
有機化合物の特徴と構造式・異性体
カメレオン先生分子式が同じでも、原子のつながり方が違えば別の物質。構造異性体と立体異性体の見分け方を図でつかもう。
30秒でつかむ
- 炭素を骨格にもつ有機化合物(新しいタブで開きます)は融点(新しいタブで開きます)・沸点が低く、燃焼(新しいタブで開きます)すると二酸化炭素(新しいタブで開きます)と水を生じるものが多い。
- 分子式が同じで構造が違う化合物を異性体といい、炭素骨格が違う構造異性体と立体配置が違う立体異性体に分かれる。
- 二重結合のシス-トランス異性体と、不斉炭素原子による鏡像異性体は、立体異性体の代表例である。
詳しく
有機化合物の特徴と構造の表し方
炭素原子を骨格とする化合物を有機化合物という。無機物(新しいタブで開きます)質に比べて融点・沸点が低く、水に溶けにくく有機溶媒に溶けやすいものが多い。炭素原子は4本の価標(手)をもち、他の炭素・水素・酸素・窒素などと共有結合(新しいタブで開きます)して鎖状や環状の骨格をつくる。
分子式だけでは原子のつながり方がわからないため、すべての結合を線で表した式を構造式、炭素骨格と官能基だけを区別して書いた式を示性式という。エタノールは分子式C₂H₆O、示性式C₂H₅OHのように表す。
分子式が同じでも構造が異なる化合物どうしを異性体という。原子のつながり方が違う構造異性体と、原子の立体的な配置が違う立体異性体に大きく分けられる。
例:分子式C₄H₁₀・C₄H₈・C₅H₁₂の異性体
分子式C₄H₁₀で表される化合物には、炭素が一直線につながったノルマルブタン(CH₃-CH₂-CH₂-CH₃)と、枝分かれしたイソブタン(2-メチルプロパン)の2種類の構造異性体がある。
分子式C₄H₈のアルケンである2-ブテンには、二重結合を軸に同じ側にメチル基が並ぶシス形と、反対側に並ぶトランス形という2種類のシス-トランス異性体があり、これも立体異性体の一つだ。
分子式C₅H₁₂のアルカンには、ノルマルペンタン・2-メチルブタン・2,2-ジメチルプロパンの3種類の構造異性体がある。枝分かれが増えるほど分子の形がまとまり、沸点は低くなる傾向がある。
立体異性体ができる理由
分子式が同じでも構造異性体が複数できるのは、炭素原子が4本の手で鎖状にも枝分かれしてもつながれるためで、炭素の数が増えるほど組み合わせの数は急激に増える。
二重結合をはさむ炭素にそれぞれ異なる2種類の原子(または原子団)が結合しているとき、二重結合は自由に回転できないため、シス形とトランス形という立体異性体が生じる。単結合は自由に回転できるため、このような異性体はできない。
炭素原子に4種類の異なる原子・原子団が結合しているとき、その炭素を不斉炭素原子といい、実像と鏡像が重なり合わない鏡像異性体(光学異性体)が生じる。乳酸CH₃-CH(OH)-COOHの中央の炭素はこの条件を満たす不斉炭素原子である。
確認問題
確認問題(解答用紙)
スマホやタブレットで読み取ると、この問題をその場で解けます。
https://manazoo.com/science/hydrocarbons-and-isomers/?from=print#quiz
分子式が同じで構造が異なる化合物どうしを何というか。
- ◯ 異性体
- ◯ 共役体
- ◯ 同族体
- ◯ 同素体
正解:異性体
分子(新しいタブで開きます)式が同じでも原子のつながり方や立体的な配置が違う化合物どうしを異性体という。炭素骨格が違う構造異性体と、立体配置が違う立体異性体に分かれる。分子式C₅H₁₂のアルカンには構造異性体が何種類あるか。
答え:____________
正解:3
C₅H₁₂には、ノルマルペンタン・2-メチルブタン・2,2-ジメチルプロパンの3種類の構造異性体がある。2-ブテンの二重結合を軸にした立体異性体の名称として正しいものはどれか。
- ◯ 構造異性体
- ◯ 同素体
- ◯ 鏡像異性体
- ◯ シス-トランス異性体
正解:シス-トランス異性体
二重結合を軸に原子団が同じ側か反対側かで分かれる立体異性体をシス-トランス異性体(幾何異性体)という。単結合は自由に回転できるため、このような異性体はできない。乳酸CH₃-CH(OH)-COOHの中央の炭素が不斉炭素原子である理由として正しいものはどれか。
- ◯ 二重結合をもつから
- ◯ 4種類の異なる原子・原子団が結合しているから
- ◯ 環状構造をもつから
- ◯ 4つの手すべてに同じ原子が結合しているから
正解:4種類の異なる原子・原子団が結合しているから
不斉炭素原子とは、4種類の異なる原子・原子団が結合した炭素原子のこと。乳酸の中央の炭素にはCH₃・OH・COOH・Hという4種類の異なる原子団・原子が結合している。
単元のポイント
- 構造式・示性式 原子の結合をすべて表す構造式と、炭素骨格と官能基だけを区別して書く示性式がある
- 構造異性体 分子式が同じで炭素骨格のつながり方が違う化合物。例:C₅H₁₂の3種類
- シス-トランス異性体 二重結合を軸に原子団が同じ側か反対側かで分かれる立体異性体(幾何異性体)
- 鏡像異性体 不斉炭素原子(4種類の異なる原子・原子団が結合した炭素)をもつ化合物に生じる、実像と鏡像が重ならない異性体