
反応熱の種類
カメレオン先生4つとも『何の1molあたりか』を確認してから数値を使おう。
30秒でつかむ
- 燃焼熱は物質1molが完全燃焼(新しいタブで開きます)するときに放出する熱量で、生成物(新しいタブで開きます)はCO₂(気)とH₂O(液)にそろえる。
- 生成熱は単体(新しいタブで開きます)から化合物1molができるときの熱量、中和熱は酸と塩基(新しいタブで開きます)から水1molができるときの熱量である。
- 溶解熱は物質1molが多量の水に溶けるときの熱量で、発熱の場合も吸熱の場合もある。
詳しく
4つの反応熱の決め方
反応熱は、決まった量の物質が反応するときに発生・吸収する熱量で、ふつう物質1molあたりの値で比べる。何の反応を基準にするかによって、反応熱には4つの代表的な種類がある。
燃焼熱は、物質1molが完全に燃焼して二酸化炭素(新しいタブで開きます)CO₂(気)と水H₂O(液)になるときに放出する熱量。生成熱は、水素や炭素などの単体から化合物1molができるときの熱量である。
中和熱は、酸と塩基が中和して水1molができるときに放出する熱量。溶解熱は、物質1molが多量の水に溶けるときの熱量で、発熱になる物質も吸熱になる物質もある。
例:値を比べる
炭素(黒鉛(新しいタブで開きます))の燃焼熱は394kJ/mol、水素の燃焼熱は286kJ/molだ。これはそれぞれ「C(黒鉛)+O₂(気)→CO₂(気) =-394kJ」「H₂(気)+1/2O₂(気)→H₂O(液) =-286kJ」という反応の反応熱にあたる。
この2つの反応式は、同時にCO₂(気)とH₂O(液)の生成熱(それぞれ394kJ/mol、286kJ/mol)でもある。単体から化合物ができる反応では、燃焼熱と生成熱が同じ値を指すことがある。
塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和熱は56.5kJ/mol、水酸化ナトリウムの溶解熱は44.5kJ/molで、どちらも発熱()。一方、硝酸アンモニウムの溶解熱は25.7kJ/molの吸熱()で、水に溶けると水温が下がる。
なぜ『1molあたり』でそろえるのか
反応熱は反応する物質の量に比例して変わるため、量をそろえないと量が多い反応ほど熱量が大きく見えるだけになり、物質ごとの性質を比べられない。そこで1molあたりの熱量に直して比較する。
燃焼熱や生成熱では、さらに生成物の状態をCO₂(気)・H₂O(液)にそろえることも大切だ。水が気体のままだと蒸発にも熱が使われるため、同じ燃料でも測った熱量の値が変わってしまう。
4つの反応熱はどれも『反応の前後の化学エネルギー(新しいタブで開きます)の差』という同じ考え方で決まる。次のページのヘスの法則では、この反応熱どうしを足し引きして、直接測りにくい反応熱を求める方法を確かめる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/types-of-reaction-heat/?from=print#quiz
物質1molが完全に燃焼してCO₂(気)とH₂O(液)になるときに放出する熱量を何というか。
- ◯ 溶解熱
- ◯ 中和熱
- ◯ 生成熱
- ◯ 燃焼熱
正解:燃焼熱
物質1molが完全燃焼(新しいタブで開きます)してCO₂(気)とH₂O(液)になるときの熱量を燃焼熱という。単体から化合物1molができるときの熱量を何というか。
- ◯ 中和熱
- ◯ 燃焼熱
- ◯ 溶解熱
- ◯ 生成熱
正解:生成熱
単体(新しいタブで開きます)(最も安定な状態)から化合物1molができるときの熱量を生成熱という。プロパンC₃H₈(気)2.0molを完全に燃焼させたとき発生する熱量は何kJか。燃焼熱を2219kJ/molとして数字で答えよ。
答え:____________
正解:4438
1molあたり2219kJなので、2.0molでは2219×2.0=4438kJ。硝酸アンモニウムが水に溶けるときの溶解熱は、発熱と吸熱のどちらか。
- ◯ 吸熱(ΔH>0)
- ◯ 発熱(ΔH<0)
正解:吸熱(ΔH>0)
硝酸アンモニウムの溶解熱は25.7kJ/molの吸熱(ΔH>0)で、水に溶けると水温が下がる。
単元のポイント
- 燃焼熱 物質1molが完全燃焼して二酸化炭素と水になるときに放出する熱量
- 生成熱 単体(最も安定な状態)から化合物1molができるときの熱量
- 中和熱 酸と塩基の中和で水1molができるときに放出する熱量
- 溶解熱 物質1molが多量の水に溶けるときの熱量。発熱も吸熱もある