
混合気体と分圧の法則
カメレオン先生分圧は「その気体だけで同じ容器を占めたと考えたときの圧力」。モル分率をかければ全圧から取り出せるよ。
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- 混合気体の全圧は、各成分気体の分圧(それぞれが単独で同じ体積を占めたときの圧力)の合計に等しい。
- ある成分の分圧は、全圧にその成分のモル分率(物質量の比)をかけて求められる。
- 水上置換で集めた気体には水蒸気が混ざるため、全圧からその温度の飽和水蒸気圧(新しいタブで開きます)を引いて集めたい気体の分圧を求める。
詳しく
分圧の法則とモル分率
2種類以上の気体を同じ容器に入れた混合気体を考える。このとき、各成分の気体が単独でその容器いっぱいに同じ温度で入っていたとしたときの圧力を、その気体の分圧という。混合気体全体の圧力(全圧)は、各成分の分圧の合計に等しい。これを分圧の法則(ドルトンの法則)という。
各成分の分圧は、全圧にその成分のモル分率(混合気体全体の物質量に対する、その成分の物質量の比)をかけることで求められる。たとえば窒素0.30molと酸素0.10molの混合気体で全圧が2.0×10⁵Paなら、酸素のモル分率はなので、酸素の分圧はPaになる。
各成分の気体はそれぞれ単独で状態方程式(新しいタブで開きます)に従うので、全部を足すととなり、全圧は全物質量をそのまま使った状態方程式で求められる。
例:水上置換で集めた気体の分圧
気体を発生させて集めるとき、水の中を通して集気びんに導く水上置換がよく使われる。この方法では、発生させた気体に加えて、その温度での水の飽和水蒸気圧に相当する水蒸気も必ず混ざってしまう。
例題:27℃・大気圧(新しいタブで開きます)1.0×10⁵Paのもとで水上置換により気体を集めたところ、集気びん内の全圧は大気圧と等しい1.0×10⁵Paになった。27℃での水の飽和蒸気圧を3.6×10³Paとすると、集めた気体(水蒸気を除いた分)の分圧は何Paか。
分圧の法則より、全圧=集めた気体の分圧+水蒸気の分圧なので、集めた気体の分圧=9.6×10⁴Paになる。水上置換で物質量を求めるときは、このように水蒸気の分だけ差し引く補正が必要になる。
なぜ水蒸気が増えすぎないのか
水上置換で気体を集め続けると、集気びん内の水蒸気の分圧もしだいに増えていく。しかし、前のページで見たように、水蒸気の分圧はその温度での飽和蒸気圧を超えることができない。
水蒸気の分圧が飽和蒸気圧に達すると、それ以上の水蒸気は気体として増えずに凝縮して水に戻る。つまり、水上置換で集めている気体の体積が増えても、混ざり込む水蒸気の分圧は温度が変わらない限り一定の上限で止まり続けるのだ。
この上限があるおかげで、水蒸気の分だけ差し引けば、同じ温度ならいつも同じ補正値で目的の気体の分圧を求められる。もし飽和蒸気圧に上限がなければ、集めるたびに水蒸気の割合が変わってしまい、補正そのものができなくなる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/mixed-gases-and-partial-pressure/?from=print#quiz
容器に窒素0.30mol、酸素0.15mol、アルゴン0.05molを入れ、全圧を4.0×10⁵Paにした。酸素の分圧は何Paか。
答え:____________
正解:1.2×10⁵
酸素のモル分率は0.15/(0.30+0.15+0.05)=0.30。分圧=全圧×モル分率=4.0×10⁵×0.30=1.2×10⁵Pa。混合気体における、ある成分気体のモル分率の求め方として正しいものはどれか。
- ◯ その成分気体の質量を、混合気体全体の質量で割る
- ◯ その成分気体の物質量を、混合気体全体の物質量で割る
- ◯ その成分気体の分子量を、他の成分の分子量で割る
- ◯ その成分気体の体積を、容器全体の体積で割る必要はなく、圧力だけで決まる
正解:その成分気体の物質量を、混合気体全体の物質量で割る
モル分率は、混合気体全体の物質量に対する、その成分の物質量の比である。質量や分子量(新しいタブで開きます)の比ではない。17℃・大気圧1.0×10⁵Paのもとで水上置換により気体を集めたところ、集気びん内の全圧は大気圧と等しい1.0×10⁵Paになった。17℃での水の飽和蒸気圧を2.0×10³Paとすると、集めた気体(水蒸気を除く)の分圧は何Paか。
答え:____________
正解:9.8×10⁴
全圧=集めた気体の分圧+水蒸気の分圧なので、集めた気体の分圧=1.0×10⁵−2.0×10³=9.8×10⁴Pa(全圧と同じ有効数字(新しいタブで開きます)2桁で示す)。水上置換で気体を集め続け、集気びん内の圧力を上げていくと、ある圧力を超えたあとは気体がそれ以上増えず、液体の水だけが増えていくようになった。この現象が起こる理由として正しいものはどれか。
- ◯ 集気びんの中の温度が自然に下がっていくから
- ◯ 気体の分圧の法則が高い圧力では成り立たなくなるから
- ◯ 集めている気体の分子量が大きくなりすぎたから
- ◯ 水蒸気の分圧がその温度での飽和蒸気圧に達し、それ以上の水蒸気は凝縮して水になるから
正解:水蒸気の分圧がその温度での飽和蒸気圧に達し、それ以上の水蒸気は凝縮して水になるから
水蒸気の分圧は、その温度での飽和蒸気圧(新しいタブで開きます)を超えることができない。達した後はそれ以上の水蒸気が凝縮して水に戻るため、全圧が上がっても水蒸気の分圧は一定のまま、増えた圧力分は液体の水に変わる。
単元のポイント
- 分圧の法則 混合気体の全圧は、各成分気体の分圧の合計に等しい(ドルトンの法則)
- モル分率 混合気体全体の物質量に対する、ある成分の物質量の比。分圧=全圧×モル分率
- 水上置換の補正 集めた気体の全圧から、その温度での水の飽和水蒸気圧を引くと、目的の気体だけの分圧が求まる
- 飽和蒸気圧を超えた場合 水蒸気の分圧が飽和蒸気圧に達すると、それ以上は水蒸気が凝縮して水になり、気体として増えなくなる