組成式とイオン結晶の性質
カメレオン先生組成式は陽イオンと陰イオンの電気の量の合計が0になる比で書く。イオン結晶は融かすか水に溶かせば電気を通すよ。
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- イオン結合(新しいタブで開きます)でできた物質は、陽イオン(新しいタブで開きます)と陰イオンの電気の量の合計が0になる、最も簡単な整数の比で組成式に表す。
- 陽イオンを先に、陰イオンをあとに書く。数が2個以上の多原子イオンはかっこでくくって個数を右下に書く。
- イオン結晶は融点(新しいタブで開きます)・沸点が高く硬いが割れやすい。水に溶けやすいものが多く、固体は電気を通さないが、融かすか水に溶かすと電気を通す。
詳しく
組成式の書き方
イオン結合でできた物質は、分子(新しいタブで開きます)のような決まった個数の組ではなく、陽イオンと陰イオンが交互に並んで結晶を作る。そのため、化学式(新しいタブで開きます)も「陽イオンと陰イオンの電気の量の合計が0になる、最も簡単な整数の比」で表す。これを組成式という。
組成式を書くときは、陽イオンを先に、陰イオンをあとに書く。イオンの個数が2個以上になるときはその数を右下の小さな文字で書き、多原子イオンの個数が2個以上になるときは、イオン全体をかっこでくくってから個数を書く。
例えば水酸化マグネシウム(新しいタブで開きます)は、Mg²⁺1個につきOH⁻が2個必要なので、Mg(OH)₂と書く。かっこを付けないとMgOH₂となり、水酸化物イオン(新しいタブで開きます)が何個あるのか伝わらなくなる。
例:組成式を作ってみる
ナトリウムイオンNa⁺と塩化物イオンCl⁻は、電気の量がどちらも1なので、1個ずつでつり合う。組成式はNaClと書く。
カルシウムイオンCa²⁺と塩化物イオンCl⁻では、電気の量が2と1なので、Ca²⁺1個につきCl⁻が2個必要だ。組成式はCaCl₂となる。塩化カルシウムは水をよく吸うため、道路の融雪剤や乾燥剤(新しいタブで開きます)に使われる。
アルミニウムイオンAl³⁺と酸化物(新しいタブで開きます)イオンO²⁻では、電気の量が3と2なので、電気の量の合計をそろえるにはAl³⁺が2個、O²⁻が3個必要になる(3×2=2×3)。組成式はAl₂O₃と表す。
炭酸カルシウムは、Ca²⁺と多原子イオンの炭酸イオンCO₃²⁻の電気の量がどちらも2なので、1個ずつでつり合う。組成式はCaCO₃になる。炭酸カルシウムは石灰石の主成分で、セメントの原料としても使われている。
なぜ融点が高く、電気を通す条件が限られるのか
イオン結晶は、強いイオン結合で陽イオンと陰イオンが規則正しく結びついているため、結晶をばらばらにするには大きなエネルギーが必要になる。そのため、イオン結晶は融点や沸点が高い。塩化ナトリウムの融点は800℃を超え、常温では硬い固体として存在する。
イオン結晶は硬いが、強い力を加えると割れやすい。結晶の決まった面に沿ってずれが起きると、同じ電気を帯びたイオンどうしが向かい合って反発し、一気に崩れるためだ。
固体のイオン結晶では、イオンが決まった位置に固定されて動けないため電気を通さない。ところが、加熱して融かした状態や水に溶かした状態では、陽イオンと陰イオンが自由に動けるようになるため、電圧をかけると電気を通すようになる。
水分子は陽イオンと陰イオンを引き離す力を持つため、イオン結晶は水に溶けやすいものが多い。塩化ナトリウムが食塩水として水によく溶けるのもこのためだ。ただし、炭酸カルシウムや硫酸バリウム(新しいタブで開きます)のように、水にほとんど溶けないイオン結晶もある。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/ionic-formula-and-ionic-crystal/?from=print#quiz
マグネシウムイオンMg²⁺と塩化物イオンCl⁻からできる物質の組成式はどれか。
- ◯ MgCl₂
- ◯ Mg₂Cl
- ◯ MgCl₃
- ◯ MgCl
正解:MgCl₂
Mg²⁺は電気の量が2、Cl⁻は電気の量が1なので、電気の量の合計をそろえるにはCl⁻が2個必要。組成式はMgCl₂になる。塩化ナトリウムの結晶が電気を通すのはどの状態のときか。
- ◯ 真空の中に置いたとき
- ◯ さらに低い温度に冷やしたとき
- ◯ 水に溶かして水溶液にしたとき
- ◯ 常温の固体のまま
正解:水に溶かして水溶液にしたとき
固体のイオン結晶はイオン(新しいタブで開きます)が固定されて動けないため電気を通さない。水に溶かすとイオンが自由に動けるようになり、電気を通す。イオン結晶の融点が高いのはなぜか。
- ◯ イオン結合が強く、結晶をばらすのに大きなエネルギーが要るから
- ◯ 自由電子が熱を伝えるから
- ◯ 分子間力が極めて強いから
- ◯ イオンの質量が軽いから
正解:イオン結合が強く、結晶をばらすのに大きなエネルギーが要るから
イオン結晶は強いイオン結合(新しいタブで開きます)で陽イオンと陰イオンが規則正しく結びついているため、結晶をばらばらにするには大きなエネルギーが必要で、融点(新しいタブで開きます)が高くなる。イオン結晶に強い力を加えると割れやすいのはなぜか。
- ◯ 自由電子が逃げてしまうから
- ◯ 融点が低いから
- ◯ ずれが起きると同じ電気のイオンどうしが反発するから
- ◯ イオンの数が少ないから
正解:ずれが起きると同じ電気のイオンどうしが反発するから
強い力でイオンの並びがずれると、同じ電気を帯びたイオンどうしが向かい合って反発し、その面で一気に崩れる。
単元のポイント
- 組成式 陽イオンと陰イオンの電気の量がつり合う、最も簡単な整数の比で表した化学式
- イオン結晶 陽イオンと陰イオンがイオン結合で規則正しく並んでできた結晶
- 融点・沸点が高い イオン結合は強い引力なので、ばらすには大きなエネルギーが要る
- 電気を通す条件 固体では通さないが、融かすか水に溶かしてイオンが自由に動けるようにすると通す
- 水に溶けやすい 水分子が陽イオンと陰イオンを引き離すため、イオン結晶は水に溶けやすいものが多い