
ニューロンと興奮の伝導
カエル先生立ち上がりはNa⁺が入る、下がるのはK⁺が出る。有髄神経は絞輪だけ跳んで速いよ。
30秒でつかむ
- 刺激を受けないニューロンの膜電位は**静止電位**で、刺激が閾値を超えると**Na⁺の流入**で膜電位が逆転する。
- 逆転した膜電位は続いて**K⁺の流出**でもとに戻り、この一連の変化を**活動電位**という。
- 興奮は閾値以上の刺激で最大の活動電位が生じる**全か無かの法則**に従い、有髄神経は**跳躍伝導**で速く伝わる。
詳しく
静止電位と活動電位(Na⁺の流入・K⁺の流出)
ニューロンが刺激を受けていないとき、細胞膜の内側は外側に対して負に保たれている。この電位差(新しいタブで開きます)を静止電位という。
閾値以上の刺激を受けると、細胞膜のNa⁺チャネル(新しいタブで開きます)が開いてNa⁺が細胞内へ流入し、膜電位は一気に正の方向へ逆転する。
Na⁺チャネルが閉じるのに続いてK⁺チャネルが開き、K⁺が細胞外へ流出することで膜電位はもとの静止電位に戻る。この一連の変化を活動電位という。
全か無かの法則と閾値
興奮が起こるかどうかの境になる刺激の強さを閾値という。
閾値未満の刺激では活動電位は生じないが、閾値以上の刺激では、刺激がどれだけ強くても常に同じ大きさの活動電位が生じる。この性質を全か無かの法則という。
1本のニューロンが伝える興奮の大きさは変わらないため、刺激の強さの違いは、興奮するニューロンの数や興奮の頻度の違いとして伝えられる。
有髄神経の跳躍伝導と伝導速度
軸索が髄鞘で覆われたニューロンを有髄神経という。髄鞘は電気を通しにくく、髄鞘の無いランビエ絞輪の部分だけで興奮が生じる。
有髄神経では、興奮がランビエ絞輪から次のランビエ絞輪へ飛ぶように伝わる。この伝わり方を跳躍伝導という。
興奮が軸索の全体を少しずつ伝わる無髄神経に比べ、跳躍伝導では興奮が絞輪を飛び越えて伝わるため、有髄神経の伝導(新しいタブで開きます)速度(新しいタブで開きます)は無髄神経よりも速い。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/neuron-resting-and-action-potential/?from=print#quiz
活動電位で膜電位が静止電位から正の方向へ逆転するのは、何が起こるためか。
- ◯ K⁺が細胞外へ流出するため
- ◯ Na⁺が細胞外へ流出するため
- ◯ K⁺が細胞内へ流入するため
- ◯ Na⁺が細胞内へ流入するため
正解:Na⁺が細胞内へ流入するため
閾値以上の刺激でNa⁺チャネル(新しいタブで開きます)が開き、Na⁺が細胞内へ流入することで膜電位が正の方向へ逆転する。活動電位で膜電位がもとの静止電位に戻るのは、何が起こるためか。
- ◯ Na⁺が細胞内へ流入し続けるため
- ◯ K⁺が細胞内へ流入するため
- ◯ K⁺が細胞外へ流出するため
- ◯ Na⁺が細胞外へ流出するため
正解:K⁺が細胞外へ流出するため
Na⁺チャネルが閉じたあとK⁺チャネルが開き、K⁺が細胞外へ流出することで膜電位は静止電位に戻る。全か無かの法則として正しい説明はどれか。
- ◯ 閾値未満でも刺激が続けば活動電位が生じる
- ◯ 活動電位の大きさは興奮するたびに変わる
- ◯ 刺激が強いほど活動電位の大きさも大きくなる
- ◯ 閾値以上では刺激の強さに関係なく常に同じ大きさの活動電位が生じる
正解:閾値以上では刺激の強さに関係なく常に同じ大きさの活動電位が生じる
閾値以上の刺激では、刺激の強さに関係なく常に同じ大きさの活動電位が生じる。これを全か無かの法則という。有髄神経の伝導速度が無髄神経より速いのはなぜか。
- ◯ 軸索の全体で同時に興奮が生じるため
- ◯ 髄鞘の中をNa⁺が直接移動するため
- ◯ ランビエ絞輪では興奮が生じないため
- ◯ ランビエ絞輪だけを興奮が飛ぶように伝わる跳躍伝導のため
正解:ランビエ絞輪だけを興奮が飛ぶように伝わる跳躍伝導のため
有髄神経では髄鞘の無いランビエ絞輪だけで興奮が生じ、絞輪から絞輪へ飛ぶように伝わる跳躍伝導のため、伝導(新しいタブで開きます)速度(新しいタブで開きます)が速くなる。
単元のポイント
- 静止電位 刺激を受けていないときの、細胞内が外側より負に保たれた膜電位
- 活動電位とNa⁺・K⁺ Na⁺の流入で膜電位が逆転し、続くK⁺の流出でもとに戻る一連の変化
- 全か無かの法則と閾値 閾値以上の刺激では刺激の強さに関係なく常に最大の活動電位が生じる性質
- 跳躍伝導と伝導速度 有髄神経でランビエ絞輪だけを興奮が跳んで伝わる仕組みと、無髄神経より速い伝導速度