社会契約説
30秒でつかむ
- 17〜18世紀に説かれた、国は人々の約束(契約)でつくられ、国を治める力は人々の同意から生まれるとする考え。
- ホッブズは主権者に力をゆだねよと説き、ロックは抵抗権を、ルソーは人民主権を主張した。
- 人々の同意で政府をつくり、権利を守らない政府は変えられるという考えは、独立宣言(新しいタブで開きます)や人権宣言(新しいタブで開きます)に受けつがれた。
詳しく
背景
17世紀のヨーロッパでは、国王の力は神から授けられたとする王権神授説が、絶対王政(新しいタブで開きます)を支えていた。
社会契約説は、17〜18世紀のイギリスやフランスで説かれた考え方である。人は生まれながらに、自由で平等な権利(自然権)をもつと考えた。その権利を守るために、人々がたがいに約束(契約)を結んで国をつくったとみる。国を治める力は、人々の同意から生まれると考えたのである。ただし、人々が何を国にゆだねるかについては、思想家によって考えが違う。
考え方の中身
イギリスのホッブズは『リヴァイアサン』(1651年)を著した。人々の争いを止めるには、強い力をもつ支配者(主権者)に力をゆだねる必要があると説いている。
ロックは『統治二論』(1690年)で、政府が人々の生命・自由・財産を守らなければ、人々は政府を変えてよいと説いた(抵抗権)。この考えをもとに、ロックは国王を退けた名誉革命(新しいタブで開きます)を正しいものと説明した。フランスのルソーは『社会契約論』(1762年)で、国のあり方を決める力(主権)は人民にあると主張した(人民主権)。
影響
社会契約説は、アメリカの独立宣言(1776年)やフランスの人権宣言(1789年)に受けつがれた。とくに独立宣言には、ロックの抵抗権の考えが強く表れている。人々の同意で政府をつくり、権利を守らない政府は変えられるという考えは、民主主義の土台になっている。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/history/social-contract/?from=print#quiz
『統治二論』で、政府が人々の生命・自由・財産を守らなければ、人々は政府を変えてよいと説いた思想家は?
- ◯ ロック
- ◯ モンテスキュー
- ◯ ルソー
- ◯ ホッブズ
正解:ロック
ロックの『統治二論』は、本に記された出版年は1690年だが、実際に出回ったのは1689年の終わりである。政府に逆らって変える権利は抵抗権とよばれ、この考えはアメリカの独立宣言(新しいタブで開きます)にも受けつがれた。『リヴァイアサン』を著し、争いを止めるには、人々が強い力をもつ支配者(主権者)に力をゆだねる必要があると説いたイギリスの思想家は?
- ◯ ロック
- ◯ ルソー
- ◯ ホッブズ
正解:ホッブズ
ホッブズは1651年に『リヴァイアサン』を完成させた。国の成り立ちを人々の約束(契約)にもとづくものと考えたことから、近代の社会契約説を初めて組み立てた人物とされる。次の出来事を起きた順に並べよう。
- ( )『統治二論』が出版される
- ( )アメリカの独立宣言が出される
- ( )名誉革命が起こる
- ( )『社会契約論』が出版される
正解:名誉革命が起こる → 『統治二論』が出版される → 『社会契約論』が出版される → アメリカの独立宣言が出される
名誉革命(新しいタブで開きます)が起こる(1688年)→『統治二論』が出版される(本に記された出版年は1690年。実際に出回ったのは1689年の終わり)→『社会契約論』が出版される(1762年)→アメリカの独立宣言が出される(1776年)。ロックは『統治二論』で名誉革命を正しいものと説明した。
単元のポイント
- 自然権 人が生まれながらにもっている、生命・自由・財産などの権利
- 抵抗権 政府が人々の権利をおかしたとき、人々がそれに逆らい、政府を変えることができる権利
- 人民主権 国のあり方を最後に決める力(主権)は人民にあるとする考え。ルソーが強く主張した