本文へ移動

ヘスの法則(ほうそく)とエンタルピー図(ず)

カメレオン先生エンタルピー図(ず)は縦(たて)軸(じく)の高(たか)さがそのまま化学(かがく)エネルギー。差(さ)を目(め)で追(お)えば式(しき)を立(た)てやすい。

30秒でつかむ

  1. ヘスの法則(ほうそく)は、反応(はんのう)熱(ねつ)が反応(はんのう)の経路(けいろ)によらず、反応(はんのう)の前後(ぜんご)の状態(じょうたい)だけで決(き)まるという法則(ほうそく)である。
  2. エンタルピー図(ず)は化学(かがく)エネルギー(新しいタブで開きます)の高(たか)さを縦(たて)軸(じく)にとり、物質(ぶっしつ)を横線(よこせん)で、反応(はんのう)をΔHの矢印(やじるし)でつないで表(あらわ)す。
  3. 測(はか)りにくい反応(はんのう)熱(ねつ)も、別(べつ)の経路(けいろ)のΔHを足(た)し合(あ)わせれば、エンタルピー図(ず)から求(もと)められる。

ChatGPT に解説してもらう(新しいタブで開きます)

詳しく

ヘスの法則(ほうそく)とエンタルピー図(ず)

ヘスの法則(ほうそく)は、反応(はんのう)熱(ねつ)(ΔH\Delta H)が反応(はんのう)の前後(ぜんご)の状態(じょうたい)だけで決(き)まり、どんな経路(けいろ)をたどっても同(おな)じ値(あたい)になるという法則(ほうそく)である。1段階(だんかい)で反応(はんのう)させても、何段階(なんだんかい)かに分(わ)けて反応(はんのう)させても、全体(ぜんたい)のΔH\Delta Hは変(か)わらない。

この関係(かんけい)を表(あらわ)すのがエンタルピー図(ず)だ。縦(たて)軸(じく)に化学(かがく)エネルギーの高(たか)さをとり、物質(ぶっしつ)を横線(よこせん)で、反応(はんのう)を矢印(やじるし)でつなぐ。矢印(やじるし)の長(なが)さが、その反応(はんのう)のΔH\Delta Hの大(おお)きさに対応(たいおう)する。

エンタルピー図(ず)では、同(おな)じ物質(ぶっしつ)からどの経路(けいろ)で進(すす)んでも、到達(とうたつ)する高(たか)さ(化学(かがく)エネルギー)は1つに決(き)まる。これがヘスの法則(ほうそく)をそのまま図(ず)にした姿(すがた)である。

経路が違っても高さの差は同じAsatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例(れい):炭素(たんそ)から二酸化炭素(にさんかたんそ)への2つの経路(けいろ)

炭素(たんそ)(黒鉛(こくえん)(新しいタブで開きます))が二酸化炭素(にさんかたんそ)(新しいタブで開きます)CO₂になる反応(はんのう)には2つの経路(けいろ)がある。1つは直接(ちょくせつ)「C(黒鉛(こくえん))+O₂(気(き))→CO₂(気(き))」とΔH1\Delta H_1=-394kJで進(すす)む経路(けいろ)、もう1つは一酸化(いっさんか)炭素(たんそ)COを経由(けいゆ)する2段階(だんかい)の経路(けいろ)である。

2段階(だんかい)の経路(けいろ)は「C(黒鉛(こくえん))+1/2O₂(気(き))→CO(気(き)) ΔH2\Delta H_2=-111kJ」と「CO(気(き))+1/2O₂(気(き))→CO₂(気(き)) ΔH3\Delta H_3=-283kJ」からなる。エンタルピー図(ず)では、C+O₂を最(もっと)も高(たか)い位置(いち)に、COを中間(ちゅうかん)の高(たか)さに、CO₂を最(もっと)も低(ひく)い位置(いち)に描(えが)く。

2段階(だんかい)の合計(ごうけい)はΔH2\Delta H_2+ΔH3\Delta H_3=-111+(-283)=-394kJとなり、直接(ちょくせつ)の経路(けいろ)のΔH1\Delta H_1と完全(かんぜん)に一致(いっち)する。経路(けいろ)が違(ちが)っても、始点(してん)(C+O₂)と終点(しゅうてん)(CO₂)が同(おな)じなら、合計(ごうけい)のΔH\Delta Hは同(おな)じ値(あたい)になる。

炭素から二酸化炭素への2つの経路Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ経路(けいろ)によらず同(おな)じ値(あたい)になるのか

化学(かがく)エネルギーは、その物質(ぶっしつ)がどういう状態(じょうたい)にあるかだけで決(き)まる量(りょう)で、そこへどうやって到達(とうたつ)したかには関係(かんけい)しない。エンタルピー図(ず)でいえば、各(かく)物質(ぶっしつ)の高(たか)さは1つに決(き)まっている。

したがって、始点(してん)の高(たか)さと終点(しゅうてん)の高(たか)さの差(さ)(=ΔH\Delta H)も、通(とお)った経路(けいろ)に関係(かんけい)なく1つの値(あたい)になる。炭素(たんそ)から二酸化炭素(にさんかたんそ)までの高(たか)さの差(さ)は、直接(ちょくせつ)でも一酸化(いっさんか)炭素(たんそ)を経由(けいゆ)しても同(おな)じだ。

