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固体(こたい)の溶解度曲線(ようかいどきょくせん)と結晶水(けっしょうすい)

カメレオン先生水和物(すいわぶつ)が析出(せきしゅつ)するときは、結晶(けっしょう)そのものの質量(しつりょう)だけでなく、結晶(けっしょう)に取(と)られる水(みず)の質量(しつりょう)も忘(わす)れずに引(ひ)こう。

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  1. 溶解度曲線(ようかいどきょくせん)は温度(おんど)と溶解度(ようかいど)(水(みず)100gに溶(と)ける溶質(ようしつ)の最大(さいだい)質量(しつりょう))の関係(かんけい)を表(あらわ)し、冷却(れいきゃく)で溶(と)けきれなくなった分(ぶん)が結晶(けっしょう)として出(で)てくる。
  2. 硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)五(ご)水和物(すいわぶつ)CuSO₄・5H₂Oのように、結晶中(けっしょうちゅう)に結晶水(けっしょうすい)を含(ふく)む物質(ぶっしつ)は、析出(せきしゅつ)すると溶媒(ようばい)の水(みず)も結晶(けっしょう)に取(と)られて減(へ)る。
  3. 析出(せきしゅつ)する結晶(けっしょう)の質量(しつりょう)をxとして、残(のこ)った溶質(ようしつ)と残(のこ)った水(みず)の比(ひ)が低温(ていおん)での溶解度(ようかいど)と等(ひと)しくなる式(しき)を立(た)てて解(と)く。

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詳しく

溶解度曲線(ようかいどきょくせん)から析出(せきしゅつ)量(りょう)を求(もと)める

固体(こたい)の溶解度(ようかいど)は、ある温度(おんど)で水(みず)100gに溶(と)ける溶質(ようしつ)の最大(さいだい)質量(しつりょう)(g)で表(あらわ)され、温度(おんど)ごとの値(あたい)をグラフにしたものが溶解度曲線(ようかいどきょくせん)である。多(おお)くの固体(こたい)は温度(おんど)が高(たか)いほど溶解度(ようかいど)が大(おお)きいため、高温(こうおん)の飽和水溶液(ほうわすいようえき)を冷(ひ)やすと、溶(と)けきれなくなった分(ぶん)だけ結晶(けっしょう)として出(で)てくる。これを利用(りよう)して結晶(けっしょう)を取(と)り出(だ)す操作(そうさ)が再結晶(さいけっしょう)(新しいタブで開きます)である。

析出(せきしゅつ)する結晶(けっしょう)の質量(しつりょう)を求(もと)めるには、冷却後(れいきゃくご)も水溶液(すいようえき)は低温(ていおん)での溶解度(ようかいど)どおりに飽和(ほうわ)していることを使(つか)う。結晶(けっしょう)が無水物(むすいぶつ)(結晶水(けっしょうすい)を含(ふく)まない)であれば、「残(のこ)った溶質(ようしつ)の質量(しつりょう):残(のこ)った水(みず)の質量(しつりょう)=低温(ていおん)の溶解度(ようかいど):100」の比(ひ)の式(しき)を立(た)てればよい。

結晶(けっしょう)が水和物(すいわぶつ)(結晶水(けっしょうすい)を含(ふく)む)の場合(ばあい)は、析出(せきしゅつ)した結晶(けっしょう)の質量(しつりょう)のうち、無水物(むすいぶつ)の部分(ぶぶん)と水(みず)の部分(ぶぶん)をそれぞれ式(しき)量(りょう)(新しいタブで開きます)の比(ひ)から取(と)り出(だ)し、水溶液(すいようえき)側(がわ)から引(ひ)いてから同(おな)じ比(ひ)の式(しき)を立(た)てる必要(ひつよう)がある。

溶解度曲線:冷やすと溶けきれない分が結晶になるAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)五(ご)水和物(すいわぶつ)の析出(せきしゅつ)量(りょう)

硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)CuSO₄の溶解度(ようかいど)を、60℃で水(みず)100gあたり36g、20℃で水(みず)100gあたり25gとする。60℃の水(みず)100gにCuSO₄を36g溶(と)かして飽和水溶液(ほうわすいようえき)(136g)をつくり、20℃まで冷(ひ)やすと、硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)五(ご)水和物(すいわぶつ)CuSO₄・5H₂O(式(しき)量(りょう)250。CuSO₄部分(ぶぶん)の式(しき)量(りょう)160、5H₂Oの部分(ぶぶん)の式(しき)量(りょう)90)の結晶(けっしょう)がx〔g〕析出(せきしゅつ)する。

析出(せきしゅつ)したx〔g〕のうち、CuSO₄として失(うしな)われる質量(しつりょう)は160250×x=0.64x\frac{160}{250} \times x = 0.64x、水(みず)として失(うしな)われる質量(しつりょう)は90250×x=0.36x\frac{90}{250} \times x = 0.36xである。残(のこ)った水溶液(すいようえき)では、CuSO₄が36−0.64x36 - 0.64x、水(みず)が100−0.36x100 - 0.36xとなり、これが20℃の溶解度(ようかいど)の比(ひ)25:100に等(ひと)しい。

式(しき)を解(と)くと(36−0.64x)×100=25×(100−0.36x)(36 - 0.64x) \times 100 = 25 \times (100 - 0.36x)よりx=20x = 20。析出(せきしゅつ)するCuSO₄・5H₂Oの結晶(けっしょう)は20gとわかる。無水物(むすいぶつ)のCuSO₄だけで計算(けいさん)すると水(みず)の分(ぶん)を忘(わす)れて答(こた)えを間違(まちが)えるので、結晶水(けっしょうすい)の質量(しつりょう)を必(かなら)ず差(さ)し引(ひ)くことが大切(たいせつ)である。

結晶水:CuSO₄に5個の水分子が取り込まれるAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ結晶水(けっしょうすい)の分(ぶん)を引(ひ)かなければならないか

溶解度(ようかいど)は「水(みず)100gに溶(と)ける溶質(ようしつ)のg数(すう)」で定義(ていぎ)されているので、冷却後(れいきゃくご)の溶液(ようえき)がどれだけ飽和(ほうわ)しているかを調(しら)べるには、そのときの水溶液(すいようえき)に実際(じっさい)に残(のこ)っている水(みず)の質量(しつりょう)を知(し)る必要(ひつよう)がある。

水和物(すいわぶつ)の結晶(けっしょう)が析出(せきしゅつ)するとき、結晶水(けっしょうすい)として取(と)り込(こ)まれた水(みず)は、もはや溶液中(ようえきちゅう)の溶媒(ようばい)としてはたらいていない。この水(みず)の分(ぶん)を見落(みお)として「もとの水(みず)100gがそのまま残(のこ)っている」として計算(けいさん)すると、残(のこ)った水(みず)の質量(しつりょう)を大(おお)きく見積(みつ)もってしまい、析出(せきしゅつ)量(りょう)を少(すく)なく計算(けいさん)してしまう。

結晶水(けっしょうすい)を含(ふく)む物質(ぶっしつ)の再結晶(さいけっしょう)は、溶質(ようしつ)と溶媒(ようばい)の両方(りょうほう)が結晶(けっしょう)側(がわ)に移(うつ)ることを意識(いしき)して、式(しき)量(りょう)の比(ひ)からそれぞれの移(うつ)った分(ぶん)を取(と)り出(だ)すことが計算(けいさん)の軸(じく)になる。

確認問題

問題 1 / 4固体(こたい)の溶解度(ようかいど)の定義(ていぎ)として正(ただ)しいものはどれか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

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https://manazoo.com/science/solubility-curve-and-water-of-crystallization/?from=print#quiz

