
剛体のつり合い
カンガルー先生剛体が止まっているには、動き出さないことと回り出さないことの両方が要る。未知の力が集まる点を軸にとると式が楽だよ。
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- 力を加えても形や大きさが変わらないと考える物体を剛体という。大きさのある物体のつり合いは、剛体として扱う。
- 剛体がつり合う条件は、①働く力の合力(新しいタブで開きます)が0、②ある点のまわりの力のモーメント(新しいタブで開きます)の和が0、の2つ。
- つり合っているとき、モーメントの和はどの点のまわりで考えても0。未知の力が働く点を軸にとると、その力が式から消える。
詳しく
剛体がつり合う2つの条件
物理基礎では、物体を点とみなし、力がつり合えば静止すると考えた。大きさのある物体では、力の働く点がずれていると物体が回転することがある。力を加えても変形しないと考える物体を剛体という。
剛体が静止し続けるための条件は2つある。1つは、働く力の合力が0であること(水平方向・鉛直方向の成分の和がそれぞれ0)。もう1つは、ある点のまわりの力のモーメントの和が0であることだ。
2つめの条件は、反時計回りのモーメントの和と時計回りのモーメントの和が等しい、と言いかえられる。てこが水平につり合う条件と同じ考え方である。
例題:棒のつり合いとはしご
例題1:長さ1.2mの軽い棒の左端Aに30N、右端Bに10Nのおもりをつるし、棒を水平に保つように1本の糸でつるす。糸の位置をAからとすると、糸のまわりのモーメントのつり合いは。これより0.30m。糸の張力は、鉛直方向のつり合いから40N。
例題2:重さ200N、長さ4.0mの一様なはしごを、なめらかな鉛直の壁に立てかけた。床との角は45°で、はしごは静止している。重力ははしごの中点に働く。床との接点のまわりのモーメントのつり合いはで、壁からの垂直抗力(新しいタブで開きます)は100N。
例題3:例題2で、水平方向のつり合いから床の静止摩擦力(新しいタブで開きます)は壁の向きに100N、鉛直方向のつり合いから床の垂直抗力は200Nになる。
どの点を軸にとってもよいのはなぜか
合力が0のとき、ある点のまわりでモーメントの和が0なら、ほかのどの点のまわりで計算しても和は0になる。軸を動かしても、合力が0なので、増える分と減る分が打ち消し合うからだ。
そこで、大きさのわからない力が働く点を軸にとるとよい。その力のうでの長さは0なので、モーメントの式から消える。はしごの例で床との接点を軸にしたのは、床からの垂直抗力と摩擦力を同時に消すためである。
合力が0でもモーメントの和が0でなければ、物体は回り始める。逆に、モーメントの和が0でも合力が0でなければ、物体は動き出す。剛体を静止させるには、2つの条件がどちらも必要になる。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/equilibrium-of-rigid-bodies/?from=print#quiz
長さ0.90mの軽い棒の左端に20N、右端に40Nのおもりをつるし、棒を水平に保つように1本の糸でつるす。糸を付ける位置は左端から何mか。
答え:____________
正解:0.60
糸の位置を左端からxとすると、糸のまわりのモーメントのつり合いは 20x=40(0.90−x)。60x=36より x=0.60m。重さ60N、長さ2.0mの一様な棒の両端を、下から支えて水平に保つ。棒の左端から0.50mの点に40Nのおもりをのせたとき、右端の支えが棒を押し上げる力は何Nか。
答え:____________
正解:40
左端のまわりのモーメントのつり合いは、60×1.0+40×0.50=R×2.0。80=2.0Rより R=40N。重さ300N、長さ5.0mの一様なはしごを、なめらかな鉛直の壁に立てかけた。はしごは床と45°をなして静止している。壁がはしごを押す力は何Nか。
答え:____________
正解:150
床との接点のまわりのつり合いは 300×2.5cos45°=N×5.0sin45°。cos45°とsin45°は等しいので N=300×2.5÷5.0=150N。大きさのある物体(剛体)が静止し続けるための条件として正しいものはどれか。
- ◯ 合力が0で、力のモーメントの和も0
- ◯ 力のモーメントの和が0であればよい
- ◯ 重力と垂直抗力が等しければよい
- ◯ 合力が0であればよい
正解:合力が0で、力のモーメントの和も0
合力(新しいタブで開きます)が0なら動き出さず、力のモーメント(新しいタブで開きます)の和が0なら回り出さない。剛体の静止には2つの条件がどちらも要る。
単元のポイント
- 剛体 力を加えても変形しないと考える物体
- 条件① 合力が0(水平・鉛直の成分ごとに0)
- 条件② 力のモーメントの和が0
- 軸のとり方 未知の力が働く点を軸にすると式が簡単