお)きい粒子(りゅうし)は通(とお)さない膜(まく)
  • 浸透(しんとう) 半透膜(はんとうまく)を挟(はさ)んで溶液(ようえき)と溶媒(ようばい)(または濃度(のうど)の違(ちが)う溶液(ようえき))を接(せっ)すると、溶媒(ようばい)分子(ぶんし)が溶液(ようえき)側(がわ)へ移動(いどう)する現象(げんしょう)
  • 浸透圧(しんとうあつ) 浸透(しんとう)による溶媒(ようばい)の移動(いどう)を完全(かんぜん)に止(と)めるのに、溶液(ようえき)側(がわ)に加(くわ)える必要(ひつよう)がある圧力(あつりょく)
  • ファントホッフの法則(ほうそく) 希薄(きはく)溶液(ようえき)の浸透圧(しんとうあつ)は、モル濃度(のうど)・気体(きたい)定数(ていすう)・絶対温度(ぜったいおんど)の積(せき)に等(ひと)しい(気体(きたい)の状態方程式(じょうたいほうていしき)と同(おな)じ形(かたち))という法則(ほうそく)