本文へ移動

空気抵抗(くうきていこう)と終端速度(しゅうたんそくど)

カワウソ先生終端速度(しゅうたんそくど)では合力(ごうりょく)が0。慣性(かんせい)の法則(ほうそく)どおり、そこからは等速(とうそく)直線(ちょくせん)運動(うんどう)になるよ。

30秒でつかむ

  1. 物体(ぶったい)が気体(きたい)や液体(えきたい)の中(なか)を運動(うんどう)すると、運動(うんどう)を妨(さまた)げる向(む)きに抵抗力(ていこうりょく)(空気(くうき)抵抗(ていこう)など)が働(はたら)き、速(はや)さが大(おお)きいほど抵抗力(ていこうりょく)も大(おお)きくなる。
  2. 自由(じゆう)落下(らっか)(新しいタブで開きます)する物体(ぶったい)では、速(はや)さが増(ま)すほど抵抗力(ていこうりょく)が大(おお)きくなり、やがて重力(じゅうりょく)とつり合(あ)う。そこから先(さき)は合力(ごうりょく)(新しいタブで開きます)が0の等速(とうそく)直線(ちょくせん)運動(うんどう)(新しいタブで開きます)になり、この一定(いってい)の速(はや)さを終端速度(しゅうたんそくど)という。
  3. 抵抗力(ていこうりょく)がkv(kは比例定数(ひれいていすう))というモデルで考(かんが)えると、終端速度(しゅうたんそくど)はmgとkvtがつり合(あ)う条件(じょうけん)から、vt=mg/kで求(もと)められる。

詳しく

抵抗力(ていこうりょく)と終端速度(しゅうたんそくど)の考(かんが)え方(かた)

物体(ぶったい)が空気(くうき)や水(みず)の中(なか)を運動(うんどう)すると、運動(うんどう)の向(む)きと逆(ぎゃく)向(む)きに抵抗力(ていこうりょく)(空気(くうき)の場合(ばあい)は空気(くうき)抵抗(ていこう))が働(はたら)く。抵抗力(ていこうりょく)の大(おお)きさは、物体(ぶったい)の速(はや)さが大(おお)きいほど大(おお)きくなる。ここでは、抵抗力(ていこうりょく)の大(おお)きさが速(はや)さvに比例(ひれい)する、抵抗力(ていこうりょく)=kv(kは物体(ぶったい)の形(かたち)や大(おお)きさで決(き)まる比例定数(ひれいていすう))という簡単(かんたん)なモデルで考(かんが)える。

自由(じゆう)落下(らっか)を始(はじ)めた直後(ちょくご)は速(はや)さが小(ちい)さく抵抗力(ていこうりょく)も小(ちい)さいので、ほぼ重力(じゅうりょく)だけが働(はたら)いて加速(かそく)する。速(はや)さが増(ま)すと抵抗力(ていこうりょく)も増(ふ)え、重力(じゅうりょく)との差(さ)(合力(ごうりょく))が小(ちい)さくなるので、加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)はだんだん小(ちい)さくなっていく。

やがて抵抗力(ていこうりょく)kvが重力(じゅうりょく)mgと同(おな)じ大(おお)きさになると、合力(ごうりょく)は0になる。慣性(かんせい)の法則(ほうそく)(新しいタブで開きます)より、そこから先(さき)は加速度(かそくど)0の等速(とうそく)直線(ちょくせん)運動(うんどう)になり、物体(ぶったい)は一定(いってい)の速(はや)さで落下(らっか)し続(つづ)ける。この速(はや)さを終端速度(しゅうたんそくど)vtといい、mg=kvtより、vt=mg/kで求(もと)められる。

速さが終端速度vtに近づくv-tグラフ(傾きはgから0へ)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

例題(れいだい):終端速度(しゅうたんそくど)を求(もと)める

例題(れいだい)1:質量(しつりょう)70kgの人(ひと)が、体(からだ)を広(ひろ)げた姿勢(しせい)で落下(らっか)すると、空気(くうき)抵抗(ていこう)は抵抗力(ていこうりょく)=kvのモデルでk=14kg/sとみなせる。重力(じゅうりょく)はmg=70×9.8=686Nなので、終端速度(しゅうたんそくど)はvt=686÷14=49m/s。