この性質(せいしつ)のおかげで、実験(じっけん)で測(はか)りにくい反応(はんのう)熱(ねつ)も、測(はか)りやすい反応(はんのう)熱(ねつ)をいくつか組(く)み合(あ)わせて計算(けいさん)で求(もと)められる。次(つぎ)のページで確(たし)かめる結合(けつごう)エネルギー(新しいタブで開きます)も、ヘスの法則(ほうそく)の考(かんが)え方(かた)を使(つか)って反応(はんのう)熱(ねつ)と結(むす)びつける。

確認問題

問題 1 / 4ヘスの法則(ほうそく)が述(の)べているのはどれか。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/hess-law-and-enthalpy-diagrams/?from=print#quiz

  1. ヘスの法則(ほうそく)が述(の)べているのはどれか。

    • ◯ 反応(はんのう)熱(ねつ)は反応(はんのう)にかかった時間(じかん)で決(き)まる
    • ◯ 反応(はんのう)熱(ねつ)は触媒(しょくばい)の量(りょう)で決(き)まる
    • ◯ 反応(はんのう)熱(ねつ)は反応(はんのう)の前後(ぜんご)の状態(じょうたい)だけで決(き)まり、経路(けいろ)によらない
    • ◯ 反応(はんのう)熱(ねつ)は常(つね)に正(せい)の値(あたい)である

    正解:反応熱は反応の前後の状態だけで決まり、経路によらない
    ヘスの法則(ほうそく)は、反応(はんのう)熱(ねつ)が反応(はんのう)の前後(ぜんご)の状態(じょうたい)だけで決(き)まり、途中(とちゅう)の経路(けいろ)によらないという法則(ほうそく)である。

  2. S(固体(こたい))→SO₂(気(き))のΔH₂=-297kJ、SO₂(気(き))→SO₃(気(き))のΔH₃=-99kJのとき、S(固体(こたい))→SO₃(気(き))のΔH₁は何(なん)kJか。数字(すうじ)で答(こた)えよ(発熱(はつねつ)はマイナスの数(かず)で)。

    答え:____________

    正解:-396
    2段階(だんかい)のΔHを足(た)すと、ΔH₂+ΔH₃=-297+(-99)=-396kJ。これが直接(ちょくせつ)のΔH₁と一致(いっち)する(ヘスの法則(ほうそく))。

  3. エンタルピー図(ず)で、矢印(やじるし)の長(なが)さが表(あらわ)すものはどれか。

    • ◯ 反応(はんのう)に使(つか)う触媒(しょくばい)の量(りょう)
    • ◯ 反応(はんのう)の活性(かっせい)化(か)エネルギー
    • ◯ 反応(はんのう)にかかる時間(じかん)
    • ◯ その反応(はんのう)のΔHの大(おお)きさ

    正解:その反応のΔHの大きさ
    エンタルピー図(ず)の矢印(やじるし)の長(なが)さは、その反応(はんのう)のΔHの大(おお)きさに対応(たいおう)する。

  4. ヘスの法則(ほうそく)が使(つか)えると、何(なに)ができるようになるか。

    • ◯ 測(はか)りにくい反応(はんのう)熱(ねつ)を、ほかの反応(はんのう)熱(ねつ)の組(く)み合(あ)わせで計算(けいさん)できる
    • ◯ 平衡(へいこう)定数(ていすう)を求(もと)められる
    • ◯ 触媒(しょくばい)の量(りょう)を求(もと)められる
    • ◯ 反応(はんのう)の速(はや)さを求(もと)められる

    正解:測りにくい反応熱を、ほかの反応熱の組み合わせで計算できる
    ヘスの法則(ほうそく)を使(つか)うと、測(はか)りにくい反応(はんのう)熱(ねつ)を、測(はか)りやすい反応(はんのう)熱(ねつ)の組(く)み合(あ)わせから計算(けいさん)で求(もと)められる。

単元のポイント

  • ヘスの法則(ほうそく) 反応(はんのう)熱(ねつ)は反応(はんのう)の前後(ぜんご)の状態(じょうたい)だけで決(き)まり、途中(とちゅう)の経路(けいろ)によらないという法則(ほうそく)
  • エンタルピー図(ず) 化学(かがく)エネルギーの高(たか)さを縦(たて)軸(じく)にとり、物質(ぶっしつ)を横線(よこせん)、反応(はんのう)をΔHの矢印(やじるし)で表(あらわ)した図(ず)
  • 直接(ちょくせつ)経路(けいろ)と間接(かんせつ)経路(けいろ) 同(おな)じ始点(してん)・終点(しゅうてん)をつなぐ経路(けいろ)なら、ΔHの合計(ごうけい)はどちらも同(おな)じ値(あたい)になる
問題を解く
単元のポイント
  • ヘスの法則(ほうそく) 反応(はんのう)熱(ねつ)は反応(はんのう)の前後(ぜんご)の状態(じょうたい)だけで決(き)まり、途中(とちゅう)の経路(けいろ)によらないという法則(ほうそく)
  • エンタルピー図(ず) 化学(かがく)エネルギーの高(たか)さを縦(たて)軸(じく)にとり、物質(ぶっしつ)を横線(よこせん)、反応(はんのう)をΔHの矢印(やじるし)で表(あらわ)した図(ず)
  • 直接(ちょくせつ)経路(けいろ)と間接(かんせつ)経路(けいろ) 同(おな)じ始点(してん)・終点(しゅうてん)をつなぐ経路(けいろ)なら、ΔHの合計(ごうけい)はどちらも同(おな)じ値(あたい)になる