
ヤングの実験
カンガルー先生スリットと明線の間を結ぶ2本の道のりの差(経路差)が、波長の何倍かで明暗が決まるよ。
30秒でつかむ
- 単色光を2本の細いスリットに通すと、両方のスリットから広がった光が重なり、スクリーン上に明暗のしま(干渉じま)ができる。
- 2つのスリットからの経路差(新しいタブで開きます)が波長(新しいタブで開きます)の整数倍なら明線、半整数倍なら暗線になり、明線の間隔はΔx=Lλ/d(d:スリット間隔・L:スリットとスクリーンの距離)。
- 1つの光源を2つのスリットに分けるのは、両方の光の位相(新しいタブで開きます)の関係をそろえ(コヒーレントにし)、じまを止まった形で見えるようにするため。
詳しく
ヤングの実験の干渉条件
単色光(1つの波長だけの光)を、ごく細いすきまを2本平行に開けた板(複スリット、間隔)に当てると、どちらのスリットからも光が回折して広がり、後ろに置いたスクリーン上で重なる。スリットから十分離れたスクリーン(距離・)上の点Pでは、2つのスリットからの道のりの差(経路差)で明暗が決まる仕組みだ。
スクリーンの中心Oから距離の点Pを考えると、のとき経路差はで表され、さらにが小さいのでとみなせる。経路差はおよそになる。
経路差が波長の整数倍のとき、2つの光は同じ位相で重なって強め合い、明線になる:()。経路差が半整数倍のときは逆位相で打ち消し合い、暗線になる:。
明線の位置はなので、隣り合う明線どうしの間隔はで、次数に関係なく一定になる。
例題:じまの間隔と波長を求める
例題1:スリット間隔mm、スリットからスクリーンまでの距離m、光の波長mのとき、明線の間隔はm=5.0mmになる。中心の明線()から数えて最初の暗線は、その半分の2.5mmの位置にある。
例題2:同じ実験でmm、mにして測ったら、明線の間隔が3.0mmだった。式を波長について解くとm(600nm)となり、じまの間隔を測るだけで光の波長が求まる。
なぜスリットを2本にする必要があるのか
別々の2つの光源(たとえば2つの電球)を並べても、はっきりした干渉じまは見えない。光源ごとに光の位相が独立にゆらぐため、2つの光の経路差が波長の何倍になるかが瞬間ごとに変わり、明暗の位置が速く移り変わって目には平均化された明るさしか見えないためだ。
1つの光源から出た光を2本のスリットに分けると、両方のスリットに届く光はもともと同じ波面の一部なので、位相の関係が時間によらず一定に保たれる(コヒーレントな光源になる)。この条件がそろうことで、経路差だけで決まる明暗の位置が動かず、止まった干渉じまとして観察できる。
また単色光を使うのも大事な条件である。波長の違う光を混ぜると、明線の位置が波長ごとにずれるため、中心の明線以外は色がにじんでじまがぼやけてしまう。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/young-double-slit-interference/?from=print#quiz
スリット間隔d=0.20mm、スリットからスクリーンまでの距離L=2.0m、光の波長λ=5.0×10⁻⁷mのヤングの実験で、明線の間隔は何mmか。
答え:____________
正解:5.0
明線の間隔はΔx=λL/d=(5.0×10⁻⁷×2.0)/(2.0×10⁻⁴)=5.0×10⁻³m=5.0mm。ヤングの実験でd=0.30mm、L=1.5mにして測ったところ、明線の間隔は3.0mmだった。光の波長は何nmか。
答え:____________
正解:600
Δx=λL/dをλについて解くとλ=Δx・d/L=(3.0×10⁻³×3.0×10⁻⁴)/1.5=6.0×10⁻⁷m=600nm。ヤングの実験で、光の波長とスクリーンまでの距離を変えずにスリットの間隔dを広くすると、明線の間隔は
- ◯ 広くなる
- ◯ 変わらない
- ◯ 狭くなる
正解:狭くなる
明線の間隔はΔx=λL/dで、dと反比例の関係にある。dを広くすると間隔は狭くなる。d=0.20mm、L=2.0m、λ=5.0×10⁻⁷mのヤングの実験で、中心の明線(m=0)から最初の暗線までの距離は何mmか。
答え:____________
正解:2.5
最初の暗線はm=0の暗線条件で、x=(0+1/2)λL/d=0.5×5.0mm=2.5mm。明線の間隔5.0mmのちょうど半分になる。ヤングの実験で、スリット間隔とスクリーンまでの距離を変えずに、波長の長い光に変えると、明線の間隔は
- ◯ 狭くなる
- ◯ 広くなる
- ◯ 変わらない
正解:広くなる
明線の間隔はΔx=λL/dで波長(新しいタブで開きます)λに比例する。波長が長くなれば間隔は広くなる。
単元のポイント
- 経路差(新しいタブで開きます) 2つのスリットから観測点までの道のりの差。L≫dなら d sinθ≒dx/L
- 明線の条件 経路差=mλ(m=0,±1,±2,…)
- 暗線の条件 経路差=(m+1/2)λ
- 明線の間隔 Δx=Lλ/d(どの次数でも同じ間隔)