
タンパク質の働きと膜輸送
カエル先生ポンプはATPを使う輸送、チャネルは使わない輸送。見分けておこう。
30秒でつかむ
- 濃度(新しいタブで開きます)の高い方から低い方への拡散を**チャネル**や**輸送体**が助け、低い方から高い方へはATP(新しいタブで開きます)を使う**ポンプ**が運ぶ。
- **ナトリウムポンプ**は、ATP1分子(新しいタブで開きます)でナトリウムイオン(新しいタブで開きます)3個を外へ、カリウムイオン2個を内へ運ぶ。
- **受容体**は外からの情報を受け取り、**モータータンパク質**のミオシンやキネシンはATPで分子を動かす。
詳しく
チャネル・輸送体・ポンプによる膜輸送
細胞膜を物質が通りぬけるとき、濃度の高い方から低い方へ移動する拡散のしくみをチャネルや輸送体という膜タンパク質(新しいタブで開きます)が助ける。これらは特定の物質だけを通す通路としてはたらき、エネルギーを使わない。
一方、濃度の低い方から高い方へ物質を運ぶには、ATPのエネルギーを使うポンプという膜タンパク質が必要である。代表例が、細胞内のナトリウムイオンを外へ、カリウムイオンを内へ運ぶナトリウムポンプである。
ナトリウムポンプは、ATPを1分子分解するごとにナトリウムイオン3個を細胞外へ、カリウムイオン2個を細胞内へ運ぶ。この輸送によって、細胞の内と外とでイオンの濃度差が保たれている。
受容体とモータータンパク質
膜タンパク質には、物質を運ぶ以外のはたらきをもつものも多い。細胞の外からのホルモン(新しいタブで開きます)などの情報を受け取る受容体は、特定の物質が結合すると立体構造を変化させ、細胞内に情報を伝える。
細胞の中で分子を動かすモータータンパク質も、タンパク質が生命現象を支える例である。筋肉の収縮に関わるミオシンは、アクチンフィラメント(新しいタブで開きます)の上を動いて力を生み出す。
微小管の上を荷物を運びながら移動するキネシンも、モータータンパク質の一種である。これらは、ATPの分解で得たエネルギーを使って一方向に動く点で共通している。
タンパク質のはたらきが多様である理由
タンパク質は、アミノ酸の並び方によって立体構造が決まり、その構造に応じた特定のはたらきをもつ。チャネル・輸送体・ポンプ・受容体・モータータンパク質は、どれも立体構造が異なるからこそ、はたらきも異なるのだ。
1種類のタンパク質につき、基本的に1種類のはたらきが対応する。細胞がもつ多数の生命現象は、それぞれの役割に特化した多種多様なタンパク質の組合せによって支えられている。
このように、生体膜に埋め込まれたタンパク質の種類が、そのまま細胞にできることの種類を左右するわけだ。生体膜とタンパク質は、合わせて細胞の機能を生み出す土台といえる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/membrane-transport-and-protein-function/?from=print#quiz
チャネルや輸送体が助ける、濃度の高い方から低い方へ物質が移動するしくみを何というか。
- ◯ 拡散
- ◯ ファゴサイトーシス
- ◯ 浸透圧
- ◯ 能動輸送
正解:拡散
チャネルや輸送体は、エネルギーを使わずに濃度(新しいタブで開きます)の高い方から低い方へ物質が移動する拡散を助ける膜タンパク質(新しいタブで開きます)である。ナトリウムポンプがATP1分子を使って運ぶナトリウムイオンとカリウムイオンの個数の組合せは何か。
- ◯ ナトリウムイオン2個・カリウムイオン2個
- ◯ ナトリウムイオン2個・カリウムイオン3個
- ◯ ナトリウムイオン3個・カリウムイオン2個
- ◯ ナトリウムイオン1個・カリウムイオン1個
正解:ナトリウムイオン3個・カリウムイオン2個
ナトリウムポンプは、ATP(新しいタブで開きます)を1分子(新しいタブで開きます)分解するごとにナトリウムイオン(新しいタブで開きます)3個を細胞外へ、カリウムイオン2個を細胞内へ運ぶ。細胞の外からの情報を受け取り、結合すると立体構造を変化させる膜タンパク質を何というか。
- ◯ チャネル
- ◯ 輸送体
- ◯ 受容体
- ◯ 細胞骨格
正解:受容体
受容体は、ホルモン(新しいタブで開きます)など特定の物質が結合すると立体構造を変化させ、細胞内に情報を伝える膜タンパク質である。ATPの分解で得たエネルギーを使って一方向に動く、ミオシンやキネシンなどのタンパク質を何というか。
- ◯ モータータンパク質
- ◯ 構造タンパク質
- ◯ 貯蔵タンパク質
- ◯ 酵素
正解:モータータンパク質
ミオシンやキネシンは、ATPの分解で得たエネルギーを使って一方向に動くモータータンパク質である。
単元のポイント
- チャネル・輸送体 濃度の高い方から低い方へ、エネルギーを使わずに物質を通す膜タンパク質
- ナトリウムポンプ ATPを使い、ナトリウムイオンを細胞外へ、カリウムイオンを細胞内へ運ぶポンプ
- 受容体(新しいタブで開きます) 細胞外からの物質が結合すると立体構造を変え、情報を細胞内へ伝える膜タンパク質
- モータータンパク質 ATPの分解で得たエネルギーを使って一方向に動く、ミオシンやキネシンなどのタンパク質