例題(れいだい)2:同(おな)じ人(ひと)がパラシュートを開(ひら)くと、受(う)ける面積(めんせき)が増(ふ)えてk=140kg/sになったとする。終端速度(しゅうたんそくど)はvt=686÷140=4.9m/sに下(さ)がる。

例題(れいだい)3:パラシュートを開(ひら)く前(まえ)と開(ひら)いたあとを、それぞれ静止(せいし)状態(じょうたい)から終端速度(しゅうたんそくど)に近(ちか)づく別々(べつべつ)の場合(ばあい)として比(くら)べると、終端速度(しゅうたんそくど)に落(お)ち着(つ)くまでの加速度(かそくど)の変化(へんか)が違(ちが)う。開(ひら)く前(まえ)は49m/sに近(ちか)づくまで時間(じかん)がかかるが、開(ひら)いたあとはkが大(おお)きいぶん、小(ちい)さい速(はや)さ4.9m/sで重力(じゅうりょく)とつり合(あ)うので、短(みじか)い時間(じかん)で加速度(かそくど)が0に近(ちか)づく。実際(じっさい)には49m/sで落下中(らっかちゅう)にパラシュートを開(ひら)くので、その瞬間(しゅんかん)は抵抗力(ていこうりょく)が重力(じゅうりょく)の何倍(なんばい)にも急増(きゅうぞう)し、強(つよ)い衝撃(しょうげき)とともに一気(いっき)に減速(げんそく)する。

パラシュートを開く前と後の終端速度(k=14と140の比較)Asatte Studio(Manazoo)/オリジナル(コードで作図)

なぜ速(はや)さが増(ふ)えると加速度(かそくど)が0に近(ちか)づくのか

下向(したむ)きを正(せい)とすると、合力(ごうりょく)はmg−kv。運動(うんどう)方程式(ほうていしき)ma=mg−kvより、a=g−(k/m)v。速(はや)さvが0のときa=g(自由(じゆう)落下(らっか)と同(おな)じ)、vが大(おお)きくなるほどaは小(ちい)さくなり、v=mg/k(終端速度(しゅうたんそくど))でa=0になる。

終端速度(しゅうたんそくど)に達(たっ)したあとは、速(はや)さが変(か)わらないので抵抗力(ていこうりょく)も変(か)わらず、重力(じゅうりょく)とのつり合(あ)いが保(たも)たれたまま等速(とうそく)で落下(らっか)し続(つづ)ける。速(はや)さがわずかに終端速度(しゅうたんそくど)を超(こ)えても、抵抗力(ていこうりょく)が重力(じゅうりょく)より大(おお)きくなって減速(げんそく)し、また終端速度(しゅうたんそくど)付近(ふきん)に戻(もど)る。

実際(じっさい)の空気(くうき)抵抗(ていこう)は、速(はや)さに比例(ひれい)するより、速(はや)さの2乗(じょう)に比例(ひれい)する場合(ばあい)が多(おお)い。ここで扱(あつか)ったkvのモデルは、終端速度(しゅうたんそくど)という現象(げんしょう)を簡単(かんたん)な式(しき)で理解(りかい)するための近似(きんじ)である。水平(すいへい)投射(とうしゃ)された物体(ぶったい)も、鉛直(えんちょく)方向(ほうこう)には自由(じゆう)落下(らっか)と同(おな)じしくみで終端速度(しゅうたんそくど)に近(ちか)づいていく。

確認問題

問題 1 / 4質量(しつりょう)10kgの物体(ぶったい)が、抵抗力(ていこうりょく)=kvのモデルでk=4.9kg/sとなる状態(じょうたい)で落下(らっか)した。終端速度(しゅうたんそくど)は何(なん)m/sか。重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)を9.8m/s²とする。

確認問題(解答用紙)

この問題を端末で解くための QR コード

スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。

https://manazoo.com/science/air-resistance-and-terminal-velocity/?from=print#quiz

  1. 質量(しつりょう)10kgの物体(ぶったい)が、抵抗力(ていこうりょく)=kvのモデルでk=4.9kg/sとなる状態(じょうたい)で落下(らっか)した。終端速度(しゅうたんそくど)は何(なん)m/sか。重力(じゅうりょく)加速度(かそくど)を9.8m/s²とする。

