分子と共有結合
カメレオン先生共有結合は電子を出し合う結合。電子式は電子の配置、構造式は結合を1本の線で表す書き方だよ。
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- 原子どうしが互いに最外殻の電子を出し合い、共有電子対を作る結合が共有結合。できた粒子を分子(新しいタブで開きます)という。
- 電子式は原子のまわりの電子を点で表し、構造式は共有電子対1組を1本の線(価標)で表す。
- 一方の原子だけが電子対を出し、もう一方が受け取る共有結合を配位結合という。NH₄⁺の4本のN–H結合のうち1本がその例。
詳しく
共有結合と電子式・構造式
原子どうしが最外殻の電子を出し合い、2個の電子の組(共有電子対)を作って結びつく結合を共有結合という。共有結合でできた粒子を分子という。原子はこの共有によって、貴ガスと同じ安定な電子配置(新しいタブで開きます)になる。
原子のまわりの最外殻電子を点で書き、共有電子対と、結合に使われていない非共有電子対(孤立電子対)を区別して示した化学式(新しいタブで開きます)を電子式という。共有電子対1組を1本の線(価標)に置きかえ、原子どうしのつながりだけを示した化学式を構造式という。
分子を作る原子の種類と数を示す式を分子式という。例えば水はH₂O、メタンはCH₄と書く。分子式だけでは原子のつながり方がわからないため、構造式を使ってどの原子とどの原子が結びついているかを示す。
例:水素分子と配位結合
水素(新しいタブで開きます)原子Hは最外殻の電子が1個。2個の水素原子が電子を1個ずつ出し合って共有電子対を作ると、水素分子H₂ができる。電子式ではH:H、構造式ではH−Hと書く。共有電子対を作ったことで、それぞれの水素原子はヘリウムと同じ安定な電子配置になる。
水分子H₂Oでは、酸素(新しいタブで開きます)原子が2本の共有結合で2個の水素原子と結びつき、酸素原子には結合に使われていない非共有電子対が2組残る。構造式はH−O−Hと書く。構造式は原子のつながりだけを表すので、実際の水分子が折れ曲がった形をしていることまでは示さない。
アンモニア(新しいタブで開きます)分子NH₃の窒素原子には非共有電子対が1組ある。この非共有電子対を水素イオン(新しいタブで開きます)H⁺にそのまま提供すると、アンモニウムイオン(新しいタブで開きます)NH₄⁺ができる。この結合では窒素原子だけが電子対を出しているので配位結合というが、できあがった4本のN−H結合はどれも同じで、区別できない。
なぜイオン結合と違うのか
イオン結合(新しいタブで開きます)は、一方の原子が電子を完全に失い、もう一方が受け取って、できた陽イオンと陰イオンが引き合う結合だった。これに対して共有結合は、どちらの原子も電子を手放さず、2個の電子を共有し合う点が大きく違う。
電子を出し合うだけなので、共有結合でできた分子は電気を帯びず、イオン結合のような結晶全体に広がる引力を持たない。そのため分子からできた物質は、分子どうしの結びつきが弱く、融点(新しいタブで開きます)や沸点が低いものが多い(次のページでくわしく見る)。
配位結合は電子の出し方が普通の共有結合とは違うが、できた結合そのものは変わらない。メタンCH₄やエチレンC₂H₄のような有機化合物も、炭素原子と水素原子が共有結合で結びついてできている。メタンは都市ガスの主成分として使われる。
エチレンのような小さな分子を共有結合で次々につなげると、ポリエチレンのように分子量(新しいタブで開きます)の大きい高分子化合物ができる。レジ袋などに使われるポリエチレンや、ペットボトルの原料になるポリエチレンテレフタラート(PET)は、どちらも小さな分子が鎖のようにつながった構造を持つ。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/molecule-and-covalent-bond/?from=print#quiz
共有結合は、どのようにしてできる結合か。
- ◯ 一方の原子が電子を完全に失い、もう一方が受け取る
- ◯ 原子どうしが電子を出し合って共有電子対を作る
- ◯ 自由電子が金属イオンを結びつける
- ◯ 分子どうしが弱い力で引き合う
正解:原子どうしが電子を出し合って共有電子対を作る
共有結合は、原子どうしが最外殻の電子を出し合い、共有電子対を作ってできる結合である。アンモニウムイオンNH₄⁺ができるとき、配位結合はどのようにしてできるか。
- ◯ 水素イオンが電子を1個失う
- ◯ 窒素原子の非共有電子対を水素イオンにそのまま提供する
- ◯ 窒素原子と水素原子が電子を半分ずつ出し合う
- ◯ 窒素原子が陰イオンになる
正解:窒素原子の非共有電子対を水素イオンにそのまま提供する
アンモニア(新しいタブで開きます)分子(新しいタブで開きます)の窒素原子にある非共有電子対を水素イオン(新しいタブで開きます)H⁺にそのまま提供してできる結合を配位結合という。できた結合は他のN−H結合と区別できない。水分子H₂Oの構造式はどれか。
- ◯ H−H−O
- ◯ H−O−H
- ◯ H=O=H
- ◯ O−H−H(Oが端)
正解:H−O−H
水分子は酸素(新しいタブで開きます)原子が中心になり、2本の共有結合でそれぞれ水素(新しいタブで開きます)原子と結びつくので、構造式はH−O−Hと書く。共有結合がイオン結合と大きく違う点は何か。
- ◯ 原子核の中性子が増える
- ◯ 電子を完全に手放さず、2個の電子を共有し合う
- ◯ 必ず陽イオンと陰イオンができる
- ◯ 結合する原子の数が常に2個に限られる
正解:電子を完全に手放さず、2個の電子を共有し合う
イオン結合(新しいタブで開きます)は電子の受け渡しで陽イオン(新しいタブで開きます)と陰イオンができて引き合う結合だが、共有結合はどちらの原子も電子を手放さず、2個の電子を共有し合う点が大きく違う。
単元のポイント
- 共有結合 原子どうしが最外殻の電子を出し合い、共有電子対を作る結合
- 電子式 原子のまわりの電子を点で表し、共有電子対と非共有電子対(孤立電子対)がわかる書き方
- 構造式 共有電子対1組を1本の線(価標)で表し、分子内の原子のつながりを示す書き方
- 配位結合 一方の原子だけが電子対を出し、もう一方が受け取ってできる共有結合。できた結合は普通の共有結合と区別できない