
気体の溶解度とヘンリーの法則
カメレオン先生気体がどれだけ溶けるかは、圧力に比例するだけ。倍の圧力なら倍溶ける、と覚えておけば計算できるよ。
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- 温度が一定のとき、一定量の溶媒に溶ける気体の物質量は、その気体の圧力に比例する(ヘンリーの法則)。
- 混合気体では、各成分の気体は自分の分圧(新しいタブで開きます)に比例した量だけ溶け、ほかの気体の分圧には影響されない。
- 気体の溶解度は温度が高いほど小さくなる。これは液体から気体に飛び出す分子(新しいタブで開きます)の熱運動(新しいタブで開きます)が激しくなるため。
詳しく
圧力に比例して溶ける量が決まる
気体は液体の中にも溶け込む。炭酸飲料の中の二酸化炭素(新しいタブで開きます)や、水中の生物が使う酸素は、気体が水に溶けたものである。気体の溶解度は、温度が一定であれば、その気体の圧力に比例する。これをヘンリーの法則という。
ヘンリーの法則は、溶けている気体の物質量〔mol〕でも、その気体を同じ圧力のもとで気体として取り出したときの体積〔L〕でも成り立つ。溶けている物質量で考えるときは、圧力が2倍になれば溶ける物質量も2倍になる、という比例関係だけで計算できる。
混合気体が液体と接しているときは、各成分の気体はそれぞれの分圧に比例した量だけ溶ける。たとえば空気が水に接しているとき、水に溶ける酸素の量は酸素の分圧だけで決まり、窒素の分圧がどうであっても変わらない。
例:圧力を3倍にしたときの溶解量
ある温度で、1.0×10⁵Paの窒素は水1Lに7.0×10⁻⁴mol溶けるとする。同じ温度で、窒素の圧力を3.0×10⁵Paにして水1Lと接触させると、溶ける窒素の物質量はヘンリーの法則より圧力に比例して増える。
圧力が3倍になっているので、溶ける物質量も3倍になり、molとなる。圧力と溶解する物質量は常に比例しているので、表や式を使わずに「何倍になったか」だけで答えが出せるのだ。
水の量を2倍の2Lにした場合は、同じ圧力なら溶ける物質量も2倍になる。圧力と水の量のどちらを変えたときも、もとの溶解度に対する倍率をかけるだけで新しい溶解量が求まる。
なぜ圧力が高いほど溶けるのか
気体の分子は液体の表面に衝突して溶け込み、溶けた分子は再び液体の外へ飛び出していく。圧力が高いほど、単位時間あたりに液面へ衝突する気体分子の数が増えるため、溶け込む分子の数も増える。
衝突の数が増えて溶ける分子が増えると、液体中の気体分子の濃度も高くなり、外へ飛び出す分子の速さもそれにつれて大きくなる。やがて溶け込む速さと飛び出す速さが等しくなった状態が、その圧力での溶解度である。
アンモニアNH₃や塩化水素HClのように水と反応したり電離(新しいタブで開きます)したりする気体は、水中で分子のまま存在する量だけがこの比例関係に従うため、溶ける量全体では圧力に単純には比例しない。ヘンリーの法則は、水と反応しない気体(酸素・窒素・二酸化炭素など)でよく成り立つ。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/henry-law-and-gas-solubility/?from=print#quiz
ヘンリーの法則を正しく説明したものはどれか。
- ◯ 気体の溶解度は圧力や温度に関係なく一定である
- ◯ 温度が一定のとき、気体の溶解度は圧力に反比例する
- ◯ 温度が一定のとき、気体の溶解度はその気体の圧力に比例する
- ◯ 圧力が一定のとき、気体の溶解度は温度に比例して大きくなる
正解:温度が一定のとき、気体の溶解度はその気体の圧力に比例する
ヘンリーの法則は、温度が一定のとき、一定量の溶媒に溶ける気体の物質量(または同じ圧力での体積)が、その気体の圧力に比例するという法則である。ある温度で、1.0×10⁵Paの酸素は水1Lに2.0×10⁻⁴mol溶ける。同じ温度で4.0×10⁵Paの酸素を水1Lと接触させたとき、溶ける酸素は何molか。〔mol〕の値を小数で答えよ(例:0.0021)。
答え:____________
正解:0.0008
ヘンリーの法則より、溶ける物質量は圧力に比例する。圧力が4倍になっているので、溶ける物質量も4倍になり、2.0×10⁻⁴×4=8.0×10⁻⁴molとなる。空気(酸素と窒素の混合気体)が水に接しているとき、水に溶ける酸素の量を決めるものはどれか。
- ◯ 窒素の分圧だけで決まる
- ◯ 空気全体の圧力(酸素と窒素の合計)で決まる
- ◯ 酸素の分圧だけで決まり、窒素の分圧には関係しない
- ◯ 酸素と窒素の分圧の差で決まる
正解:酸素の分圧だけで決まり、窒素の分圧には関係しない
混合気体では、各成分の気体は自分の分圧(新しいタブで開きます)に比例した量だけ溶け、ほかの気体の分圧には影響されない。水に溶ける酸素の量は酸素の分圧だけで決まる。アンモニアNH₃の水への溶解にヘンリーの法則がそのまま当てはまらない理由はどれか。
- ◯ アンモニアは気体ではないため
- ◯ アンモニアは水よりも重いため
- ◯ アンモニアには圧力が関係しないため
- ◯ アンモニアが水と反応し、分子のままでいる量だけが比例関係に従うため
正解:アンモニアが水と反応し、分子のままでいる量だけが比例関係に従うため
アンモニアは水と反応して一部が電離(新しいタブで開きます)するため、水中で分子(新しいタブで開きます)のまま存在する量だけがヘンリーの法則の比例関係に従い、溶ける量全体では圧力に単純には比例しない。
単元のポイント
- ヘンリーの法則 温度が一定のとき、気体の溶解度(物質量)はその気体の圧力に比例するという法則
- 分圧と溶解度 混合気体では、ある成分の溶ける量はその成分の分圧だけで決まり、他の気体の分圧には関係しない
- 溶解度と温度の関係 気体の溶解度は温度が高いほど小さくなる(液体の溶解度とは逆の傾向)
- 反応する気体は当てはまらない アンモニアや塩化水素のように水と反応・電離する気体には、ヘンリーの法則はそのまま当てはまらない