イオンの生成とイオン結合
カメレオン先生原子が電子を手放すか受け取るかは、貴ガスと同じ安定な電子配置に近づけるかどうかで決まるよ。
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- 原子は最外殻の電子を失ったり受け取ったりして、貴ガスと同じ安定な電子配置(新しいタブで開きます)になろうとする。できるのが陽イオン(新しいタブで開きます)と陰イオン。
- 複数の原子が集まって全体で電気を帯びた多原子イオンもある。OH⁻やNH₄⁺、SO₄²⁻などが代表例。
- 陽イオンと陰イオンが静電気的な引力で結びつく結合をイオン結合という。電気の量が大きいほど、距離が近いほど強く結びつく。
詳しく
電子配置とイオンの生成
原子は、電子の数と並び方(電子配置)が原子番号(新しいタブで開きます)の近い貴ガス(ヘリウムやネオン、アルゴンなど)と同じになると、とても安定になる。この並びに近づくために、原子は最外殻の電子を失ったり、反対に電子を受け取ったりする。
電子を失った原子は、プラスの電気を帯びた陽イオンになる。ナトリウム原子は最外殻の電子を1個失うと、ネオンと同じ電子配置になって安定するため、ナトリウムイオンNa⁺になりやすい。反対に電子を受け取った原子は、マイナスの電気を帯びた陰イオンになる。塩素原子は最外殻に電子を1個受け取ると、アルゴンと同じ電子配置になるため、塩化物イオンCl⁻になりやすい。
1個の原子からできるイオンのほかに、複数の原子が集まって全体として電気を帯びた多原子イオンもある。水酸化物イオン(新しいタブで開きます)OH⁻、アンモニウムイオンNH₄⁺、硫酸イオンSO₄²⁻、炭酸イオンCO₃²⁻などが代表例で、イオンの中の原子どうしは共有結合(新しいタブで開きます)で結びついている。
例:塩化ナトリウムができるまで
ナトリウム原子Naと塩素原子Clが出会うと、ナトリウム原子は最外殻の電子1個を塩素原子に渡す。電子を渡したナトリウム原子はNa⁺になり、受け取った塩素原子はCl⁻になる。
できたNa⁺とCl⁻は、プラスとマイナスの電気で互いに引き合う。この静電気的な引力による結合をイオン結合という。塩化ナトリウムの結晶の中では、Na⁺とCl⁻が交互に規則正しく並び、1個のイオンが、まわりにある反対の電気を帯びた複数のイオンと同時に引き合っている。
酸化カルシウムCaOは、電気の量がどちらも2のCa²⁺とO²⁻が結びついてできている。電気の量が大きいイオンどうしほど、引き合う力が強くなる。
なぜ電子をやりとりするのか
原子が電子を失ったり受け取ったりするのは、貴ガスと同じ安定な電子配置に近づくほうが、原子として落ち着いた状態になるからだ。最外殻の電子の数が貴ガスに近い原子ほど、少ない電子の出入りで安定になれるため、イオンになりやすい。
ナトリウムのように最外殻の電子が1個だけの原子は、その1個を失えば安定になるので陽イオンになりやすい。塩素のように最外殻の電子が7個で、貴ガスより1個だけ少ない原子は、1個を受け取れば安定になるので陰イオンになりやすい。
こうしてできた陽イオンと陰イオンは、電気の性質が逆なので強く引き合う。この引力がイオン結合であり、次のページで見る組成式(新しいタブで開きます)やイオン結晶の性質のもとになっている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/ion-formation-and-ionic-bond/?from=print#quiz
ナトリウム原子が陽イオンになるとき、最外殻の電子を1個失うのはなぜか。
- ◯ ナトリウムには中性子が無いから
- ◯ 電子を失うと原子の質量が重くなるから
- ◯ 原子核の陽子が1個減るから
- ◯ 電子を1個失うとネオンと同じ安定な電子配置になるから
正解:電子を1個失うとネオンと同じ安定な電子配置になるから
ナトリウム原子は最外殻の電子を1個失うと、ネオンと同じ安定な電子配置(新しいタブで開きます)になるため、ナトリウムイオン(新しいタブで開きます)Na⁺になりやすい。次のうち、複数の原子が集まってできた多原子イオンはどれか。
- ◯ Na⁺
- ◯ Cl⁻
- ◯ Mg²⁺
- ◯ OH⁻
正解:OH⁻
OH⁻(水酸化物イオン(新しいタブで開きます))は酸素(新しいタブで開きます)原子と水素(新しいタブで開きます)原子が共有結合(新しいタブで開きます)で結びつき、全体として電気を帯びた多原子イオン。Na⁺・Cl⁻・Mg²⁺は1個の原子からできたイオンである。イオン結合は、どのような力による結合か。
- ◯ 自由電子が金属イオンをつなぐ力
- ◯ 分子どうしが引き合う弱い力
- ◯ 陽イオンと陰イオンの静電気的な引力
- ◯ 原子どうしが電子を共有する力
正解:陽イオンと陰イオンの静電気的な引力
イオン結合は、プラスの電気を帯びた陽イオンとマイナスの電気を帯びた陰イオンが、静電気的な引力で引き合う結合である。塩素原子が陰イオンになるとき、最外殻の電子を1個受け取るのはなぜか。
- ◯ 塩素原子には陽子が無いから
- ◯ 塩素は貴ガスだから
- ◯ 電子を受け取ると原子核が壊れるから
- ◯ 電子を1個受け取るとアルゴンと同じ安定な電子配置になるから
正解:電子を1個受け取るとアルゴンと同じ安定な電子配置になるから
塩素原子は最外殻に電子を1個受け取ると、アルゴンと同じ安定な電子配置になるため、塩化物イオンCl⁻になりやすい。
単元のポイント
- 陽イオンになりやすい原子 最外殻の電子が少ない原子(ナトリウムなど)は、電子を失うほうが安定な電子配置に近づく
- 陰イオンになりやすい原子 最外殻の電子が多い原子(塩素など)は、電子を受け取るほうが安定な電子配置に近づく
- 多原子イオン 複数の原子がまとまって1つの電気を帯びた粒子になったもの。OH⁻・NH₄⁺・SO₄²⁻・CO₃²⁻など
- イオン結合 陽イオンと陰イオンのあいだに働く静電気的な引力による結合