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質量(しつりょう)欠損(けっそん)と結合(けつごう)エネルギー

カンガルー先生原子核(げんしかく)をばらばらにするには、質量(しつりょう)欠損(けっそん)の分(ぶん)だけエネルギーを外(そと)から与(あた)えないといけない。逆(ぎゃく)に核子(かくし)が集(あつ)まって原子核(げんしかく)になるときは、その分(ぶん)のエネルギーが放出(ほうしゅつ)されるんだ。

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  1. 陽子(ようし)(新しいタブで開きます)・中性子(ちゅうせいし)をばらばらにした質量(しつりょう)の合計(ごうけい)は、実際(じっさい)の原子核(げんしかく)の質量(しつりょう)よりわずかに大(おお)きい。この差(さ)を質量(しつりょう)欠損(けっそん)(新しいタブで開きます)Δmという。
  2. アインシュタインの関係(かんけい)式(しき)E=mc2E=mc^2より、質量(しつりょう)欠損(けっそん)に対応(たいおう)するエネルギーが原子核(げんしかく)の結合(けつごう)エネルギーになる。1uは約(やく)931.5MeVに対応(たいおう)する。
  3. 核子(かくし)1個(こ)あたりの結合(けつごう)エネルギーは、質量数(しつりょうすう)(新しいタブで開きます)56付近(ふきん)の鉄(てつ)で最大(さいだい)になり、それより軽(かる)い・重(おも)い原子核(げんしかく)では小(ちい)さくなる。

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詳しく

質量(しつりょう)欠損(けっそん)と結合(けつごう)エネルギーの関係(かんけい)

陽子(ようし)の質量(しつりょう)をmpm_p、中性子(ちゅうせいし)の質量(しつりょう)をmnm_nとすると、陽子(ようし)Z個(こ)・中性子(ちゅうせいし)(A−Z)個(こ)をばらばらにした質量(しつりょう)の合計(ごうけい)Zmp+(A−Z)mnZm_p+(A-Z)m_nは、実際(じっさい)の原子核(げんしかく)の質量(しつりょう)Mよりわずかに大(おお)きい。この差(さ)Δm=Zmp+(A−Z)mn−M\Delta m=Zm_p+(A-Z)m_n-Mを質量(しつりょう)欠損(けっそん)という。質量(しつりょう)欠損(けっそん)という考(かんが)え方(かた)そのものは物理(ぶつり)基礎(きそ)「核分裂(かくぶんれつ)反応(はんのう)・核(かく)融合(ゆうごう)反応(はんのう)と質量(しつりょう)とエネルギーの等価(とうか)性(せい)」のページで扱(あつか)っている。

この質量(しつりょう)欠損(けっそん)に対応(たいおう)するエネルギーΔE=Δm c2\Delta E=\Delta m\,c^2が、原子核(げんしかく)を核子(かくし)1個(こ)ずつにばらばらにするのに外(そと)から与(あた)えなければならないエネルギー、つまり結合(けつごう)エネルギーになる。1u≒931.5MeVなので、質量(しつりょう)欠損(けっそん)をuで求(もと)めればΔE[MeV]=Δm[u]×931.5\Delta E[\mathrm{MeV}]=\Delta m[\mathrm{u}]\times931.5で結合(けつごう)エネルギーが計算(けいさん)できる。

例題(れいだい):ヘリウム4の結合(けつごう)エネルギー

例題(れいだい):陽子(ようし)の質量(しつりょう)1.00728u、中性子(ちゅうせいし)の質量(しつりょう)1.00867u、ヘリウム4の原子核(げんしかく)の質量(しつりょう)4.00150uとする。ばらばらにした質量(しつりょう)の合計(ごうけい)は2×1.00728+2×1.00867=4.031902\times1.00728+2\times1.00867=4.03190u。質量(しつりょう)欠損(けっそん)はΔm=4.03190−4.00150=0.03040\Delta m=4.03190-4.00150=0.03040u。

結合(けつごう)エネルギーはΔE=0.03040×931.5≈28.3\Delta E=0.03040\times931.5\approx28.3MeV。核子(かくし)4個(こ)でできているので、核子(かくし)1個(こ)あたりの結合(けつごう)エネルギーは28.3÷4≈7.128.3\div4\approx7.1MeV。

この核子(かくし)1個(こ)あたりの結合(けつごう)エネルギーを質量数(しつりょうすう)Aについてグラフにすると、鉄(てつ)56(A=56)の付近(ふきん)で最大(さいだい)(約(やく)8.8MeV)になり、ヘリウム4のような軽(かる)い原子核(げんしかく)やウラン235のような重(おも)い原子核(げんしかく)ではこれより小(ちい)さくなる。

