
シナプスでの伝達と記憶
カエル先生伝達は必ずシナプス小胞がある側から受容体がある側への一方向だよ。
30秒でつかむ
- ニューロンの接続部である**シナプス**では、**神経伝達物質**が放出されて次のニューロンの受容体(新しいタブで開きます)に結合する。
- 神経伝達物質には興奮を伝える**興奮性シナプス**と、興奮を抑える**抑制性シナプス**があり、伝達は一方向である。
- シナプスの伝わりやすさが変化する**シナプスの可塑性**は、記憶の仕組みに関わると考えられている。
詳しく
シナプスの構造と神経伝達物質による伝達
ニューロンとニューロンのすき間でつながる接続部をシナプスという。興奮が軸索の末端に達すると、シナプス小胞から神経伝達物質が放出される。
放出された神経伝達物質は、シナプスのすき間を越えて次のニューロンの細胞膜にある受容体に結合する。代表的な神経伝達物質にアセチルコリンがある。
神経伝達物質が受容体に結合すると、次のニューロンの膜電位が変化し、興奮が別のニューロンへ伝わっていく。
興奮性シナプスと抑制性シナプス・伝達の一方向性
神経伝達物質が次のニューロンを興奮させやすくするシナプスを興奮性シナプスという。
反対に、神経伝達物質が次のニューロンを興奮させにくくするシナプスを抑制性シナプスという。1つのニューロンには興奮性と抑制性のシナプスが同時につながることもある。
神経伝達物質は、シナプス小胞をもつ側(シナプス前細胞)から放出され、受容体をもつ側(シナプス後細胞)に結合する。この仕組みのため、興奮はシナプスを一方向にしか伝わらない。
シナプスの可塑性と記憶
シナプスでの伝わりやすさは一定ではなく、使われ方によって強まったり弱まったりする。この性質をシナプスの可塑性という。
同じ経路を繰り返し使うとシナプスでの伝達が強まりやすくなることが知られており、神経系が経験に応じて変化していく仕組みの一つになっている。
こうしたシナプスの可塑性は、学習や記憶が神経系に保たれる仕組みに関わると考えられている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/synaptic-transmission-and-memory/?from=print#quiz
シナプスで興奮が次のニューロンに伝わるとき、まず起こることはどれか。
- ◯ シナプス小胞から神経伝達物質が放出される
- ◯ シナプスのすき間が消える
- ◯ 次のニューロンの核に信号が届く
- ◯ 受容体が神経伝達物質を作り出す
正解:シナプス小胞から神経伝達物質が放出される
興奮が軸索の末端に達すると、シナプス小胞から神経伝達物質が放出される。代表的な神経伝達物質として本文で挙げられているものはどれか。
- ◯ DNAポリメラーゼ
- ◯ トロポニン
- ◯ アセチルコリン
- ◯ ロドプシン
正解:アセチルコリン
放出された神経伝達物質は次のニューロンの受容体(新しいタブで開きます)に結合する。代表的な神経伝達物質にアセチルコリンがある。シナプスでの伝達が一方向にしか伝わらないのはなぜか。
- ◯ 興奮性シナプスにしか神経伝達物質が存在しないため
- ◯ シナプスには受容体が存在しないため
- ◯ 神経伝達物質を放出する側と受け取る側が決まっているため
- ◯ 軸索には伝達物質が存在しないため
正解:神経伝達物質を放出する側と受け取る側が決まっているため
神経伝達物質はシナプス前細胞から放出され、シナプス後細胞の受容体に結合する仕組みのため、興奮は一方向にしか伝わらない。シナプスの可塑性とはどのような性質か。
- ◯ シナプスの数が生涯変化しない性質
- ◯ 神経伝達物質が常に一定量だけ放出される性質
- ◯ 使われ方によってシナプスの伝わりやすさが変化する性質
- ◯ 興奮性シナプスが必ず抑制性シナプスに変わる性質
正解:使われ方によってシナプスの伝わりやすさが変化する性質
シナプスの可塑性は、使われ方によってシナプスでの伝わりやすさが変化する性質で、記憶の仕組みに関わると考えられている。
単元のポイント
- シナプスと神経伝達物質 ニューロンどうしの接続部(シナプス)で放出される化学物質(アセチルコリンなど)
- 興奮性シナプスと抑制性シナプス 次のニューロンを興奮させる興奮性シナプスと、興奮を抑える抑制性シナプス
- 伝達の一方向性 神経伝達物質はシナプス前細胞から放出されシナプス後細胞の受容体に結合するため、伝達は一方向に限られる
- シナプスの可塑性と記憶 使われ方に応じてシナプスの伝わりやすさが変化する性質で、記憶の仕組みに関わるとされる