
運動量と力積
カンガルー先生運動量はmv、力積はFΔt。打ち返すと速度の向きが変わるから、正の向きを決めてから引き算しよう。
30秒でつかむ
- 質量mの物体が速度(新しいタブで開きます)vで動くとき、mvを運動量という。単位はkg·m/sで、速度と同じ向きをもつベクトルである。
- 力Fが時間Δtのあいだ働くとき、FΔtを力積という。単位はN·sで、物体の運動量の変化は、その間に受けた力積に等しい。
- 力が時間とともに変わるときは、F-tグラフとt軸で囲まれた面積が力積になる。面積を時間で割ると平均の力が求まる。
詳しく
運動量と力積の関係
質量の物体が速度で動いているとき、を運動量という。単位はkg·m/sで、運動量は速度と同じ向きをもつベクトルとして扱う。
物体に力が時間のあいだ働いたとき、を力積という。単位はN·s(kg·m/sと同じ)で、力積は力と同じ向きをもつ。
運動方程式(新しいタブで開きます)にを入れ、両辺にをかけるとが得られる。運動量の変化は、その間に受けた力積に等しい。これを運動量と力積の関係という。
一直線上の運動では、向きを正負の符号で表す。はじめに動いていた向きを正にとると、逆向きにはね返った後の速度は負の値になる。
例題:打ち返したボールとF-tグラフ
例題1:質量0.15kgのボールが右向きに40m/sで飛んできて、バットで打ち返され、左向きに50m/sで飛んでいった。右向きを正とすると、運動量の変化はkg·m/s。ボールが受けた力積は左向きに13.5N·sとなる。
バットとボールが触れていた時間が0.010sなら、ボールが受けた平均の力はNで、向きは左向きになる。
例題2:力が時間とともに変わるとき、力積はF-tグラフ(力と時間のグラフ)とt軸で囲まれた面積で表される。静止していた質量0.20kgのボールに、0.020sの間に0から最大600Nまで増えてまた0に戻る力(グラフは三角形)が働いた。力積はN·sなので、打ち出された速さは30m/s。
このときの平均の力は、三角形と同じ面積をもつ長方形の高さにあたり、Nと求められる。
なぜクッションで衝撃がやわらぐのか
動いている物体を止めるとき、運動量の変化は止め方によらず同じになる。必要な力積が同じなら、力が働く時間を長くするほど、平均の力は小さくて済む。
自動車のエアバッグや、ボールを受けるときに手を後ろへ引く動作は、ぶつかっている時間を長くして、体が受ける力を小さくするくふうである。
反対に、バットやラケットで強く打ち返したいときは、短い時間に大きな力を加える。打ち返すと速度の向きが逆になるので、その場で止めるときより運動量の変化が大きく、必要な力積も大きい。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/impulse-and-change-in-momentum/?from=print#quiz
質量0.20kgのボールが右向きに20m/sで壁にぶつかり、左向きに15m/sではね返った。ボールが壁から受けた力積の大きさは何N·sか。
答え:____________
正解:7.0
右向きを正とすると、運動量の変化は0.20×(−15)−0.20×20=−7.0kg·m/s。力積は左向きに7.0N·s。はね返ると速度(新しいタブで開きます)の向きが逆になるので、速さを足し合わせる形になる。静止していた質量0.50kgのボールをけったところ、足が触れていた0.040sの間に速さが12m/sになった。ボールが受けた平均の力の大きさは何Nか。
答え:____________
正解:150
運動量の変化は0.50×12−0=6.0kg·m/sで、これが力積FΔtに等しい。F=6.0÷0.040=150N。静止していた質量0.25kgの物体に、0.050sの間に0から最大400Nまで増えてまた0に戻る力が働いた。F-tグラフは三角形になる。力を受けた後の物体の速さは何m/sか。
答え:____________
正解:40
力積はF-tグラフの三角形の面積で、½×400×0.050=10N·s。静止から動き出したので、0.25×v=10より v=40m/s。エアバッグが、衝突したときに体が受ける衝撃をやわらげる理由として正しいものはどれか。
- ◯ 体の速度の向きを変えずに速くするから
- ◯ 体の質量を小さくするから
- ◯ 力積は同じでも、力が働く時間を長くするから
- ◯ 体が受ける力積を0にするから
正解:力積は同じでも、力が働く時間を長くするから
止まるまでの運動量の変化(=力積FΔt)は止め方によらず同じ。力が働く時間Δtを長くすれば、平均の力Fは小さくなる。
単元のポイント
- 運動量 p=mv(単位 kg·m/s・速度と同じ向き)
- 力積 FΔt(単位 N·s・力と同じ向き)
- 運動量と力積の関係 mv'−mv=FΔt
- F-tグラフ 囲まれた面積=力積