    答え:____________

    正解:20
    重力(じゅうりょく)はmg=10×9.8=98N。終端速度(しゅうたんそくど)ではmg=kvtより、vt=98÷4.9=20m/s。

  2. 抵抗力(ていこうりょく)=kvのモデルでk=5.0kg/sのとき、速(はや)さ8.0m/sで落下(らっか)している物体(ぶったい)が受(う)ける抵抗力(ていこうりょく)は何(なん)Nか。

    答え:____________

    正解:40
    抵抗力(ていこうりょく)=kv=5.0×8.0=40N。

  3. 自由(じゆう)落下(らっか)を始(はじ)めた物体(ぶったい)が、空気(くうき)抵抗(ていこう)を受(う)けながら終端速度(しゅうたんそくど)に達(たっ)するまで、加速度(かそくど)はどのように変化(へんか)するか。

    • ◯ ずっとg(9.8m/s²)のまま変(か)わらない
    • ◯ だんだん小(ちい)さくなり、0に近(ちか)づく
    • ◯ いきなり0になる
    • ◯ だんだん大(おお)きくなる

    正解:だんだん小さくなり、0に近づく
    合力(ごうりょく)(新しいタブで開きます)はmg−kvで、速(はや)さvが増(ふ)えるほど小(ちい)さくなる。加速度(かそくど)(新しいタブで開きます)a=(mg−kv)/mも、速(はや)さ0でのgから、終端速度(しゅうたんそくど)で0になるまで、だんだん小(ちい)さくなっていく。

  4. 物体(ぶったい)が終端速度(しゅうたんそくど)で落下(らっか)しているとき、物体(ぶったい)に働(はたら)く力(ちから)について正(ただ)しいものはどれか。

    • ◯ 重力(じゅうりょく)が抵抗力(ていこうりょく)より大(おお)きい
    • ◯ 重力(じゅうりょく)と抵抗力(ていこうりょく)の大(おお)きさが等(ひと)しく、合力(ごうりょく)は0である
    • ◯ 重力(じゅうりょく)だけが働(はたら)いている
    • ◯ 抵抗力(ていこうりょく)の方(ほう)が重力(じゅうりょく)より大(おお)きい

    正解:重力と抵抗力の大きさが等しく、合力は0である
    終端速度(しゅうたんそくど)では、重力(じゅうりょく)と抵抗力(ていこうりょく)の大(おお)きさが等(ひと)しく、向(む)きが逆(ぎゃく)なので合力(ごうりょく)は0になる。慣性(かんせい)の法則(ほうそく)(新しいタブで開きます)により、そこから先(さき)は等速(とうそく)直線(ちょくせん)運動(うんどう)(新しいタブで開きます)が続(つづ)く。

単元のポイント

  • 抵抗力(ていこうりょく) 運動(うんどう)を妨(さまた)げる向(む)きに働(はたら)き、速(はや)さが大(おお)きいほど大(おお)きくなる力(ちから)
  • 終端速度(しゅうたんそくど) 重力(じゅうりょく)と抵抗力(ていこうりょく)がつり合(あ)い、合力(ごうりょく)0で一定(いってい)の速(はや)さになったときの速(はや)さ
  • 終端速度(しゅうたんそくど)での力(ちから)のつり合(あ)い mg=kvt(抵抗力(ていこうりょく)=kvのモデルのとき)
  • 空気(くうき)抵抗(ていこう)の影響(えいきょう) 空気(くうき)抵抗(ていこう)を無視(むし)できないと、自由(じゆう)落下(らっか)の式(しき)v=gtは途中(とちゅう)から成(な)り立(た)たなくなる
問題を解く
単元のポイント
  • 抵抗力(ていこうりょく) 運動(うんどう)を妨(さまた)げる向(む)きに働(はたら)き、速(はや)さが大(おお)きいほど大(おお)きくなる力(ちから)
  • 終端速度(しゅうたんそくど) 重力(じゅうりょく)と抵抗力(ていこうりょく)がつり合(あ)い、合力(ごうりょく)0で一定(いってい)の速(はや)さになったときの速(はや)さ
  • 終端速度(しゅうたんそくど)での力(ちから)のつり合(あ)い mg=kvt(抵抗力(ていこうりょく)=kvのモデルのとき)
  • 空気(くうき)抵抗(ていこう)の影響(えいきょう) 空気(くうき)抵抗(ていこう)を無視(むし)できないと、自由(じゆう)落下(らっか)の式(しき)v=gtは途中(とちゅう)から成(な)り立(た)たなくなる