  1. 固体(こたい)の溶解度(ようかいど)の定義(ていぎ)として正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ ある温度(おんど)で水(みず)100gに溶(と)ける溶質(ようしつ)の最大(さいだい)質量(しつりょう)(g)
    • ◯ 溶質(ようしつ)と水(みず)を混(ま)ぜたときに発生(はっせい)する熱量(ねつりょう)(J)
    • ◯ ある温度(おんど)で溶質(ようしつ)1gを溶(と)かすのに必要(ひつよう)な水(みず)の質量(しつりょう)(g)
    • ◯ 水(みず)1Lに溶(と)けている溶質(ようしつ)の物質(ぶっしつ)量(りょう)(mol)

    正解:ある温度で水100gに溶ける溶質の最大質量(g)
    固体(こたい)の溶解度(ようかいど)は、ある温度(おんど)で水(みず)100gに溶(と)ける溶質(ようしつ)の最大(さいだい)質量(しつりょう)(g)で表(あらわ)され、温度(おんど)ごとにグラフにしたものが溶解度曲線(ようかいどきょくせん)である。

  2. CuSO₄の溶解度(ようかいど)を100℃で水(みず)100gあたり75g、20℃で水(みず)100gあたり25gとする。100℃の水(みず)44gにCuSO₄を33g溶(と)かした飽和水溶液(ほうわすいようえき)を20℃まで冷(ひ)やすと、CuSO₄・5H₂O(式(しき)量(りょう)250、CuSO₄部分(ぶぶん)の式(しき)量(りょう)160)の結晶(けっしょう)は何(なん)g析出(せきしゅつ)するか。整数(せいすう)で答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:40
    析出(せきしゅつ)量(りょう)をx〔g〕とすると、CuSO₄として失(うしな)われるのが0.64x、水(みず)として失(うしな)われるのが0.36x。残(のこ)ったCuSO₄と水(みず)の比(ひ)が20℃の溶解度(ようかいど)25:100に等(ひと)しいので(33-0.64x):(44-0.36x)=25:100を解(と)くとx=40。

  3. 硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)五(ご)水和物(すいわぶつ)CuSO₄・5H₂Oと、硫酸(りゅうさん)銅(どう)(Ⅱ)の無水物(むすいぶつ)CuSO₄の関係(かんけい)を正(ただ)しく説明(せつめい)したものはどれか。

    • ◯ 五(ご)水和物(すいわぶつ)と無水物(むすいぶつ)はまったく別(べつ)の化合物(かごうぶつ)で、銅(どう)の割合(わりあい)が異(こと)なる
    • ◯ 五(ご)水和物(すいわぶつ)は無水物(むすいぶつ)の結晶(けっしょう)に水分子(みずぶんし)5個(こ)が結晶水(けっしょうすい)として取(と)り込(こ)まれたもの
    • ◯ 五(ご)水和物(すいわぶつ)には銅(どう)が含(ふく)まれていない
    • ◯ 無水物(むすいぶつ)を加熱(かねつ)すると五(ご)水和物(すいわぶつ)になる

    正解:五水和物は無水物の結晶に水分子5個が結晶水として取り込まれたもの
    五(ご)水和物(すいわぶつ)CuSO₄・5H₂Oは、無水物(むすいぶつ)CuSO₄の結晶中(けっしょうちゅう)に水(みず)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)5個(こ)が結晶水(けっしょうすい)として一定(いってい)の割合(わりあい)で取(と)り込(こ)まれたものである。

  4. 水和物(すいわぶつ)の結晶(けっしょう)が析出(せきしゅつ)するときの計算(けいさん)で、結晶水(けっしょうすい)の分(ぶん)の水(みず)を忘(わす)れて「もとの水(みず)の質量(しつりょう)がそのまま残(のこ)る」として計算(けいさん)すると、析出(せきしゅつ)量(りょう)の見積(みつ)もりはどうなるか。