核子1個あたりの結合エネルギーと質量数の関係Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ鉄(てつ)の付近(ふきん)で結合(けつごう)エネルギーが最大(さいだい)になるのか

核子(かくし)1個(こ)あたりの結合(けつごう)エネルギーが大(おお)きいほど、その原子核(げんしかく)はばらばらの核子(かくし)より安定(あんてい)(エネルギーが低(ひく)い)といえる。軽(かる)い原子核(げんしかく)では核力(かくりょく)で結(むす)びつく隣接(りんせつ)する核子(かくし)の割合(わりあい)が少(すく)なく、重(おも)い原子核(げんしかく)では核力(かくりょく)の届(とど)く範囲(はんい)を超(こ)えてクーロン力(りょく)(新しいタブで開きます)による反発(はんぱつ)が効(き)いてくるため、どちらも結合(けつごう)エネルギーが鉄(てつ)の付近(ふきん)より小(ちい)さくなる。

だから、軽(かる)い原子核(げんしかく)を融合(ゆうごう)させて鉄(てつ)に近(ちか)づける(核(かく)融合(ゆうごう))か、重(おも)い原子核(げんしかく)を分裂(ぶんれつ)させて鉄(てつ)に近(ちか)づける(核分裂(かくぶんれつ)(新しいタブで開きます))かのどちらでも、核子(かくし)1個(こ)あたりの結合(けつごう)エネルギーが増(ふ)える方向(ほうこう)に変化(へんか)し、その増(ふ)えた分(ぶん)がエネルギーとして放出(ほうしゅつ)される。核(かく)反応(はんのう)で取(と)り出(だ)せるエネルギーの計算(けいさん)は「核(かく)反応(はんのう)とエネルギー」のページで扱(あつか)う。

確認問題

問題 1 / 3陽子(ようし)の質量(しつりょう)を1.00728u、中性子(ちゅうせいし)の質量(しつりょう)を1.00867u、重水素(じゅうすいそ)(12H{}_1^2\mathrm{H})の原子核(げんしかく)の質量(しつりょう)を2.01355uとする。重水素(じゅうすいそ)の質量(しつりょう)欠損(けっそん)は何(なん)uか。小数(しょうすう)第5位(だいごい)まで答(こた)えよ。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/mass-defect-and-binding-energy/?from=print#quiz

  1. 陽子(ようし)の質量(しつりょう)を1.00728u、中性子(ちゅうせいし)の質量(しつりょう)を1.00867u、重水素(じゅうすいそ)(12H{}_1^2\mathrm{H})の原子核(げんしかく)の質量(しつりょう)を2.01355uとする。重水素(じゅうすいそ)の質量(しつりょう)欠損(けっそん)は何(なん)uか。小数(しょうすう)第5位(だいごい)まで答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:0.00240
    ばらばらにした質量(しつりょう)の合計(ごうけい)は1.00728+1.00867=2.01595u。質量(しつりょう)欠損(けっそん)(新しいタブで開きます)はΔm=2.01595−2.01355=0.00240u。

  2. 核子(かくし)1個(こ)あたりの結合(けつごう)エネルギーが最大(さいだい)になるのは、質量数(しつりょうすう)がどのあたりの原子核(げんしかく)か。

    • ◯ ウラン(質量数(しつりょうすう)235)付近(ふきん)
    • ◯ 鉄(てつ)(質量数(しつりょうすう)56)付近(ふきん)
    • ◯ 質量数(しつりょうすう)が大(おお)きいほど単調(たんちょう)に大(おお)きくなる
    • ◯ ヘリウム(質量数(しつりょうすう)4)付近(ふきん)

    正解:鉄(質量数56)付近
    核子(かくし)1個(こ)あたりの結合(けつごう)エネルギーは質量数(しつりょうすう)(新しいタブで開きます)56付近(ふきん)(鉄(てつ))で最大(さいだい)になり、それより軽(かる)い原子核(げんしかく)・重(おも)い原子核(げんしかく)のどちらでも小(ちい)さくなる。

  3. 質量(しつりょう)欠損(けっそん)0.020uに対応(たいおう)する結合(けつごう)エネルギーは何(なん)MeVか。1u≒931.5MeVとして、小数(しょうすう)第1位(だいいちい)まで答(こた)えよ。

    答え:____________

    正解:18.6
    ΔE=Δm×931.5=0.020×931.5=18.63MeVで、約(やく)18.6MeV。

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