正規分布を用いた仮説検定
ゾウ先生帰無仮説は、否定されることを見込んで立てる仮の仮説だよ。
30秒でつかむ
- 正規分布を用いた仮説検定は、帰無仮説H0のもとで事象が起こる確率(新しいタブで開きます)pを求め、判断する方法だ。
- pを有意水準(5%など)と比べ、pが小さければH0を否定し、対立仮説H1が正しいと考える。
- 100回中61回は表が出たコインの例題で、Zの値と確率pを求め、検定の手順を確かめる。
詳しく
公式
統計的に実証したい仮説を対立仮説H1、それに反する仮説を帰無仮説H0とする。
H0が真だと仮定したとき、観測した事象が起こる確率pを、正規分布(新しいタブで開きます)を使って求める。
有意水準(5%など)は、滅多に起こらないと判断する基準の確率だ。
pが有意水準より小さければ、H0は真だと考えにくいとしてH0を否定し、H1が正しいと判断する。
例題
例題:あるコインを100回投げたところ、表が61回出た。表が出やすいか検定しよう。
帰無仮説H0は「表の出る確率は1/2」。対立仮説H1は「表の出る確率は1/2より大きい」とする。
H0のもとで表の回数Xは二項分布(新しいタブで開きます)B(100,1/2)に従う。と標準化できる。
X=61のときZ=2.2。正規分布表からP(Z≥2.2)は約0.014(1.4%)とわかる。
有意水準5%と比べると0.014のほうが小さい。だからH0を否定し、表が出やすいと判断できる。
なぜそうなるか
帰無仮説を立てる理由は、背理法(新しいタブで開きます)で否定したい命題を仮定するのと似ている。
違いは、論理的な矛盾ではなく、確率が有意水準より小さいことで判断する点だ。
有意水準より小さいと分かっても、H0が絶対に間違っているとは言えない。
まれにしか起こらないことが実際に起きた、という可能性も残るためだ。
同じように、pが有意水準より大きいときも、H0が正しいと決まるわけではない。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/math/hypothesis-testing-with-normal-distribution/?from=print#quiz
n=100,p=1/2の二項分布でX=61のとき、Z=(X−50)/5の値を求めよ。
答え:____________
正解:2.2
Z=(61−50)/5=11/5=2.2。P(0≤Z≤2.2)=0.486のとき、P(Z≥2.2)を求めよ。
答え:____________
正解:0.014
P(Z≥2.2)=0.5−0.486=0.014。有意水準5%のとき、確率0.014から帰無仮説の判断はどれか。
- ◯ 判断できない
- ◯ 標本が足りない
- ◯ 帰無仮説を否定できる(対立仮説が正しいと考える)
- ◯ 帰無仮説を否定できない
正解:帰無仮説を否定できる(対立仮説が正しいと考える)
0.014は有意水準5%(0.05)より小さいので、帰無仮説を否定し、対立仮説が正しいと考える。有意水準を1%に変えると、確率0.014との比較結果はどうなるか。
- ◯ 変わらない
- ◯ 判断できない
- ◯ 0.014は1%(0.01)より大きいので帰無仮説を否定できない
- ◯ 0.014は1%より小さいので否定できる
正解:0.014は1%(0.01)より大きいので帰無仮説を否定できない
0.014は1%(0.01)より大きいので、この基準では帰無仮説を否定できない。有意水準で判断は変わる。
単元のポイント
- 帰無仮説H0 否定したい仮説。差がない・等しいなどを仮定する
- 対立仮説H1 統計的に実証したい仮説。帰無仮説の反対
- 有意水準 滅多に起こらないと判断する基準の確率。5%や1%を使う