    • ◯ 残(のこ)った水(みず)を少(すく)なく見積(みつ)もるため、析出(せきしゅつ)量(りょう)を多(おお)く計算(けいさん)してしまう
    • ◯ 残(のこ)った水(みず)を多(おお)く見積(みつ)もるため、析出(せきしゅつ)量(りょう)を少(すく)なく計算(けいさん)してしまう
    • ◯ 必(かなら)ず析出(せきしゅつ)量(りょう)がゼロになる
    • ◯ 水(みず)の見積(みつ)もりは析出(せきしゅつ)量(りょう)の計算(けいさん)に影響(えいきょう)しない

    正解:残った水を多く見積もるため、析出量を少なく計算してしまう
    結晶水(けっしょうすい)として水(みず)が結晶(けっしょう)側(がわ)に移(うつ)った分(ぶん)を見落(みお)とすと、溶液中(ようえきちゅう)に残(のこ)る水(みず)の質量(しつりょう)を実際(じっさい)より多(おお)く見積(みつ)もることになり、比(ひ)の式(しき)から求(もと)める析出(せきしゅつ)量(りょう)は少(すく)なく計算(けいさん)されてしまう。

単元のポイント

  • 溶解度曲線(ようかいどきょくせん) 横(よこ)軸(じく)に温度(おんど)、縦(たて)軸(じく)に溶解度(ようかいど)(水(みず)100gに溶(と)ける溶質(ようしつ)の最大(さいだい)質量(しつりょう)g)をとったグラフ
  • 結晶水(けっしょうすい)(水和水(すいわすい)) 結晶(けっしょう)の中(なか)に一定(いってい)の割合(わりあい)で取(と)り込(こ)まれている水(みず)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)。式(しき)に「・5H₂O」のように書(か)く
  • 水和物(すいわぶつ)と無水物(むすいぶつ) 結晶水(けっしょうすい)を含(ふく)む結晶(けっしょう)を水和物(すいわぶつ)、含(ふく)まない結晶(けっしょう)を無水物(むすいぶつ)という。CuSO₄は無水物(むすいぶつ)、CuSO₄・5H₂Oは水和物(すいわぶつ)
  • 析出量(せきしゅつりょう)の立式(りっしき) 析出(せきしゅつ)した結晶(けっしょう)xのうち、無水物(むすいぶつ)の割合(わりあい)とH₂Oの割合(わりあい)をそれぞれ式(しき)量(りょう)から出(だ)し、残(のこ)った溶液(ようえき)で溶解度(ようかいど)の比(ひ)をつくる
問題を解く
単元のポイント
  • 溶解度曲線(ようかいどきょくせん) 横(よこ)軸(じく)に温度(おんど)、縦(たて)軸(じく)に溶解度(ようかいど)(水(みず)100gに溶(と)ける溶質(ようしつ)の最大(さいだい)質量(しつりょう)g)をとったグラフ
  • 結晶水(けっしょうすい)(水和水(すいわすい)) 結晶(けっしょう)の中(なか)に一定(いってい)の割合(わりあい)で取(と)り込(こ)まれている水(みず)分子(ぶんし)(新しいタブで開きます)。式(しき)に「・5H₂O」のように書(か)く
  • 水和物(すいわぶつ)と無水物(むすいぶつ) 結晶水(けっしょうすい)を含(ふく)む結晶(けっしょう)を水和物(すいわぶつ)、含(ふく)まない結晶(けっしょう)を無水物(むすいぶつ)という。CuSO₄は無水物(むすいぶつ)、CuSO₄・5H₂Oは水和物(すいわぶつ)
  • 析出量(せきしゅつりょう)の立式(りっしき) 析出(せきしゅつ)した結晶(けっしょう)xのうち、無水物(むすいぶつ)の割合(わりあい)とH₂Oの割合(わりあい)をそれぞれ式(しき)量(りょう)から出(だ)し、残(のこ)った溶液(ようえき)で溶解度(ようかいど)の比(ひ)をつくる